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ガーナの街にて
ルーナさんの悩み
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メアリーさんの手紙には
ルーナへ
リオは他の国から来た一人旅をしている子よ。
旅の資金を稼ぎながらの旅だからルーナの宿でも泊まっている間、掃除兼料理人で雇ってあげてね。
今、食堂の件で困っているんでしょう?
リオはこの国には無い料理を沢山知っているはずだから教えて貰うと良いわよ。ウチもそれでとても助かったわ。その分、宿代を安くしてあげてね。
あと、街を案内したり冒険者登録をするのに、ジョージにお願いするわ。じゃ、また今度ね。
メアリーより
と書いてありました。メアリーさん、沢山知っている筈って、、、、。
確かにこの国には無い料理を知っているとは思うけど、別に料理人でも無いしあまり期待されても食の好みって人それぞれ違うよね。
大体、この国の人が好んで食べる味も分からないのですが?
それでもルーナさんの目が期待に満ちているし少し気にかかる事もある。
「あの、食堂の関係で困っている事って何でしょうか?」
ルーナさんが言っていた『リカルドもやる気を ー 』にやっぱり関係ある話かな?
「あぁ、ごめんね。先に事情を話さないといけないわね。取り敢えず、リオの部屋は3階の角部屋でいいかしら?
少し日当たりが悪いから安くしている部屋なの。宿屋の仕事も手伝ってくれるから更に安くするわよ。」
「はい、大丈夫です。宿代は少しでも節約したいですから。」
何泊するかもわからないしお金は少しでも節約しておきたいからね。節約は私の得意分野ですよ。
そしてルーナさんに部屋に案内して貰い部屋で話を聞く事になった。
ルーナさんの話はこうだった。
ルーナさんのご主人、リカルドさんは三日月亭のオーナー兼料理人さんだ。腕の良い料理人さんだったので食堂は評判の良い人気の店だったそうだ。
食堂はリカルドさんとルーナさん、そして1年ほど前に雇った見習いの青年の3人でやっていたけれど、調理の殆どをリカルドさんが受け持ち、あとの2人は簡単な調理補助と給仕をしていた。
しかし、2ヶ月前にリカルドさんが利き手の腕が痛い、と言い出した。その内、腕を上げたり腕を後ろに回そうとすると肩や肘の辺りまで痛むようになった。
一度、医者にも診てもらったが、骨には異常はみられなく結局、原因は分からなかったそうだ。
それでもまだ料理が出来ない訳では無かったので、リカルドさんは青年やルーナさんの手を借りて厨房に立っていた。
それがひと月ほど前頃からリカルドさんの態度に変化が現れ始めた。肩が更に痛むようになったせいか、ひどくイライラしているような怒りっぽくなった。
厨房では青年やルーナさんにキツく当たるようになり、結局、青年は耐えられずに辞めてしまった。
ルーナさんが青年の分も仕事を負担し、長男のジョージさんも学校の合間に手伝って調理補助と給仕を頑張っていたけれど、とうとう1週間前からリカルドさんは厨房にさえ立たなくなってしまったらしい。
「それからリカルドは食堂には来ても店の隅の席で黙ってエールを飲んでるだけなのよ。真面目で料理好きな大人しい人だったのに。」
そう言ってルーナさんは深くため息をついた。
「もう一度、病院には行かないのですか。」
この世界の医術というのがどのようなものかは分からないけれど、2ヶ月前よりひどくなっているなら悪化しているという事だ。
「それがねぇ、行きたくないって言うのよ。診て貰っても分からないって言うだけだって。神殿に行くお金があればいいのだけど中々ね、、、。」
困った顔をするルーナさんがちょっと気になる事を言った。
「神殿?何で神殿が関係あるんですか?」
まさか神頼みにお金が要るの?いや、お賽銭程度は必要だろうけど。
「あぁ、リオは知らない事が多いんだっけ?神殿には光魔法を使える神官様が居るのよ。治癒の魔法で治療して貰う事も出来るの。
魔力量によって治癒の力も違うらしいけど、光魔法を使える人は少ないから治療費が高くてね。」
凄いな、光魔法。どれぐらいの治療が出来るんだろう?
けど、知らない事が多い、って確かにそうだけど無知だと言われているようで微妙だな。たぶん悪気があって言っている訳じゃないのは分かるからいいけど。
「そうですか。それで今はリカルドさんは何をしているのですか。」
私が三日月亭に来てからまだ会っていないんだよね。息子のジョージさんはまだ学校から帰って来ていないと聞いている。
「あぁ、、、たぶん寝ているんじゃないかな。厨房に立たなくなってお酒の量が増えてね。食堂でずっと飲んで昼間は食事以外部屋に篭るようになってしまって。」
少し悲しそうな顔をするルーナさんに状況はかなり悪くなっているのでは?と心配になる。
今日からお世話になるから挨拶をしたかったのとリカルドさんの症状に少し心当たりがあった。
だから直接本人に確認したい事があったんだけど。まぁ、夜は食堂に来るみたいだから仕事終わりに声をかけてみよう。
「そうですか。お世話になるので挨拶をしたかったのですが、夜にでも挨拶させて頂きますね。ところでルーナさんはお若く見えますがメアリーさんと同い年くらいですか?」
「やぁね、リオ。若いのに口が上手ね。メアリーより8歳も上よ。」
ずっと暗い顔をしていたルーナさんが笑いながら言った。そうか、8歳上という事は43歳か。
「じゃあ、リカルドさんも同じくらいなんですか?」
「リカルドは48になったところよ。リオは旅をしているって事は成人しているの?」
ぐっ、歳を聞くのは藪蛇だったか。でも気になった事だったし。
メアリーさんに20歳と言ってしまったからにはここでもそう言うしかないか。けど本当に16歳前後に見えているの?
「に、20歳です。若く見えるなんて、ハハハ、ウレシイナァ。」
どうしても自分で5歳も若く言うのは抵抗あるな。やっぱりそう見えなくても25歳と初めから言うべきだったなぁ。次からはちゃんと本当の歳を言おう!私の精神が持たないよ。
「あら、やだ!そんなに上だったの?ウチの子より6歳も上じゃない!どう見てもウチの子と同じか少し上ぐらいだと思ったのに。」
6歳下、、、マジですか。同じ歳に見えるってこの国の基準はどうなっているの?皆、私を騙してない?
けれど、その後で会ったジョージ君を見て、ルーナさんの基準がジョージ君だと言う事はよくわかった。
ルーナへ
リオは他の国から来た一人旅をしている子よ。
旅の資金を稼ぎながらの旅だからルーナの宿でも泊まっている間、掃除兼料理人で雇ってあげてね。
今、食堂の件で困っているんでしょう?
リオはこの国には無い料理を沢山知っているはずだから教えて貰うと良いわよ。ウチもそれでとても助かったわ。その分、宿代を安くしてあげてね。
あと、街を案内したり冒険者登録をするのに、ジョージにお願いするわ。じゃ、また今度ね。
メアリーより
と書いてありました。メアリーさん、沢山知っている筈って、、、、。
確かにこの国には無い料理を知っているとは思うけど、別に料理人でも無いしあまり期待されても食の好みって人それぞれ違うよね。
大体、この国の人が好んで食べる味も分からないのですが?
それでもルーナさんの目が期待に満ちているし少し気にかかる事もある。
「あの、食堂の関係で困っている事って何でしょうか?」
ルーナさんが言っていた『リカルドもやる気を ー 』にやっぱり関係ある話かな?
「あぁ、ごめんね。先に事情を話さないといけないわね。取り敢えず、リオの部屋は3階の角部屋でいいかしら?
少し日当たりが悪いから安くしている部屋なの。宿屋の仕事も手伝ってくれるから更に安くするわよ。」
「はい、大丈夫です。宿代は少しでも節約したいですから。」
何泊するかもわからないしお金は少しでも節約しておきたいからね。節約は私の得意分野ですよ。
そしてルーナさんに部屋に案内して貰い部屋で話を聞く事になった。
ルーナさんの話はこうだった。
ルーナさんのご主人、リカルドさんは三日月亭のオーナー兼料理人さんだ。腕の良い料理人さんだったので食堂は評判の良い人気の店だったそうだ。
食堂はリカルドさんとルーナさん、そして1年ほど前に雇った見習いの青年の3人でやっていたけれど、調理の殆どをリカルドさんが受け持ち、あとの2人は簡単な調理補助と給仕をしていた。
しかし、2ヶ月前にリカルドさんが利き手の腕が痛い、と言い出した。その内、腕を上げたり腕を後ろに回そうとすると肩や肘の辺りまで痛むようになった。
一度、医者にも診てもらったが、骨には異常はみられなく結局、原因は分からなかったそうだ。
それでもまだ料理が出来ない訳では無かったので、リカルドさんは青年やルーナさんの手を借りて厨房に立っていた。
それがひと月ほど前頃からリカルドさんの態度に変化が現れ始めた。肩が更に痛むようになったせいか、ひどくイライラしているような怒りっぽくなった。
厨房では青年やルーナさんにキツく当たるようになり、結局、青年は耐えられずに辞めてしまった。
ルーナさんが青年の分も仕事を負担し、長男のジョージさんも学校の合間に手伝って調理補助と給仕を頑張っていたけれど、とうとう1週間前からリカルドさんは厨房にさえ立たなくなってしまったらしい。
「それからリカルドは食堂には来ても店の隅の席で黙ってエールを飲んでるだけなのよ。真面目で料理好きな大人しい人だったのに。」
そう言ってルーナさんは深くため息をついた。
「もう一度、病院には行かないのですか。」
この世界の医術というのがどのようなものかは分からないけれど、2ヶ月前よりひどくなっているなら悪化しているという事だ。
「それがねぇ、行きたくないって言うのよ。診て貰っても分からないって言うだけだって。神殿に行くお金があればいいのだけど中々ね、、、。」
困った顔をするルーナさんがちょっと気になる事を言った。
「神殿?何で神殿が関係あるんですか?」
まさか神頼みにお金が要るの?いや、お賽銭程度は必要だろうけど。
「あぁ、リオは知らない事が多いんだっけ?神殿には光魔法を使える神官様が居るのよ。治癒の魔法で治療して貰う事も出来るの。
魔力量によって治癒の力も違うらしいけど、光魔法を使える人は少ないから治療費が高くてね。」
凄いな、光魔法。どれぐらいの治療が出来るんだろう?
けど、知らない事が多い、って確かにそうだけど無知だと言われているようで微妙だな。たぶん悪気があって言っている訳じゃないのは分かるからいいけど。
「そうですか。それで今はリカルドさんは何をしているのですか。」
私が三日月亭に来てからまだ会っていないんだよね。息子のジョージさんはまだ学校から帰って来ていないと聞いている。
「あぁ、、、たぶん寝ているんじゃないかな。厨房に立たなくなってお酒の量が増えてね。食堂でずっと飲んで昼間は食事以外部屋に篭るようになってしまって。」
少し悲しそうな顔をするルーナさんに状況はかなり悪くなっているのでは?と心配になる。
今日からお世話になるから挨拶をしたかったのとリカルドさんの症状に少し心当たりがあった。
だから直接本人に確認したい事があったんだけど。まぁ、夜は食堂に来るみたいだから仕事終わりに声をかけてみよう。
「そうですか。お世話になるので挨拶をしたかったのですが、夜にでも挨拶させて頂きますね。ところでルーナさんはお若く見えますがメアリーさんと同い年くらいですか?」
「やぁね、リオ。若いのに口が上手ね。メアリーより8歳も上よ。」
ずっと暗い顔をしていたルーナさんが笑いながら言った。そうか、8歳上という事は43歳か。
「じゃあ、リカルドさんも同じくらいなんですか?」
「リカルドは48になったところよ。リオは旅をしているって事は成人しているの?」
ぐっ、歳を聞くのは藪蛇だったか。でも気になった事だったし。
メアリーさんに20歳と言ってしまったからにはここでもそう言うしかないか。けど本当に16歳前後に見えているの?
「に、20歳です。若く見えるなんて、ハハハ、ウレシイナァ。」
どうしても自分で5歳も若く言うのは抵抗あるな。やっぱりそう見えなくても25歳と初めから言うべきだったなぁ。次からはちゃんと本当の歳を言おう!私の精神が持たないよ。
「あら、やだ!そんなに上だったの?ウチの子より6歳も上じゃない!どう見てもウチの子と同じか少し上ぐらいだと思ったのに。」
6歳下、、、マジですか。同じ歳に見えるってこの国の基準はどうなっているの?皆、私を騙してない?
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