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聖女召喚は成功した、、、ハズ?
食堂は大繁盛
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掃除が終わった後、昼の準備に取り掛かると言うので私も厨房に向かう。昨夜、『新しい料理をまた作って。』とお願いされたからだ。
でもこの世界の料理に何があって何が無いのかよく分からないんだよね。とりあえず食材は何があるのかを確認してみた。
じゃがいもがたくさん有ったのでこの村の特産?と思ったら別にそういう訳では無いらしい。単に安くて手に入りやすい食材なんだって。人参や玉ねぎもそうらしい。
肉はやっぱり鶏肉が安くて入り易いそう。次に豚、牛は手に入る事は入るけれどちょっとお高いらしい。これは日本にいた時と同じかな。鶏の胸肉にはよくお世話になったなぁ。
まぁ、この3種の野菜と鶏肉があったら定番のアレだよね、シチュー。聞いてみたら塩で味付けしたスープはあってもシチューは知らないそうだ。
それからコロッケ。肉は切って焼く、煮る、が基本みたいで挽肉にして使う事は無かったらしい。挽肉って結構使えるんだけどね。主に捏ねモノ系でね。
そうそう、パン粉も無かった。まぁ『油で揚げる』文化が無いっぽいから出番も無いか。
そういう訳でシチューはシンプルに野菜の旨味と塩で味付け。コロッケは豚肉を細かく刻む感じで挽肉っぽくしてパン粉はパンをゴリゴリ削った。硬いパンのメリット?
この硬いパンが出された時はビックリした。柔らかいパンに慣れていたからね。フランスパンて相当柔らかいパンだったんだって思うぐらいに。
コロッケのソースはどうしよう、と思ったけれど昼に食べるなら間に合わないかとトマトソースを代わりに作った。玉ねぎの甘みと塩胡椒の味で食べるのも美味しいとは思うけど、一応ね。
そうしてお昼時になったらメアリーさんもビックリするぐらいの食堂は大盛況。どうも昨夜来ていたロンさんたちが、村人たちに唐揚げとフライドポテトの話をして回っていたらしい。
お昼だけで3日分の鶏肉を使い切ってしまうぐらいの繁盛ぶりで唐揚げは勿論、シチューもコロッケも好評だった。
「ふぁ~、こんな忙しいのは初めてだったよ~。」
お昼の時間をだいぶ過ぎてやっと食堂も静かになったのでお昼休憩になった。部屋に戻ったらエミリーちゃんも一緒についてくる。
セクシー美人なお姉さんに見えるけど喋ると本当年相応なエミリーちゃんは可愛い。村の皆もそう思っているのか、食堂で話しかけてくる人たちの目線は家族目線ばかりだった。
と言うかアサド村は西の辺境という事で若者は成人すると村を離れる人が多く年の近い子はあまり村には残っていないらしい。なので食堂に来るお客さんも年上ばかりで自然と家族目線となみたい。
エミリーちゃんも王都や人が多く住む街に憧れはあるようだけれど、宿屋を手伝う為に残っているんだって。
本人曰く、『宿屋の看板娘だからね。』とウィンクしながら言っていたけれど本当に良い子だ。
エミリーちゃんにこの世界の常識みたいな事を聞いたり質問したり、女子トーク含めてあれこれと話を聞いて午後は過ごした。
夕方前には夜の仕込みの準備の手伝いをしようと厨房にいくと既に食堂は満員状態。エール片手にツマミを食べてる村人たちで一杯だった。この時間にこんなに人が居るのは初めてだってエミリーちゃんがまた驚いてる。
厨房に知らない中年の男女が居たので誰だろうと思ったら、この村にあるもう1軒の食堂を営むリンデルさん夫妻だった。
夜の営業時間を前にこの混み具合にメアリーさんが救援要請をしたそうだ。でもきっとそれだけが理由では無いのは、私もきっとリンデルさんたちも気付いているだろう。
メアリーさんは道端を大荷物を抱えて歩いていた怪しげな格好 ーこの世界ではー の私に荷馬車を止めさてまで声をかけてくれた人だ。
きっと手伝いと言いつつ料理を覚えて貰おうと思っているのだろう。本当に親切で優しい人だ。今も厨房はジャックさんとリンデルさん夫婦に任せて自分は給仕をしている。
「こんなに来られちゃ休む暇が無いわよ。明日からはリンデルの店でも同じ料理を出せるから少しは休ませて頂戴。」
なんて笑って言っている。
「ほーんとお人好しよね、母さんて。でもそこが自慢の母さんなのよ。」
ちょっと呆れた声で笑顔でメアリーさんを見ながら言ったエミリーちゃんは、きっとメアリーさんたちの姿を見て育っているから憧れの街にも行かずにここで働く事を決めたのだろう。良いな、私が憧れていた理想の家族像が目の前にあるよ。
そんな家族の力になりたくてお客さんがひと段落した後に教えた料理のアレンジ料理を幾つか披露した。勿論リンデルさんたちにも覚えて貰ったよ。完成に少し時間が掛かるけれどソースの作り方も伝授した。やっぱりコロッケにはソースが欲しいよね。
でもこの世界の料理に何があって何が無いのかよく分からないんだよね。とりあえず食材は何があるのかを確認してみた。
じゃがいもがたくさん有ったのでこの村の特産?と思ったら別にそういう訳では無いらしい。単に安くて手に入りやすい食材なんだって。人参や玉ねぎもそうらしい。
肉はやっぱり鶏肉が安くて入り易いそう。次に豚、牛は手に入る事は入るけれどちょっとお高いらしい。これは日本にいた時と同じかな。鶏の胸肉にはよくお世話になったなぁ。
まぁ、この3種の野菜と鶏肉があったら定番のアレだよね、シチュー。聞いてみたら塩で味付けしたスープはあってもシチューは知らないそうだ。
それからコロッケ。肉は切って焼く、煮る、が基本みたいで挽肉にして使う事は無かったらしい。挽肉って結構使えるんだけどね。主に捏ねモノ系でね。
そうそう、パン粉も無かった。まぁ『油で揚げる』文化が無いっぽいから出番も無いか。
そういう訳でシチューはシンプルに野菜の旨味と塩で味付け。コロッケは豚肉を細かく刻む感じで挽肉っぽくしてパン粉はパンをゴリゴリ削った。硬いパンのメリット?
この硬いパンが出された時はビックリした。柔らかいパンに慣れていたからね。フランスパンて相当柔らかいパンだったんだって思うぐらいに。
コロッケのソースはどうしよう、と思ったけれど昼に食べるなら間に合わないかとトマトソースを代わりに作った。玉ねぎの甘みと塩胡椒の味で食べるのも美味しいとは思うけど、一応ね。
そうしてお昼時になったらメアリーさんもビックリするぐらいの食堂は大盛況。どうも昨夜来ていたロンさんたちが、村人たちに唐揚げとフライドポテトの話をして回っていたらしい。
お昼だけで3日分の鶏肉を使い切ってしまうぐらいの繁盛ぶりで唐揚げは勿論、シチューもコロッケも好評だった。
「ふぁ~、こんな忙しいのは初めてだったよ~。」
お昼の時間をだいぶ過ぎてやっと食堂も静かになったのでお昼休憩になった。部屋に戻ったらエミリーちゃんも一緒についてくる。
セクシー美人なお姉さんに見えるけど喋ると本当年相応なエミリーちゃんは可愛い。村の皆もそう思っているのか、食堂で話しかけてくる人たちの目線は家族目線ばかりだった。
と言うかアサド村は西の辺境という事で若者は成人すると村を離れる人が多く年の近い子はあまり村には残っていないらしい。なので食堂に来るお客さんも年上ばかりで自然と家族目線となみたい。
エミリーちゃんも王都や人が多く住む街に憧れはあるようだけれど、宿屋を手伝う為に残っているんだって。
本人曰く、『宿屋の看板娘だからね。』とウィンクしながら言っていたけれど本当に良い子だ。
エミリーちゃんにこの世界の常識みたいな事を聞いたり質問したり、女子トーク含めてあれこれと話を聞いて午後は過ごした。
夕方前には夜の仕込みの準備の手伝いをしようと厨房にいくと既に食堂は満員状態。エール片手にツマミを食べてる村人たちで一杯だった。この時間にこんなに人が居るのは初めてだってエミリーちゃんがまた驚いてる。
厨房に知らない中年の男女が居たので誰だろうと思ったら、この村にあるもう1軒の食堂を営むリンデルさん夫妻だった。
夜の営業時間を前にこの混み具合にメアリーさんが救援要請をしたそうだ。でもきっとそれだけが理由では無いのは、私もきっとリンデルさんたちも気付いているだろう。
メアリーさんは道端を大荷物を抱えて歩いていた怪しげな格好 ーこの世界ではー の私に荷馬車を止めさてまで声をかけてくれた人だ。
きっと手伝いと言いつつ料理を覚えて貰おうと思っているのだろう。本当に親切で優しい人だ。今も厨房はジャックさんとリンデルさん夫婦に任せて自分は給仕をしている。
「こんなに来られちゃ休む暇が無いわよ。明日からはリンデルの店でも同じ料理を出せるから少しは休ませて頂戴。」
なんて笑って言っている。
「ほーんとお人好しよね、母さんて。でもそこが自慢の母さんなのよ。」
ちょっと呆れた声で笑顔でメアリーさんを見ながら言ったエミリーちゃんは、きっとメアリーさんたちの姿を見て育っているから憧れの街にも行かずにここで働く事を決めたのだろう。良いな、私が憧れていた理想の家族像が目の前にあるよ。
そんな家族の力になりたくてお客さんがひと段落した後に教えた料理のアレンジ料理を幾つか披露した。勿論リンデルさんたちにも覚えて貰ったよ。完成に少し時間が掛かるけれどソースの作り方も伝授した。やっぱりコロッケにはソースが欲しいよね。
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