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お兄ちゃんは〇しまい!
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ある朝目覚めた俺は、己の身体の変化に気がついた。
妙に頭が重い。手をやってみれば普通の人間の頭部よりもはるかに大きくなっている。それにやたらとゴツゴツしていた。
「な、なんだこれは……?」
「ふふふ。目が覚めたようね、お兄ちゃん」
その声の方へと目をやれば、いつの間にやら妹のみはるが俺の部屋の中に立っている。
「みはる! お前、俺の身体に何をした!?」
「ふふっ、一服盛らせてもらったわ。お兄ちゃんに働いてもらおうと思って」
「な!? 今日は元旦だぞ! 正月くらい休ませろ!」
「お兄ちゃん、年中お休みの自宅警備員じゃない」
「……くっ」
「さあ、生まれ変わったその姿を確かめなさい」
みはるは身体をずらし、背後の大きな鏡を指し示す。
俺は恐る恐る、その鏡に自分の姿を映した。
「こ、これは……!?」
ギョロリとした目に太い眉、どこかユーモラスな動物っぽい赤ら顔、大きな口には金色の歯が並んでいる。
そして身体は緑色の風呂敷みたいな布に覆われていた。
「……獅子舞!」
『お兄ちゃんはししまい!』――完!
妙に頭が重い。手をやってみれば普通の人間の頭部よりもはるかに大きくなっている。それにやたらとゴツゴツしていた。
「な、なんだこれは……?」
「ふふふ。目が覚めたようね、お兄ちゃん」
その声の方へと目をやれば、いつの間にやら妹のみはるが俺の部屋の中に立っている。
「みはる! お前、俺の身体に何をした!?」
「ふふっ、一服盛らせてもらったわ。お兄ちゃんに働いてもらおうと思って」
「な!? 今日は元旦だぞ! 正月くらい休ませろ!」
「お兄ちゃん、年中お休みの自宅警備員じゃない」
「……くっ」
「さあ、生まれ変わったその姿を確かめなさい」
みはるは身体をずらし、背後の大きな鏡を指し示す。
俺は恐る恐る、その鏡に自分の姿を映した。
「こ、これは……!?」
ギョロリとした目に太い眉、どこかユーモラスな動物っぽい赤ら顔、大きな口には金色の歯が並んでいる。
そして身体は緑色の風呂敷みたいな布に覆われていた。
「……獅子舞!」
『お兄ちゃんはししまい!』――完!
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