405 / 475
櫻井詩織
405
しおりを挟む
日本に着いたのはそれから6時間後のことだった。
既に陽は登り始めて明るくなっていた。
そして羽田空港からタクシーで東京都内の病院に向かった。
病院に着いたのは午前9時を過ぎていた。
病院の中に入り受付を済ませたあと、霊安室に足を運んだ。
霊安室の10メートル手前から足が動かなくなった。
いずみんに会うのが怖くてそれ以上進めなかった。
足がすくんで動かない。
「詩織、大丈夫?」
「怖い…いずみんに会うのが怖い…」
「一緒に行くから大丈夫よ。ゆっくりでいいから…」
桜子さんは私の腰に手を回すと私を支えながら歩き始めた。
「やっぱり無理…怖くて歩けない…」
「そう…少し外の風にあたってこようか?」
「うん…」
桜子さんに支えながら振り返り外に向かって歩き始めた…
その瞬間だった。
『しっ‥しお…りん…あり…が…とう…』
『えっ…』
いずみんの声が聞こえたような気がした。
それが気のせいなのか廊下を吹き抜ける風の音なのかはわからないけど、私にはいずみんが近くに来ているような気がした。
「いずみん?いずみん、どこ?」
「詩織、大丈夫?どうしたの?」
「いずみんが近くにいるような気がしたの…」
「もしかしたら近くにいるんじゃないかしら。詩織が来てくれたことを喜んでくれてるのかも…」
「私、いずみんに会いに行く」
私は再び霊安室に向かって歩き出した。
そしてドアに手をかけると、ゆっくりスライドして開けた。
部屋は薄暗く、部屋の奥の方にはベッドに寝かされ、顔には白い布をかけられた…いずみん…がいた。
「いずみんっ!」
私はいずみんのもとに走った。
そして白い布を震える手をおさえながらどかしてみた。
「いゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――」
私はいずみんの真っ白で冷たくなった顔に私の顔をくっつけて悲鳴をあげた。
既に陽は登り始めて明るくなっていた。
そして羽田空港からタクシーで東京都内の病院に向かった。
病院に着いたのは午前9時を過ぎていた。
病院の中に入り受付を済ませたあと、霊安室に足を運んだ。
霊安室の10メートル手前から足が動かなくなった。
いずみんに会うのが怖くてそれ以上進めなかった。
足がすくんで動かない。
「詩織、大丈夫?」
「怖い…いずみんに会うのが怖い…」
「一緒に行くから大丈夫よ。ゆっくりでいいから…」
桜子さんは私の腰に手を回すと私を支えながら歩き始めた。
「やっぱり無理…怖くて歩けない…」
「そう…少し外の風にあたってこようか?」
「うん…」
桜子さんに支えながら振り返り外に向かって歩き始めた…
その瞬間だった。
『しっ‥しお…りん…あり…が…とう…』
『えっ…』
いずみんの声が聞こえたような気がした。
それが気のせいなのか廊下を吹き抜ける風の音なのかはわからないけど、私にはいずみんが近くに来ているような気がした。
「いずみん?いずみん、どこ?」
「詩織、大丈夫?どうしたの?」
「いずみんが近くにいるような気がしたの…」
「もしかしたら近くにいるんじゃないかしら。詩織が来てくれたことを喜んでくれてるのかも…」
「私、いずみんに会いに行く」
私は再び霊安室に向かって歩き出した。
そしてドアに手をかけると、ゆっくりスライドして開けた。
部屋は薄暗く、部屋の奥の方にはベッドに寝かされ、顔には白い布をかけられた…いずみん…がいた。
「いずみんっ!」
私はいずみんのもとに走った。
そして白い布を震える手をおさえながらどかしてみた。
「いゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――」
私はいずみんの真っ白で冷たくなった顔に私の顔をくっつけて悲鳴をあげた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
黒蜜先生のヤバい秘密
月狂 紫乃/月狂 四郎
ライト文芸
高校生の須藤語(すとう かたる)がいるクラスで、新任の教師が担当に就いた。新しい担任の名前は黒蜜凛(くろみつ りん)。アイドル並みの美貌を持つ彼女は、あっという間にクラスの人気者となる。
須藤はそんな黒蜜先生に小説を書いていることがバレてしまう。リアルの世界でファン第1号となった黒蜜先生。須藤は先生でありファンでもある彼女と、小説を介して良い関係を築きつつあった。
だが、その裏側で黒蜜先生の人気をよく思わない女子たちが、陰湿な嫌がらせをやりはじめる。解決策を模索する過程で、須藤は黒蜜先生のヤバい過去を知ることになる……。
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる