記憶屋

卯月青澄

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「美咲、もう吹っ切れたんだね?」

「何の事?」

大学からの帰り道、電車の中で真理が訳のわからない事を口にし出した。

「別れたんでしょ?」

「誰と? 私、誰とも付き合ってないけど…」

「忘れた訳じゃないでしょ? あんなに好きだったのに」

「誰の事言ってるの?」

「相良くんの事…」

驚いた。

真里には私が彼の事が気になっていることは言っていなかったはずなのに…。
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