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ガーナの街にて
閑話 その頃の王子たち 〜なんでこんな事に!? 〜 2
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勇者村に半刻ほど馬を走らせ辿り着いた村では、勇者村の住民総出のお出迎えが待っていた。
・・・・うん、村人総出だな。老若男女勢揃いで、、、って、ディーン!何でお前まで俺たちを暢気に出迎えているんだよ!
しかもお前っ、既に湯浴みも終えているだろっ!何でサッパリした顔で出迎えてんだよっ。
頭からホヤホヤと湯気が出ているんじゃないか、という程サッパリした顔で立っているディーンを睨みつけたいが、村人の手前、何事も無い様に笑顔で歓待を受ける。
アイツ、旅の目的を分かっているのかなぁ?
俺の横で無表情で立っているロイドに心の中で語りかけるが当然返事は無い。
もうヤダ。ディーンがこんなにマイペースな奴だったなんて、幼少の頃からの幼馴染の私でも知らなかった。
『ディーン様ってさすが神官様、というか浮世離れした雰囲気が素敵よね。』
そんな事を言っていた王宮の侍女たちに今のディーンを見せてやりたい。
「ジョセフ殿下、そしてお付きの皆様。遠路遥々、この勇者村までお越し下さりありがとうございます。
私は勇者村の村長を務めておりますルーベルトと申します。」
一人の中年男性がにこやかな笑顔で村人たちの中から一歩前に歩み出て言った。
何故、私が第二王子だと知っている。ディーン、どこまで話したんだ?
今度こそギロリとディーンを睨みつけるが目が合う事は無い。
「ルーベルト殿、村人総出での歓迎に感謝するが、私たちの此度の旅はーー。」
「勿論っ!分かっております、分かっておりますとも!
みなまで申さずとも私どもは勇者の末裔でございます。
私たちの中に眠る勇者の血が、勇者を迎えにくる殿下たちの気配を察知していたのです!」
オイ、今コイツ、この国の王子の言葉を遮らなかったか?
「・・・・アサド村から村へ戻る途中だっただけですよね?」
レオンが小声で呟いているが?
「ささっ、勇者の勧誘には時間が掛かるでしょうし皆も心の準備が整っていない筈です。
本日はこれより旅の疲れを癒して頂こうと取り急ぎ宴の準備を致しました。
皆様、どうぞこちらに!」
・・・・勇者って勧誘されてなるものなのか?しかも心の準備って一体何だ?
強引な客引きのように我々は村人たちによって村の中へと案内されていった。
「さぁ、ジョセフ殿下。高貴なお方が飲むには安酒ではありますが、今、アサド村で人気の料理を用意しましたので是非お食べ下さい。」
村の中央で始まった宴は、これもまた村人勢揃いで始まった。ルーベルトはエール片手に丸い茶色の肉の様なモノを皿に乗せて私の隣へとやって来た。
「うわぁ~ん!父ちゃんのバカァ。俺の唐揚げなのにぃ~。」
ルーベルトの背後から男の子の泣き叫ぶ声が聞こえて非常にご馳走になりにくいのだが?
「コラっ!また父ちゃんが買って来てくれるって言ったでしょ!黙ってこっちの川魚をお食べっ!」
「やぁ~だぁ~。魚より肉がいい~。肉ぅ、肉ぅ。俺の唐揚げを返してよぉ。あの兄ちゃん嫌いだー。」
・・・・ルーベルトよ。この状況で私に渡すのはどういうつもりだ?私の好感度を下げる作戦か何かか?
「あっ!美味しいです!ジョセフ、この唐揚げという料理はとても美味しいですよ。
こんな美味しい物は初めて食べました!」
「うわーん、ジョセフ兄ちゃんのバカァ~!」
ちょっと待て、少年!
今、君の唐揚げを食べたのはディーンだ。私では無い、断じて私では無いのだぞ!
泣きながら家へと走り出す少年の背中に訴えかけるが私の心の声が彼に聞こえる訳は無かった。
「ハハハっ、ケンも反抗期ってヤツですかね?さっ、殿下も食べないとディーン様に全て食べられてしまいますぞ?」
反抗期。コレを反抗期で片付けるルーベルトの村長としての力量はどんなものなのだろう。
勇者村に来てから更にこの旅に対する不安が増していくのだが、この村は大丈夫なのか?
不安をロイドに払拭してもらおうとロイドたちが座っている方に視線を送れば、リスの様に頬袋一杯に唐揚げを口に入れているロイドと目が合った。私と目が合ったロイドはゆっくりと頷いている。
唐揚げは美味い。
もしかしてそれを伝えたいのか、ロイド?
私はガックリと項垂れながら私に差し出された筈の皿に目を向けると空だった。
隣にはやはり頬袋一杯に唐揚げを口に詰め込んだらしいディーンが居た。
ケン少年よ!私は無実だ。そして君の同士だ!私も君と同様、唐揚げなるものを口にしていないのだからな!!
深夜まで続いた宴の翌日は『ジョセフ殿下と行こう!魔王討伐の旅 勇者決定戦』が待っていたのだった。
・・・・うん、村人総出だな。老若男女勢揃いで、、、って、ディーン!何でお前まで俺たちを暢気に出迎えているんだよ!
しかもお前っ、既に湯浴みも終えているだろっ!何でサッパリした顔で出迎えてんだよっ。
頭からホヤホヤと湯気が出ているんじゃないか、という程サッパリした顔で立っているディーンを睨みつけたいが、村人の手前、何事も無い様に笑顔で歓待を受ける。
アイツ、旅の目的を分かっているのかなぁ?
俺の横で無表情で立っているロイドに心の中で語りかけるが当然返事は無い。
もうヤダ。ディーンがこんなにマイペースな奴だったなんて、幼少の頃からの幼馴染の私でも知らなかった。
『ディーン様ってさすが神官様、というか浮世離れした雰囲気が素敵よね。』
そんな事を言っていた王宮の侍女たちに今のディーンを見せてやりたい。
「ジョセフ殿下、そしてお付きの皆様。遠路遥々、この勇者村までお越し下さりありがとうございます。
私は勇者村の村長を務めておりますルーベルトと申します。」
一人の中年男性がにこやかな笑顔で村人たちの中から一歩前に歩み出て言った。
何故、私が第二王子だと知っている。ディーン、どこまで話したんだ?
今度こそギロリとディーンを睨みつけるが目が合う事は無い。
「ルーベルト殿、村人総出での歓迎に感謝するが、私たちの此度の旅はーー。」
「勿論っ!分かっております、分かっておりますとも!
みなまで申さずとも私どもは勇者の末裔でございます。
私たちの中に眠る勇者の血が、勇者を迎えにくる殿下たちの気配を察知していたのです!」
オイ、今コイツ、この国の王子の言葉を遮らなかったか?
「・・・・アサド村から村へ戻る途中だっただけですよね?」
レオンが小声で呟いているが?
「ささっ、勇者の勧誘には時間が掛かるでしょうし皆も心の準備が整っていない筈です。
本日はこれより旅の疲れを癒して頂こうと取り急ぎ宴の準備を致しました。
皆様、どうぞこちらに!」
・・・・勇者って勧誘されてなるものなのか?しかも心の準備って一体何だ?
強引な客引きのように我々は村人たちによって村の中へと案内されていった。
「さぁ、ジョセフ殿下。高貴なお方が飲むには安酒ではありますが、今、アサド村で人気の料理を用意しましたので是非お食べ下さい。」
村の中央で始まった宴は、これもまた村人勢揃いで始まった。ルーベルトはエール片手に丸い茶色の肉の様なモノを皿に乗せて私の隣へとやって来た。
「うわぁ~ん!父ちゃんのバカァ。俺の唐揚げなのにぃ~。」
ルーベルトの背後から男の子の泣き叫ぶ声が聞こえて非常にご馳走になりにくいのだが?
「コラっ!また父ちゃんが買って来てくれるって言ったでしょ!黙ってこっちの川魚をお食べっ!」
「やぁ~だぁ~。魚より肉がいい~。肉ぅ、肉ぅ。俺の唐揚げを返してよぉ。あの兄ちゃん嫌いだー。」
・・・・ルーベルトよ。この状況で私に渡すのはどういうつもりだ?私の好感度を下げる作戦か何かか?
「あっ!美味しいです!ジョセフ、この唐揚げという料理はとても美味しいですよ。
こんな美味しい物は初めて食べました!」
「うわーん、ジョセフ兄ちゃんのバカァ~!」
ちょっと待て、少年!
今、君の唐揚げを食べたのはディーンだ。私では無い、断じて私では無いのだぞ!
泣きながら家へと走り出す少年の背中に訴えかけるが私の心の声が彼に聞こえる訳は無かった。
「ハハハっ、ケンも反抗期ってヤツですかね?さっ、殿下も食べないとディーン様に全て食べられてしまいますぞ?」
反抗期。コレを反抗期で片付けるルーベルトの村長としての力量はどんなものなのだろう。
勇者村に来てから更にこの旅に対する不安が増していくのだが、この村は大丈夫なのか?
不安をロイドに払拭してもらおうとロイドたちが座っている方に視線を送れば、リスの様に頬袋一杯に唐揚げを口に入れているロイドと目が合った。私と目が合ったロイドはゆっくりと頷いている。
唐揚げは美味い。
もしかしてそれを伝えたいのか、ロイド?
私はガックリと項垂れながら私に差し出された筈の皿に目を向けると空だった。
隣にはやはり頬袋一杯に唐揚げを口に詰め込んだらしいディーンが居た。
ケン少年よ!私は無実だ。そして君の同士だ!私も君と同様、唐揚げなるものを口にしていないのだからな!!
深夜まで続いた宴の翌日は『ジョセフ殿下と行こう!魔王討伐の旅 勇者決定戦』が待っていたのだった。
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