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世界観には突っ込まないように(笑)

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 むか~し昔、あるところに『こぶとり爺さん』と呼ばれるお爺さんがいました。
 
 お爺さんは森に木を切りに行こうとしたところで、泣いている村娘の姿を目にします。
 
「どうしたんじゃ娘さん?」

「あ、はい。実は私、その……ご覧の通り胸が小さくて。嫁のもらい手がないのです」

 娘は涙を拭いながら答えました。
 
 お爺さんは娘の姿をしげしげと眺めます。器量はなかなかですが確かに胸がない。
 
「気を落としなさるな。貧乳はステータスじゃよ」

 お爺さんは娘の肩に手を置き、そう慰めました。
 
「そんな事言って……お爺さんだって本当は巨乳が好きなんでしょ?」

「う……いや、それは、その……」

 ばつが悪くなったお爺さんは慌ててその場を後にします。
 
(なんとかしてやれぬ事もないのじゃが……う~む)

 娘の泣き声を背後に聞きながら、お爺さんは森へと向かうのでした。
 
 森の奥深くに入ったところで、お爺さんの行く手を大きな影が遮ります。
 
「ジジイか。不味そうだな」

 そう言ってお爺さんを見下ろすのは、六尺はあろうかという背の高い鬼でした。
 
 しかも女性の鬼――この森に住んでいると噂されている鬼姫です。
 
 セクシーな衣装の鬼姫は見事な巨乳の持ち主でした。
 
「だが狐や狸には飽きていたところだ。喜べ、お前を喰ってやろう」

 鬼姫は牙をむきだしニヤリと笑います。
 
「ふぅ、運が悪かったのお」

 そう応え、お爺さんは手にした斧を放しました。その様子は観念している様に見えます。
 
「かぁあああ!」

 鬼姫がお爺さんに襲いかかりました。
 
 しかし、お爺さんは逃げるどころか一歩前に踏み出します。
 
 そして懐に入ると、伸ばした両手を鬼姫の胸にパイタッチ!
 
「きゃっ!」

 鬼姫の顔が赤く染まります。以外と純情なのかもしれません。
 
 お爺さんはオッパイを鷲掴みにすると、勢いよく腕を引きました。
 
 スポーーン!
 
 小気味よい音と共に鬼姫のオッパイが引き抜かれます。
 
 二つの肉の塊はお爺さんの手の中に。
 
「見たか、我が異能――スウエリング取り・エクトラクト

 お爺さんは渋く呟きました。
 
「む、胸が! わしの胸が!」

 鬼姫は真っ平らになった胸を見て悲鳴を上げます。
 
「我が異能は相手の肉体の好きな部位を引っこ抜ける。今度はどこがいい? 腕か? 脚か? それともその首引っこ抜いてやろうか?」

「ひ、ひ、ひぃいいいいい~~~~」

 鬼姫は恐怖に駆られて逃げ出しました。
 
「ふぅううう」

 その背中を見送りながらお爺さんは安堵の吐息をはきました。
 
 実は、お爺さんが引っこ抜けるのはオッパイだけなのです。
 
「ふむ。これはいいものを手に入れた。あの娘も喜ぶじゃろうて」

 お爺さんはオッパイを大事に袋に包み、村へと引き返すのでした。
 
 
      ◆
      
      
 お爺さんは先程の娘の家を訪ねます。
 
「あら、お爺さん。どうしたの?」

「娘さん、お主にお土産じゃ」

 そう言ってお爺さんは袋の中身、二つの肉の塊を娘に見せるのでした。
 
「こ、これは……」

 さすがに娘も目を丸くします。
 
「わしは他人の胸を奪うという異能を持っておる。そしてそれを別の誰かに与えることも出来るのじゃ」

「え……?」

 娘の顔が輝きます。しかし、すぐに表情を曇らせるのでした。
 
「じゃあ、この胸の持ち主は……?」

「心配いらん。これは鬼の胸じゃ。ちょっと懲らしめてやったんじゃよ」

「だ、だったら!?」

「うむ。これをお前さんに与えてやろう。ちょっと前を開きなさい」

「は、はい!」

 恥ずかしさより喜びが大きく勝った娘は、お爺さんの前で着物を開いて胸を露わにしました。
 
「……」

 お爺さんは言葉に詰まります。予想以上の貧乳――もはやほぼ無いと言っても過言ではありません。
 
「よし、いくぞ!」

 気を取り直し、お爺さんは二つの肉を娘の胸へと押しつけます。
 
 手を離せば、娘の胸は見事な巨乳となっていました。
 
「あああ! ありがとうございます! ありがとうございます!」
 
 娘は己の胸の感触をその手で確かめ、歓喜の涙と共にお爺さんに礼を言うのでした。
 
「これでお嫁に行けます! 赤ちゃんにもお乳をあげられます!」

「ふむ。娘さんはオッパイの使い方が分かっておらんようじゃな」

「え? 赤子にお乳をあげる以外に何があるのです?」

「それはな……こう使うんじゃ!」

 お爺さんはいやらしい笑みを浮かべながら、巨乳となった娘の胸を鷲掴みにします。そしてモミモミ。
 
「あん!♡」

 娘の口からは気持ち良さそうな声が漏れます。しかし、ハッとなってお爺さんを平手打ち。
 
 ビタコーーン!!
 
 娘に張り倒され、吹っ飛んだお爺さんは幸せそうな笑みを浮かべているのでした。
 
 めでたし、めでたし。
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