記憶屋

卯月青澄

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「もう少しこのままでいい?」

「別にいいですけど…」

突然病室にやって来たかと思えば、お喋りをし、ベッドに入り込んできては一緒に動画を観て、挙句の果てに眠り込んでしまう。

何て常識外れの人間なんだろう。

そう思われても仕方ない。

でも、私はこうしていたかった。

「・・・・・」
「・・・・・」

しばらくの間、私と彼は横になったまま静かに天井を見上げていた。

「また明日も来ていい?」

「別にいいですけど…」

「何か歯切れの悪い言い方ね」

「だって…」

「嫌かどうか教えて」

「嫌ではないです」

「だったらまた明日来るから」

「そうですか…」

「じゃあ、今日は帰るね。バイバイ!」
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