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マ〇ダ〇ライセンス牙
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「その件はワシに任せないさい。うむ、礼はいつもの口座へ――」
電話に話しかける男の名は悪田川業造、あらゆる汚い手を使って今の地位を築いた政治家だ。この男のせいで破滅した人間は数知れず、先日も秘書を務めていた人間が罪を被って自殺してる。その死すら本当に自ら命を絶ったのか怪しいものだ。
悪趣味に飾り立てられた部屋の中、受話器を置いた業造は立ち上がって窓の外の夜景へと目をやる。葉巻に火をつけ、一息吸い込んだところで突然部屋の明かりが落ちた。
「むっ、停電か?」
しかし、きらめく街の明かりに変化はない。
――コツ。
業造の後頭部に何やら硬いものが突きつけられる。
「悪田川業造だな」
若い男の声が問いかける。いつの間にか何者かに背後をとられていた。
「だ、誰だ!?」
その場から一歩飛び退き、業造は後ろを振り返る。
そこに居たのは一人の青年。足を広げて執務机の上に立ち、頭の後ろで手を組んでいる。その身体は細身ながら鍛え上げられた筋肉に覆われていた。そして窓から差し込む月明かりに照らされたその姿は全裸!
「ひっ、ひぃいいい!?」
さすがの業造も突如現れた全裸男に悲鳴を上げる。そう言えば後頭部に突きつけられたのは拳銃かと思ったのだが、男は寸鉄どころか一糸すらまとっていない。
(ま、まさか……さっきのは……)
業造の視線が青年の股間で雄々しくそそり立つモノに注がれる。
「貴様の悪行もこれまでだ。地獄に落ちろ」
青年はゆらりと立ち上がると、机を蹴って業造に飛びかかった。そして両足で自らの股の間に業造の頭を挟み込む。
「ぎゃあああああああああ!!」
バットとボールを顔面に押しつけられた業造の口から断末魔の悲鳴が上がる。
彼こそは巨悪を地獄へと送るエージェント〈牙〉、日本で唯一「全裸許可証」を持つ男だった。
『マルダシライセンス牙』――完!
電話に話しかける男の名は悪田川業造、あらゆる汚い手を使って今の地位を築いた政治家だ。この男のせいで破滅した人間は数知れず、先日も秘書を務めていた人間が罪を被って自殺してる。その死すら本当に自ら命を絶ったのか怪しいものだ。
悪趣味に飾り立てられた部屋の中、受話器を置いた業造は立ち上がって窓の外の夜景へと目をやる。葉巻に火をつけ、一息吸い込んだところで突然部屋の明かりが落ちた。
「むっ、停電か?」
しかし、きらめく街の明かりに変化はない。
――コツ。
業造の後頭部に何やら硬いものが突きつけられる。
「悪田川業造だな」
若い男の声が問いかける。いつの間にか何者かに背後をとられていた。
「だ、誰だ!?」
その場から一歩飛び退き、業造は後ろを振り返る。
そこに居たのは一人の青年。足を広げて執務机の上に立ち、頭の後ろで手を組んでいる。その身体は細身ながら鍛え上げられた筋肉に覆われていた。そして窓から差し込む月明かりに照らされたその姿は全裸!
「ひっ、ひぃいいい!?」
さすがの業造も突如現れた全裸男に悲鳴を上げる。そう言えば後頭部に突きつけられたのは拳銃かと思ったのだが、男は寸鉄どころか一糸すらまとっていない。
(ま、まさか……さっきのは……)
業造の視線が青年の股間で雄々しくそそり立つモノに注がれる。
「貴様の悪行もこれまでだ。地獄に落ちろ」
青年はゆらりと立ち上がると、机を蹴って業造に飛びかかった。そして両足で自らの股の間に業造の頭を挟み込む。
「ぎゃあああああああああ!!」
バットとボールを顔面に押しつけられた業造の口から断末魔の悲鳴が上がる。
彼こそは巨悪を地獄へと送るエージェント〈牙〉、日本で唯一「全裸許可証」を持つ男だった。
『マルダシライセンス牙』――完!
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