記憶屋

卯月青澄

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先輩の手にはベージュのジャケットが握られていた。

僕はYシャツの上からそれを羽織ってみた。

「似合う似合う。写メとってもいい?」

「どっ‥どうぞ」

カシャ!?

カシャ!?

「良い写真が撮れたよ」

「そんなに似てるんですか? 葉月先輩に…」

「すっごい似てるよ。ありがとう」

「先輩に喜んでもらえて僕も嬉しいです」
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