籠の中の令嬢

ワゾースキー

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第二章

トラウマ

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 数口エレンによって食事を与えられたものの、次によそったスープを見て、ミカエラは身体が強張る。

「ん?どうしたの? 食べないの? 僕がミアの為に作ったんだよ。あ。そうか。キノコは苦手だったっけ?」

 クスクスと悪戯をした子どもの様に笑うエレンとは対照的にミカエラは無言のまま困った様子で涙目でじっとスープを見つめる。

「ほら、好き嫌いはいけないよ?口を開けて?」

 ミカエラは震えながら嫌だと首を横に振る。
 ただの好き嫌いであれば、少し我慢すれば良いだけの話。しかしミカエラは、学生の時、嫉妬にかられた男爵令嬢にキノコのスープに毒を盛られ、一時昏睡状態になった過去がある。なんとか意識を取り戻し、暫くしてから学園に戻ると、主犯である令嬢が学園から去り、その令嬢の話は卒業するまで一切触れられることはなかった。噂によるとその男爵家は爵位を剥奪され令嬢は娼館で働く事になったそうだ。
 ミカエラはその時からキノコがダメになってしまい、匂いを嗅ぐとフラッシュバックのように震えが止まらないのだ。

そんな過去を知っているはずのお兄様がこんな仕打ちをするなんて。私はそこまでさせる何かをしたのだろうか?

 震えながらスープを見つめ考えていると、心の中を読んだかの様にエレンが答える。

「どうしてキノコが苦手なのに出すのかって顔だね。僕は怒ってるんだ。僕らを捨てて隣国に行こうとした事。罰を与えなきゃって思ってたんだけど、僕はミアに体罰なんてしたくない。そこで、いい事を思いついたんだ!ミアの好き嫌いを無くしてあげようって!でもミアにとっては嫌いなものだから、ある意味罰だろう?でも将来的には好き嫌いが無くなればミアの為になるじゃん!って!」
 ニコニコと悪びれる様子もなく、笑顔で答えるエレンに、ミカエラは黙って見つめる。

 エレンは暫くミカエラの様子を見ていたが、痺れを切らしたように、ミカエラの髪を後ろへ引っ張り、少しイラついた様子で「ほらっ。食べな」と、口元にスープを少し流し込む。

 すると、ミカエラの身体はどうしても受け入れる事が出来なかったようで、嘔吐いてしまい、実際吐きそうになるのを口元を押さえてなんとか踏み止まる。
 その際スープが少し、口元から垂れ、膨よかな胸元に落ちる。

「あーあ。折角僕が作ってあげたのに。もったいないなぁ。」

 そう告げた後、スプーンを机に置くと、ミカエラの膨よかな胸元に落ちたスープをぺろりと舐めだす。
 ビクッと身体を強張らせたミカエラを横目に、そのまま胸に手を伸ばす。

「お兄様?! や…やめて下さい…。 ん…」

 胸元に伸ばした手はそのまま胸を揉みながら、敏感な先端をつねる。

「ミア?感じているの? 可愛いなぁ…。 さっきはお腹いっぱいだったけど、なんだかお腹が減ってきたみたい。ミアのおっぱい食べていい?」

 柔かに言うと、ミカエラが青褪め、両手で胸を隠し、拒否しようとしたのも束の間、エレンはミカエラの両手を後ろで一つにまとめ、空いた手でドレスを下にずらし、胸元を露わにする。

「やっ…」

 言葉を遮る様にエレンはミカエラの口を荒いキスで塞ぐ。

「んん…   はっ…ぁ…  」

 先程クラウドにされたキスとはまた違う、荒々しく貪る様にする口づけはミカエラの頭の中を白くする。
 舌を入れ、口の中を縦横無尽に動き、キスに翻弄されている間も片手は胸を揉み、時に先端の突起を弄る。

「んんっ…お兄様…やだぁ…  あぁっ!」

 エレンに懇願する様に口を開いたタイミングで、先端をつままれると甘い声が自然と出てしまった。ミカエラは羞恥で顔を赤らめ一筋の涙を流す。

 エレンが目を細め、満足そうに笑みを浮かべ、チュッと軽いキスを何度も頬や胸、瞼など色んなところに落とす。
 下半身が疼き、何かが滑った不快感を感じつつ、ミカエラは胸をいじられ、甘い声をあげさせられながらキスを受け入れ続けた。
 
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