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第3章 幼子たちと子守役たちはモフモフ巡りをする

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 暖かな光に包まれた幼子たちゆき・かすみ・しずくは、心も体もふわふわと頼りなく漂っていた。それでも幼子たちは、不思議と怖いと感じていなかった。どこか懐かしい声が聞こえた気もした。
 『…こっちよ~…みんなが待ってるわよ~…さあ、そろそろ目を覚ましましょう~』

 幼子たちは、お家の樹巨木の森の中心の樹の中の自分たちの部屋幼子たち専用の洞で目を覚ました。いつものように一か所に固まって寝ていたので、そのままお互いにくすぐり合って挨拶し合うのも、いつもどうりだった。その後は、最近どこに行くのも一緒で同室にもなった、薄紅色の尻尾りすとの挨拶が続くのだ。
だが、その時薄紅色の尻尾りすは既にその場にはいなかった。幼子たちが目覚めたと見るや、すぐに長たち広場に集まった長に連絡に走ったのだった。幼子たちがその不在に気が付く前に、薄紅色の尻尾りす若葉色の長巨木の樹の長を連れて戻ってきた。
 「『おはよー』でしゅ~」
幼子たちの元気な声を聴いて、急いでここまで来た若葉色の長巨木の樹の長は声に安心を滲ませていた。
 『ふむ…よかった、元気そうだ。ふむふむ、十分に眠ったようだ。ではたっぷりと水を飲んでから、下の広場へ向かおうか。』
いきなりの登場に急なお誘いとあって、幼子たちがまごついていると、薄紅色の尻尾りすが、水玉を作っては寄越しながら、その理由を教えてくれた。
 『…実は、金目の長長たちの代表を始めとして、他の森の長たちも、皆であなたたちの話を聞こうと、待っている、なの。
今回のあなたたちは、いつもより随分長い時間、眠っていたなの。しかもその間、皆ピクリとも動かなかったなの。だから長たちは、とても心配していた、なの。だから、早くあなたたちの元気な姿を見て、安心して欲しい、なの。』
 「わかりまちた、おみじゅ、いただきましゅ。それから、おはなし、でしゅね~」
長たちが心配していたと聞いて、幼子たちはたっぷりと水を貰って力を溜めると、元気よく広場へと向かった。
 下の広場では、若葉色の長巨木の樹の長から話を聞いた金目の長長たちの代表の他にも多くの長たちが集まっていた。勢い込んだ幼子たちだが、さすがにその迫力には驚いて、足も声も止まってしまいそうになった。そこに目ざとく幼子たちを見つけて、金目の長ふくろうが声をかけた。
 『ほ~っ、ようやくお目覚めですかの~どこも何とも無いようですかの~
ほほっ、どうやら、もう心配要らないようですかの~九尾の長・たけの森・の長も、安心ですかの~』
金目の長が九尾の長きつねに声をかけた。
 『ホンマに安心しましたわ。ワイの森への散歩は、流石にまだ早かったようですなぁ。幼子らには無理させてもうたなぁ。ごめんなぁ。』
幼子たちゆき・かすみ・しずくをしっぽで優しく撫でながら、九尾の長は悲しげに謝罪した。
これを聞いた幼子たちは、お散歩が無くなるかもと慌てた。
 「しじゅくたち、だいじょーぶでしゅ、おさんぽも、たのしかったでしゅ、またあのもりに、いきたいでしゅ。」
 「わふっ『・たけ・のわかめ、おいしかった、ほるのも、たのしかった、またやりたい!』」
 「ぴぃ~『けだまとも、おてつだい、やくそくした!』」
何とかして、また・たけ・の森に行きたかった。
 「わふっ『・たけ・のかわあつめも、おてつだいする!』」
 「ぴぃ~『・たけ・のまるたみち、みまわりする!』」
 「おちえてくれたら、・たけ・のかわも、ちれいに、あらいましゅ~」
そこまで聞くと、九尾の長・たけの森・の長は口を挟んだ。
 『あの樹・たけ・言うんやったなぁ。ワイの森では、あの樹の丸太も皮も、集め始めたとこや。丸太道やの、皮を洗うだの、どこで聞いたんや?』
幼子たちは、はたと話を止めて考えた。
 「ぴぃ~『どこで、きいたのか?ししょう?』」
 「ちまいましゅ、きいてないでしゅ、みてたでしゅ?」
 「わふっ『そーだ、みてた、ゆめでみた!』」
幼子たちは、謎が解けて、スッキリしていたが、聞いていた長たちは、ポカンとしていた。


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