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ガーナの街にて
閑話 その頃の王子たち〜なんでこんな事に!?〜 1
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予定通りと言うべきか、俺たちは馬車で7日の距離のある西の辺境の地、聖女が間違って召喚されてしまったであろう森に5日で辿り着いたのだった。
「王子ぃ~、どうかしたんですかぁ。とっとと歩かないと森の中で一夜を過ごす羽目になるかもだしぃ。
あ、それともやっぱりアサド村に先に寄れば良かった、とか後悔しているとか?」
テオドアが後ろを振り返りながら声をかけてくるが、この並びはおかしくないか?
剣を構えながら先頭を歩くのはロイドだ。これは理解出来る。いつ魔獣が飛び出してくるか分からないからな。問題は次だ。何でテオドアがロイドと俺に護られる様に真ん中を歩いているんだ?
確かに俺は剣神と称えられる程の剣の腕前を持っているが、この国の第二王子だぞ?
そこは形だけでも俺に真ん中を歩かせるべきじゃ無いのか?
いくら幼馴染だとはいえ、前から思っていたが俺の扱いが雑というか適当じゃないだろうか。
・・・いや、今は聖女の救出が先だったな。
「この森が召喚先だったのなら先ずは森を調べるのが先だろう。この森は魔獣の目撃情報が増えていた場所だしな。その後にアサド村へ向かえば大丈夫だろう。
ただ、森の外にディーンを残してきたのが気になってな。レオンがいるから問題無いだろうが、、、。」
そうだ。森に入るには馬を置いていかねばならなかった。当初はレオンが待機する筈だったが、ディーンが残ると言い出したのだ。
「この森では私に出来る事は何も無いでしょう。足手纏いにならぬ様にレオンと一緒に待っておりますよ。」
そう涼しい顔でディーンは言っていたが、道なき道を汗を流しながら歩くのが嫌だっただけだろう。アイツ、昆虫類も嫌いだったしな。
「テオ、この方角で合っているのだな?魔獣らしき気配はしないが、森の中心部に向かっているぞ?
この様な場所ではいくら聖女様とはいえ、一人で森を抜けられるとは思えないのだが。」
邪魔な草木を剣で薙ぎ払いながらロイドが言っているが確かにその通りだ。
この不気味な静けさのある森で獣の鳴き声一つ聞こえないのは良い事なのだろうが、突然、この様な場所に飛ばされた聖女は果たしてその場から動く事など出来ただろうか。
その場に留まってくれていた方が私たちにとっては探し出しやすい事ではある。だが、この森の中ではそれは正解とも言えないだろう。
何の準備もなく召喚された聖女がこの5日間、飲まず食わずで無事に過ごせる訳が無い。しかし、この森で下手に歩き回るのも悪手であると言えよう。
自分が聖女とは知らない聖女は、ただのか弱き一般女性と何ら変わりはない。普通の森でさえ、遭難は命の危機だろうが、此処は近年、魔獣の目撃情報が聞かれる危険な森なのだ。
聖女よ!無事でいてくれ!!
その願いは女神ナーシャ様に聞き届けられた、という事だろうか。
森の中心部へと足を進め続けて一刻程が経った頃、森の中心部だというのにそこだけがポッカリと何も無い場所に辿り着いた。
「あ~、うん。此処だね。薄らと魔法陣の残滓が残っているよ。」
テオドアはそう言うとボソリと何かを呟いた。すると足下で弱々しくも金色の光が丸い輪となって現れた。
「聖女っ!聖女は何処に居るのだっ!?」
金色の光に一瞬、気を取られたものの、慌てて周囲を見回すが当然だが聖女の姿は何処にもない。召喚されて5日も経っているのだからな。
「落ち着け、ジョセフ。この辺りは荒らされた形跡も無い。此処までに魔獣の気配も無かったんだ。きっと聖女様も無事に森を抜けられたのだろう。」
ロイドの落ち着き払った声に我に帰る。ロイドがこの旅の仲間に居てくれて本当に良かった。不安ばかりしかないこの面子の中で俺の心を落ち着かせてくれる唯一の存在だ。
「無事に森を抜けられたか、ってのは、どうやって?と疑問も残るけれど、辺り一帯を探索魔法を掛けた限りでは、森の中に人間の気配は無いっていうのは同意。あ、死体らしきモノも無いから安心して~。」
テオドア、一言余計だっ!
「では、急ぎ戻ってアサド村に聞き込みに行こう!」
聖女の救出が現実味のあるものになり、希望を胸に急ぎ足でディーンたちが待つ場所に戻った俺たちは困り顔のレオンに出迎えられたのだった。
「あの、お止めしたのですが、、、。勇者村の村人たちが通り掛かりまして、『是非、我が村でお休み下さい。』と、その強引、、、強く誘われまして。
旅の途中だとお断りしたのですが、『湯浴みを』の言葉にディーン様が強く反応されまして、、、、。」
・・・・・・・・・。
ア・イ・ツはぁ~!!
湯浴みに反応って何だよ!乙女かよっ!!
こうして俺たちは聖女の情報を求めて、勇者村へと向かう事になったのだった、、、、。
「王子ぃ~、どうかしたんですかぁ。とっとと歩かないと森の中で一夜を過ごす羽目になるかもだしぃ。
あ、それともやっぱりアサド村に先に寄れば良かった、とか後悔しているとか?」
テオドアが後ろを振り返りながら声をかけてくるが、この並びはおかしくないか?
剣を構えながら先頭を歩くのはロイドだ。これは理解出来る。いつ魔獣が飛び出してくるか分からないからな。問題は次だ。何でテオドアがロイドと俺に護られる様に真ん中を歩いているんだ?
確かに俺は剣神と称えられる程の剣の腕前を持っているが、この国の第二王子だぞ?
そこは形だけでも俺に真ん中を歩かせるべきじゃ無いのか?
いくら幼馴染だとはいえ、前から思っていたが俺の扱いが雑というか適当じゃないだろうか。
・・・いや、今は聖女の救出が先だったな。
「この森が召喚先だったのなら先ずは森を調べるのが先だろう。この森は魔獣の目撃情報が増えていた場所だしな。その後にアサド村へ向かえば大丈夫だろう。
ただ、森の外にディーンを残してきたのが気になってな。レオンがいるから問題無いだろうが、、、。」
そうだ。森に入るには馬を置いていかねばならなかった。当初はレオンが待機する筈だったが、ディーンが残ると言い出したのだ。
「この森では私に出来る事は何も無いでしょう。足手纏いにならぬ様にレオンと一緒に待っておりますよ。」
そう涼しい顔でディーンは言っていたが、道なき道を汗を流しながら歩くのが嫌だっただけだろう。アイツ、昆虫類も嫌いだったしな。
「テオ、この方角で合っているのだな?魔獣らしき気配はしないが、森の中心部に向かっているぞ?
この様な場所ではいくら聖女様とはいえ、一人で森を抜けられるとは思えないのだが。」
邪魔な草木を剣で薙ぎ払いながらロイドが言っているが確かにその通りだ。
この不気味な静けさのある森で獣の鳴き声一つ聞こえないのは良い事なのだろうが、突然、この様な場所に飛ばされた聖女は果たしてその場から動く事など出来ただろうか。
その場に留まってくれていた方が私たちにとっては探し出しやすい事ではある。だが、この森の中ではそれは正解とも言えないだろう。
何の準備もなく召喚された聖女がこの5日間、飲まず食わずで無事に過ごせる訳が無い。しかし、この森で下手に歩き回るのも悪手であると言えよう。
自分が聖女とは知らない聖女は、ただのか弱き一般女性と何ら変わりはない。普通の森でさえ、遭難は命の危機だろうが、此処は近年、魔獣の目撃情報が聞かれる危険な森なのだ。
聖女よ!無事でいてくれ!!
その願いは女神ナーシャ様に聞き届けられた、という事だろうか。
森の中心部へと足を進め続けて一刻程が経った頃、森の中心部だというのにそこだけがポッカリと何も無い場所に辿り着いた。
「あ~、うん。此処だね。薄らと魔法陣の残滓が残っているよ。」
テオドアはそう言うとボソリと何かを呟いた。すると足下で弱々しくも金色の光が丸い輪となって現れた。
「聖女っ!聖女は何処に居るのだっ!?」
金色の光に一瞬、気を取られたものの、慌てて周囲を見回すが当然だが聖女の姿は何処にもない。召喚されて5日も経っているのだからな。
「落ち着け、ジョセフ。この辺りは荒らされた形跡も無い。此処までに魔獣の気配も無かったんだ。きっと聖女様も無事に森を抜けられたのだろう。」
ロイドの落ち着き払った声に我に帰る。ロイドがこの旅の仲間に居てくれて本当に良かった。不安ばかりしかないこの面子の中で俺の心を落ち着かせてくれる唯一の存在だ。
「無事に森を抜けられたか、ってのは、どうやって?と疑問も残るけれど、辺り一帯を探索魔法を掛けた限りでは、森の中に人間の気配は無いっていうのは同意。あ、死体らしきモノも無いから安心して~。」
テオドア、一言余計だっ!
「では、急ぎ戻ってアサド村に聞き込みに行こう!」
聖女の救出が現実味のあるものになり、希望を胸に急ぎ足でディーンたちが待つ場所に戻った俺たちは困り顔のレオンに出迎えられたのだった。
「あの、お止めしたのですが、、、。勇者村の村人たちが通り掛かりまして、『是非、我が村でお休み下さい。』と、その強引、、、強く誘われまして。
旅の途中だとお断りしたのですが、『湯浴みを』の言葉にディーン様が強く反応されまして、、、、。」
・・・・・・・・・。
ア・イ・ツはぁ~!!
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