記憶屋

私

１０１

「翔太と別れて１度きりしかない青春時代を楽しんで」

「私…翔太くんと一緒にいたいです。最期の１分１秒まで一緒にいたいです。私のワガママかもしれません。翔太くんは望んでいないかもしれません。でも、私は彼が好きで、彼は私を好きなんです。人生で１度きりの恋なんです。２度と取り戻す事の出来ない青春なんです」

「・・・・・。そこまで思ってもらえるなんて、翔太は幸せね。平野さん、私に何が出来るかわからないけど、あなたたちの力になるから何でも言ってちょうだいね」

「はい」

彼の母親は涙ながらに私の手を握ってそう言った。