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ガーナの街にて
食堂のお手伝い
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ルーナさんの息子のジョージ君とは食堂にある厨房で顔を合わせた。会った途端に何故、ルーナさんが私を若く見ていたのか、よ~く理解した。
これで14歳なの?この世界の発育状況って一体、どうなっているワケ?
そんな疑問が真っ先に出てくるほどジョージ君は大人っぽかった。確かにガタイがいい。多分190cmはありそうなぐらいの高身長。
そして日本に居たら『何かスポーツをやられているのですか?』と、会えば必ず聞かれるだろうガッチリ体型だ。あ、ガチムチマッチョ、ではないよ?バレーとかバスケとか球技系の体型かな。
そして顔も敢えて言うなら薄らと残るニキビ痕がまだ14歳らしいかな、と思えるぐらいで、見た目は日本で言う所の成人男性そのものの顔立ちだった。茶色の髪を短く切り揃えビー玉みたいな綺麗な青い瞳の好青年だ。
「母さん、この子、誰?」
会った瞬間のジョージ君の第一声がこれだった。
この子、この子かぁ。確実に年下だと思っている言い方だよね。
「メアリーの紹介で今日アサド村から着いたのよ。今日からウチに泊まっている間は宿の仕事も手伝って貰う事になっているわ。面倒をみてあげてね。」
「あ、リオと言います。この国に旅行で来ました。別の国から来たので分からない事がたくさんあります。色々教えて貰えると助かります。」
ぺこりと頭を下げてジョージ君に挨拶をするとルーナさんが笑う。
「随分丁寧な言葉遣いねぇ。年下のジョージにそんなに畏まって挨拶するなんてリオは良いところのお嬢さんかしら。ジョージ、リオは20歳なのよ。」
ジョージ君が驚いた顔でマジマジと私の顔を見た。そんなに見られると恥ずかしいよ、実年齢はもっと上だから!
「リオは変わった美味しい料理を作るのが得意なんだって。だから楽しみなのよっ。」
えぇ~、ルーナさん、話がどんどん大きくなってません?この世界に無い、私の世界の料理が作れるだけですよ、素人ですが。
しかもなぁ、この世界に無いという事はよく使っていた調味料も無いという事なんだよねぇ。実は知らないだけで売られているのかもしれないけれど。
パッと頭に思い浮かぶ料理は大抵、醤油、味醂、味噌に料理酒がよく使われている。それに化学調味料もよく使っていたなぁ。最近はうまみ調味料と言うんだっけ?
化学調味料は色々言われる事があるけれど、思い込みによる噂が多いんだよね。実は既製品にはよく使われているんだよ。
けど、お菓子の色付けとかに入っている調味料は知ってしまうと、、、という生物が使われているという事を知った時は衝撃だった。まぁ、すぐに忘れる事にしたけれども。
「今までウチで出していた料理はコレね。今日使って欲しい食材も大体はこのメニューで使っている物よ。」
そう言ってルーナさんがメニュー表を渡してくれた。
鶏肉のステーキ、牛肉のステーキ、豚肉の薄切りステーキ、、、。
この世界は肉好きなのかな?焼くのが基本だからステーキという表現になるのかなぁ。
それから鶏肉とキノコのスープにマッシュポテト、鶏の丸焼き、、、丸焼き?中に色々詰めるやつかな。
他にも幾つかあったけれど、最近は注文が入るのはそれぐらいだったらしい。リカルドさんの腕が痛み出してから、ルーナさんたちも頑張ってはいたけれど、やはりどうしてもリカルドさんのようにはいかなかったらしい。
味が落ちてきて客足が遠のき始め、リカルドさんの態度もあってか、今は昔ながらの常連さんと旅行客や宿に泊まっているお客さんに出すぐらいのそこそこ席が埋まっている、という状況なんだそうだ。
だからメニューもルーナさんたちでも出来る料理が中心になっていたみたい。成る程、さっき見たメニューは確かに割と誰でも作る事が出来る物が中心だったのかも。
今、ある材料でなるべく簡単にルーナさんたちでも出来る料理にするなら何がいいかなぁ。
しばらく考えてなんとか新しく出すメニューを決めて、ルーナさんとジョージ君の3人で下準備にかかる事にした。
それから食堂にお客さんが来るまで厨房に居たけれど、やっぱりリカルドさんは厨房に顔を出す事は無かった。
私がチラチラと階段の方を気にしている事にルーナさんは気づいたのか、
「あの人はお客が入り始めたら食堂に来るわよ。厨房じゃなくて席に、だけどね。
何だかんだ言って食堂の事は気にはなっているのよ。」
と少し寂しそうに、けれど期待してもいるように言った。その言葉を聞いて私はリカルドさんの事を気にするのは後回しにした。
実はもう一つ、食堂の事で気になる事があった。
それは食堂の隅の席、何故、あそこだけ黒っぽいモヤのようなモノが見えるのだろう。そしてその席に座るのは、、、?
これで14歳なの?この世界の発育状況って一体、どうなっているワケ?
そんな疑問が真っ先に出てくるほどジョージ君は大人っぽかった。確かにガタイがいい。多分190cmはありそうなぐらいの高身長。
そして日本に居たら『何かスポーツをやられているのですか?』と、会えば必ず聞かれるだろうガッチリ体型だ。あ、ガチムチマッチョ、ではないよ?バレーとかバスケとか球技系の体型かな。
そして顔も敢えて言うなら薄らと残るニキビ痕がまだ14歳らしいかな、と思えるぐらいで、見た目は日本で言う所の成人男性そのものの顔立ちだった。茶色の髪を短く切り揃えビー玉みたいな綺麗な青い瞳の好青年だ。
「母さん、この子、誰?」
会った瞬間のジョージ君の第一声がこれだった。
この子、この子かぁ。確実に年下だと思っている言い方だよね。
「メアリーの紹介で今日アサド村から着いたのよ。今日からウチに泊まっている間は宿の仕事も手伝って貰う事になっているわ。面倒をみてあげてね。」
「あ、リオと言います。この国に旅行で来ました。別の国から来たので分からない事がたくさんあります。色々教えて貰えると助かります。」
ぺこりと頭を下げてジョージ君に挨拶をするとルーナさんが笑う。
「随分丁寧な言葉遣いねぇ。年下のジョージにそんなに畏まって挨拶するなんてリオは良いところのお嬢さんかしら。ジョージ、リオは20歳なのよ。」
ジョージ君が驚いた顔でマジマジと私の顔を見た。そんなに見られると恥ずかしいよ、実年齢はもっと上だから!
「リオは変わった美味しい料理を作るのが得意なんだって。だから楽しみなのよっ。」
えぇ~、ルーナさん、話がどんどん大きくなってません?この世界に無い、私の世界の料理が作れるだけですよ、素人ですが。
しかもなぁ、この世界に無いという事はよく使っていた調味料も無いという事なんだよねぇ。実は知らないだけで売られているのかもしれないけれど。
パッと頭に思い浮かぶ料理は大抵、醤油、味醂、味噌に料理酒がよく使われている。それに化学調味料もよく使っていたなぁ。最近はうまみ調味料と言うんだっけ?
化学調味料は色々言われる事があるけれど、思い込みによる噂が多いんだよね。実は既製品にはよく使われているんだよ。
けど、お菓子の色付けとかに入っている調味料は知ってしまうと、、、という生物が使われているという事を知った時は衝撃だった。まぁ、すぐに忘れる事にしたけれども。
「今までウチで出していた料理はコレね。今日使って欲しい食材も大体はこのメニューで使っている物よ。」
そう言ってルーナさんがメニュー表を渡してくれた。
鶏肉のステーキ、牛肉のステーキ、豚肉の薄切りステーキ、、、。
この世界は肉好きなのかな?焼くのが基本だからステーキという表現になるのかなぁ。
それから鶏肉とキノコのスープにマッシュポテト、鶏の丸焼き、、、丸焼き?中に色々詰めるやつかな。
他にも幾つかあったけれど、最近は注文が入るのはそれぐらいだったらしい。リカルドさんの腕が痛み出してから、ルーナさんたちも頑張ってはいたけれど、やはりどうしてもリカルドさんのようにはいかなかったらしい。
味が落ちてきて客足が遠のき始め、リカルドさんの態度もあってか、今は昔ながらの常連さんと旅行客や宿に泊まっているお客さんに出すぐらいのそこそこ席が埋まっている、という状況なんだそうだ。
だからメニューもルーナさんたちでも出来る料理が中心になっていたみたい。成る程、さっき見たメニューは確かに割と誰でも作る事が出来る物が中心だったのかも。
今、ある材料でなるべく簡単にルーナさんたちでも出来る料理にするなら何がいいかなぁ。
しばらく考えてなんとか新しく出すメニューを決めて、ルーナさんとジョージ君の3人で下準備にかかる事にした。
それから食堂にお客さんが来るまで厨房に居たけれど、やっぱりリカルドさんは厨房に顔を出す事は無かった。
私がチラチラと階段の方を気にしている事にルーナさんは気づいたのか、
「あの人はお客が入り始めたら食堂に来るわよ。厨房じゃなくて席に、だけどね。
何だかんだ言って食堂の事は気にはなっているのよ。」
と少し寂しそうに、けれど期待してもいるように言った。その言葉を聞いて私はリカルドさんの事を気にするのは後回しにした。
実はもう一つ、食堂の事で気になる事があった。
それは食堂の隅の席、何故、あそこだけ黒っぽいモヤのようなモノが見えるのだろう。そしてその席に座るのは、、、?
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