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聖女召喚は成功した、、、ハズ?
言葉が通じる不思議
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目の前に広がる光景に混乱しているけどとりあえず馬車が向かった先に歩き始めた。立ち止まったままじゃ何も分からないからね。前方には家らしき物は見えないけれど馬車が向かっているなら何かあるよね?と言うか馬車って・・・・。
そうやって歩いていたら後ろから馬車が近づいて来るような音が聞こえて道の端に寄って立ち止まった。轢かれたら嫌だなと振り返れば馬車は馬車でも荷馬車だった。後ろに草っぽい物を積んでいるのが見える。
そのまま通り過ぎるのを待っていたら荷台に積んだ干し草を背に座っていた40歳前後に見える女性と目が合った。女性は私の姿を見て目をまんまるにしたかと思うと御者台の方に向かって叫びだした。
「お父ちゃん!お父ちゃんてば止まって!今すぐ止まって!」
その女性の声で10m行った先ぐらいで荷馬車がストップした。したと思ったら意外な速さで荷台から降りた女性が私の方に走り寄ってきた。
「あなた、こんなに荷物を沢山持って何処へ行くの?何処から歩いて来たの?」
私の目の前で早口で喋る女性に呆気に取られてしまった私は何も答えられなかった。
何故、明らかに日本人では無い茶髪に薄いグレーの瞳の女性は日本語を流暢に話しているのだろう?
何故、この女性の服装は現代の服装とは違った素材と形をした物なのだろう?
フツフツと次から次へと疑問が湧いてくる。
「兎に角、一緒に乗っていきなよ。乗りながら話を聞かせて頂戴。」
ぼーっとしている私の腕を引き彼女は私を荷台に乗せてくれて荷馬車はまたゆっくりと走りだした。よしっ、何で日本語で話しているのかは後回しにしよう!会話ができているんだから今はそれでいいや。
「それで?あなたはどこの町から歩いて来たの?何だか妙な格好で持っている荷物も見た事も無いような袋に入っているけど。」
「え、あの、此処は何処なんですか?」
妙な格好って、、、、もう嫌な予感をヒシヒシと感じるがこれはもう後回しに出来ない案件だ。質問に質問で返してしまっているけれど聞かずにはいられない。
「えっ?やだ、あなた此処が何処か知らずに歩いているの?まさか記憶喪失か攫われて逃げて来たの?」
済みません、それは飛躍しすぎですよ、ご婦人。
「いえ、記憶はありますし攫われてもいません、、、たぶん?ですが気づいたら森の中で荷物と一緒に寝ていて森をやっと抜けてきた所なんです。」
バカ丸出しな状況だな、と思うけれど事実だから仕方がない。
「えっ?森ってあの森!?」
森で呑気に寝ていた事はスルーしてくれた。良かった。しかし森と聞いて驚いた女性はだんだん遠ざかっていく森を指差した。
「えーっと、はい、あの暗い森ですね。」
「あなた、身体は大丈夫なの?あの森は半年ぐらい前からおかしいのよ。森に入った人が病気になったり頭がおかしくなるって噂されている森なの!」
「あぁ、確かに暗くて黒いモヤみたいのが出ていて、体調に悪そうな森でしたよ。でも前は違っていたんですか?」
あの黒っぽいモヤを思い出しながら事実自分の頭は大丈夫なのか?もしかしてその所為でずっと幻覚を見てる?と周りの景色を眺めながら後ろ向きな事を考えてみる。
だけど荷台の座り心地に幻覚でも夢でも無い事を思い知る。痛い、、、、お尻が超痛い。
「そうよ。前は普通に明るくて果実がなる木も沢山あったし兎や鹿なんかが居る普通の森だったのよ。それが半年ぐらい前から動物は居なくなって魔獣が出るようになっちゃったんだから。」
へーそうなんだ。ん?まじゅう?ちょっと待って、それって一体どんな漢字を書くの?
「・・・まじゅうって何ですか?」
「あらやだ、あなたったらそんな事も知らないの?魔獣って言ったら魔素に侵された獣よ。何年か前から魔素が急に増えだしたみたいでね。その魔素に侵されちゃった動物が魔獣になっちゃうのよ。何かこう黒っぽいモヤモヤ~っとしたモノが動物の体にまとわりついたみたいな感じで目が赤く光ってるらしいわよ?」
目が赤く光ってる?まそ?まそに侵されるとまじゅうになるですと?
うん、これはもう日本どころか世界中のどこの国でも無いよね?
私ったら本当に何処に来てしまったの?酔っ払いの行動力怖っ!いや、酔っただけではここまで来れないか。
でも、、、でも、それなら1LDK家賃月6万の部屋にはもう戻れないの?一体どうしたらこんなトンデモ案件に巻き込まれてしまうわけ?
もう脳内が大パニックを起こし過ぎてヘラヘラと笑っちゃってたよ。気づいたら隣に座るご婦人が可哀想な子を見る目になっていたよね。やっぱり森に入ったからおかしくなってるって。
「あっ、済みません。大丈夫です!分からない事だらけでちょっと現実逃避しただけなんで!」
慌ててどっちにしろ大丈夫なのか?な言い訳をすると少しホッとしたのかご婦人も小さく頷いた。
「えっと私、自分でもよく分からない内にこの国に居たので何もかもが知らない事だらけなんです。この様に大荷物を持っては居ますがお金も持っていません。
この国や近くの町の事など大雑把で良いので教えて下さい。それとどうしたらお金を稼げるのか教えて頂けませんか?
あとテントなら持っているので何日かテントを張っても良い場所を教えて下さい。あっ!私は旭川莉緒と言います。」
捲し立てるように一気に私の事情を話す。今頼れる人はこの人だけなんだから。
「まぁっ、まだ成人したばかりぐらいに見えるのにしっかりしているわねぇ。私はメアリーよ。えぇっと・・・リオ?宜しくね。」
メアリーさんは苗字がよく聞き取れ無かったのか、ゴニョゴニョ言った後にリオと呼んでくれた。もしかしたら発音しづらかったのかも?
しかし成人?私もうすぐ26歳になるけど20歳に見える?日本人は海外の人からすると童顔で幼く見えるって聞くけど。
「えーっとこの国では何歳になったら成人なんですか?」
一応ね、一応聞いておかないとね。
「あぁ、国によって違ったりするのよね。この国では16よ。あなたの国ではいくつなの?」
じゅ、じゅうろく?私が16歳になったばかりに見えるってこの世界って皆老け顔なの?流石に幼く見えていても日本だったら20歳って言っても鼻で笑われるレベルだと思う。16は無い無い!
「あ、18歳で一応成人となるんですが、飲酒や喫煙とかが出来る様になるのは20歳です。」
「えぇっ!?そんなに遅いの?こっちじゃお酒なんて16になる前から飲んでいるわよ。」
今度はメアリーさんが驚いている。そっかー、16からかぁ。16で成人だと色々早いよねぇ、やっぱり。そうなると25歳の私ってここではどう見られてしまうんだろう?
「・・・因みに、、、因みにですよ?私が実は25歳だって言ったら信じてくれます?」
「ぶはっ。あなた面白い事言うわねぇ。そうしたら私と10歳しか違わないじゃない。そりゃ無いわ。」
ケラケラと笑うメアリーさんを思わずガン見しちゃって心の中でごめんなさいをした。35歳?マジか。40歳前後なんて思ってごめんなさい。本当は40越えているって思ってました!
「ウチの娘が17歳なんだけど肌が綺麗だし同じくらいに見えたから年下と思ってたんだけどもしかして娘より年上?」
メアリーさん~、ぴちぴち10代のお肌とアラサーに片足突っ込んでる私を一緒にしないで下さいぃ。しかも昨夜化粧落とししてないし~。と言うかそんなに大きな娘がいるんだ。
「あ、トシウエデスヨ。ハ、ハタチデス。」
25歳は信じてくれないんだよね?とりあえず信じてくれそうな年齢を言おうとしたら何故かカタコトになってしまった。やっぱり25歳が20歳とか言うのは自分でも痛いわぁ。
「あらっやだ。そんなに年上だったの?びっくりだわ~。あぁそうだ!ウチは宿屋やっているのよ。部屋空いてるからウチに泊まってきなさいよ。娘にも会わせたいしさ。食事の支度とか掃除を手伝ってくれれば2、3日ならタダで泊まってくれて構わないわよ。どうせ田舎の宿屋だしね。」
メアリーさん~良い人だぁ!ここは遠慮はしないよ?もう本当どうしていいか分からないからね。
「ありがとうございます!掃除得意です。出来る範囲で頑張りますので宜しくお願いします。」
「あははっ。出来る範囲ってのが良いわね。リオ、宜しくね。」
こうして私は荷馬車に揺られてメアリーさん一家が営む宿屋に向かっていった。
そうやって歩いていたら後ろから馬車が近づいて来るような音が聞こえて道の端に寄って立ち止まった。轢かれたら嫌だなと振り返れば馬車は馬車でも荷馬車だった。後ろに草っぽい物を積んでいるのが見える。
そのまま通り過ぎるのを待っていたら荷台に積んだ干し草を背に座っていた40歳前後に見える女性と目が合った。女性は私の姿を見て目をまんまるにしたかと思うと御者台の方に向かって叫びだした。
「お父ちゃん!お父ちゃんてば止まって!今すぐ止まって!」
その女性の声で10m行った先ぐらいで荷馬車がストップした。したと思ったら意外な速さで荷台から降りた女性が私の方に走り寄ってきた。
「あなた、こんなに荷物を沢山持って何処へ行くの?何処から歩いて来たの?」
私の目の前で早口で喋る女性に呆気に取られてしまった私は何も答えられなかった。
何故、明らかに日本人では無い茶髪に薄いグレーの瞳の女性は日本語を流暢に話しているのだろう?
何故、この女性の服装は現代の服装とは違った素材と形をした物なのだろう?
フツフツと次から次へと疑問が湧いてくる。
「兎に角、一緒に乗っていきなよ。乗りながら話を聞かせて頂戴。」
ぼーっとしている私の腕を引き彼女は私を荷台に乗せてくれて荷馬車はまたゆっくりと走りだした。よしっ、何で日本語で話しているのかは後回しにしよう!会話ができているんだから今はそれでいいや。
「それで?あなたはどこの町から歩いて来たの?何だか妙な格好で持っている荷物も見た事も無いような袋に入っているけど。」
「え、あの、此処は何処なんですか?」
妙な格好って、、、、もう嫌な予感をヒシヒシと感じるがこれはもう後回しに出来ない案件だ。質問に質問で返してしまっているけれど聞かずにはいられない。
「えっ?やだ、あなた此処が何処か知らずに歩いているの?まさか記憶喪失か攫われて逃げて来たの?」
済みません、それは飛躍しすぎですよ、ご婦人。
「いえ、記憶はありますし攫われてもいません、、、たぶん?ですが気づいたら森の中で荷物と一緒に寝ていて森をやっと抜けてきた所なんです。」
バカ丸出しな状況だな、と思うけれど事実だから仕方がない。
「えっ?森ってあの森!?」
森で呑気に寝ていた事はスルーしてくれた。良かった。しかし森と聞いて驚いた女性はだんだん遠ざかっていく森を指差した。
「えーっと、はい、あの暗い森ですね。」
「あなた、身体は大丈夫なの?あの森は半年ぐらい前からおかしいのよ。森に入った人が病気になったり頭がおかしくなるって噂されている森なの!」
「あぁ、確かに暗くて黒いモヤみたいのが出ていて、体調に悪そうな森でしたよ。でも前は違っていたんですか?」
あの黒っぽいモヤを思い出しながら事実自分の頭は大丈夫なのか?もしかしてその所為でずっと幻覚を見てる?と周りの景色を眺めながら後ろ向きな事を考えてみる。
だけど荷台の座り心地に幻覚でも夢でも無い事を思い知る。痛い、、、、お尻が超痛い。
「そうよ。前は普通に明るくて果実がなる木も沢山あったし兎や鹿なんかが居る普通の森だったのよ。それが半年ぐらい前から動物は居なくなって魔獣が出るようになっちゃったんだから。」
へーそうなんだ。ん?まじゅう?ちょっと待って、それって一体どんな漢字を書くの?
「・・・まじゅうって何ですか?」
「あらやだ、あなたったらそんな事も知らないの?魔獣って言ったら魔素に侵された獣よ。何年か前から魔素が急に増えだしたみたいでね。その魔素に侵されちゃった動物が魔獣になっちゃうのよ。何かこう黒っぽいモヤモヤ~っとしたモノが動物の体にまとわりついたみたいな感じで目が赤く光ってるらしいわよ?」
目が赤く光ってる?まそ?まそに侵されるとまじゅうになるですと?
うん、これはもう日本どころか世界中のどこの国でも無いよね?
私ったら本当に何処に来てしまったの?酔っ払いの行動力怖っ!いや、酔っただけではここまで来れないか。
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慌ててどっちにしろ大丈夫なのか?な言い訳をすると少しホッとしたのかご婦人も小さく頷いた。
「えっと私、自分でもよく分からない内にこの国に居たので何もかもが知らない事だらけなんです。この様に大荷物を持っては居ますがお金も持っていません。
この国や近くの町の事など大雑把で良いので教えて下さい。それとどうしたらお金を稼げるのか教えて頂けませんか?
あとテントなら持っているので何日かテントを張っても良い場所を教えて下さい。あっ!私は旭川莉緒と言います。」
捲し立てるように一気に私の事情を話す。今頼れる人はこの人だけなんだから。
「まぁっ、まだ成人したばかりぐらいに見えるのにしっかりしているわねぇ。私はメアリーよ。えぇっと・・・リオ?宜しくね。」
メアリーさんは苗字がよく聞き取れ無かったのか、ゴニョゴニョ言った後にリオと呼んでくれた。もしかしたら発音しづらかったのかも?
しかし成人?私もうすぐ26歳になるけど20歳に見える?日本人は海外の人からすると童顔で幼く見えるって聞くけど。
「えーっとこの国では何歳になったら成人なんですか?」
一応ね、一応聞いておかないとね。
「あぁ、国によって違ったりするのよね。この国では16よ。あなたの国ではいくつなの?」
じゅ、じゅうろく?私が16歳になったばかりに見えるってこの世界って皆老け顔なの?流石に幼く見えていても日本だったら20歳って言っても鼻で笑われるレベルだと思う。16は無い無い!
「あ、18歳で一応成人となるんですが、飲酒や喫煙とかが出来る様になるのは20歳です。」
「えぇっ!?そんなに遅いの?こっちじゃお酒なんて16になる前から飲んでいるわよ。」
今度はメアリーさんが驚いている。そっかー、16からかぁ。16で成人だと色々早いよねぇ、やっぱり。そうなると25歳の私ってここではどう見られてしまうんだろう?
「・・・因みに、、、因みにですよ?私が実は25歳だって言ったら信じてくれます?」
「ぶはっ。あなた面白い事言うわねぇ。そうしたら私と10歳しか違わないじゃない。そりゃ無いわ。」
ケラケラと笑うメアリーさんを思わずガン見しちゃって心の中でごめんなさいをした。35歳?マジか。40歳前後なんて思ってごめんなさい。本当は40越えているって思ってました!
「ウチの娘が17歳なんだけど肌が綺麗だし同じくらいに見えたから年下と思ってたんだけどもしかして娘より年上?」
メアリーさん~、ぴちぴち10代のお肌とアラサーに片足突っ込んでる私を一緒にしないで下さいぃ。しかも昨夜化粧落とししてないし~。と言うかそんなに大きな娘がいるんだ。
「あ、トシウエデスヨ。ハ、ハタチデス。」
25歳は信じてくれないんだよね?とりあえず信じてくれそうな年齢を言おうとしたら何故かカタコトになってしまった。やっぱり25歳が20歳とか言うのは自分でも痛いわぁ。
「あらっやだ。そんなに年上だったの?びっくりだわ~。あぁそうだ!ウチは宿屋やっているのよ。部屋空いてるからウチに泊まってきなさいよ。娘にも会わせたいしさ。食事の支度とか掃除を手伝ってくれれば2、3日ならタダで泊まってくれて構わないわよ。どうせ田舎の宿屋だしね。」
メアリーさん~良い人だぁ!ここは遠慮はしないよ?もう本当どうしていいか分からないからね。
「ありがとうございます!掃除得意です。出来る範囲で頑張りますので宜しくお願いします。」
「あははっ。出来る範囲ってのが良いわね。リオ、宜しくね。」
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