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櫻井詩織
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『あっ‥あり…がと…う…でも…もし…わっ‥わた…しに…なに…か…あった…ら…』
『何もないから!何もないからそんなこと言わないで!』
『しっ‥しお…りん…きい…て……わた…しに…なに…か…あった…ら…あきら…さん…の…ちか…らに…なって…あげ…て…』
『何で彰さんなの?快斗と香澄じゃないの?』
『わっ‥わた…しが…いな…く…なって…いち…ばん…かな…しむ…のは…あき…ら…さん…だか…ら…』
『だからって何で私にそんなこと頼むの?』
『しっ‥しお…りん…なら…きっと…ささ…え…られ…る…から…』
『私じゃ無理だよ。いずみんの代わりは出来ないよ。もうこんな話しよそうよ。いずみんは何もないから大丈夫だよ』
『しっ‥しお…りん…ごめ…んね…』
『何が?』
『しっ‥しお…りん…が…あきら…さん…を…ずっと……』
『いずみんっ』
いずみんが何を言おうとしているのかわかったから、言葉を遮った
『なっ‥なに?』
『ずっと苦しめていたんだね。否定はしないよ。でも、いずみんと彰さんが一緒にいるところを見て私は気付いたの。私に入る隙間なんて1ミリたりともないんだって。この2人は運命の赤い糸で結ばれているって確信したの。だから私は9年前に彰さんのことは諦めた。今はいずみんと旦那さんとしか思ってない。もう苦しまくていいんだよ』
いずみんに言ったことは本心だった。
私の封印した彼への想いを打ち明ける日が来るとは思ってもみなかった。
でも、いずみんを苦しめていたものがあったんだから、ここで全てを終わりにする必要があるように思えた。
『うっ‥うん』
『約束する。何かあったら彰くんの力になる。絶対に何もないけど。必ず彰くんの力になるから安心して。わかった?』
『わっ…わか…った…』
『だったらさっさと寝なさい。いつまでも起きてないの。おやすみ…』
『しっ‥しお…りん…あい…して…る…』
『私だって、いずみんのこと愛してるよ。世界で1番愛してる。神様に誓って言えるよ』
『うっ‥うん…あり…が…とう…おっ‥おや…すみ…』
そして電話を切った。
何だかわからないけど涙が溢れてきた。
2度と声が聞けなくなる訳じゃないのに、スゴく悲しくて切なくて苦しくなった。
追悼式が終わり坂本さんの運転で桜子さんとともに自宅に向かっていた時だった。
プルルルル――プルルルル――
すると突然1本の電話が鳴った。
もの凄く嫌な感じがして、電話に出るのを躊躇っていた。
「詩織、電話が鳴ってるわよ」
「わかってる」
恐る恐るバッグに入れているスマホを取り出し画面を見ると、彰さんからだった。
『もしもし彰さん、どうしました?』
「・・・・・・』
『何かありました?』
『・・・・・・』
彰さんは何も応えてくれなかった。
私はスマホを強く耳に押し当て耳を澄ましてみた。
えっ‥
私の耳に聞こえてきたのはすすり泣く声だった。
『彰さん!彰さん!』
私は何度も何度も名前を呼んで彰さんの返答を待った。
『詩織さん…泉水が…泉水が……』
『彰さん、いずみんがどうしました?』
『泉水が…包丁で何度も何度も刺されて……しっ‥死んで…しまいました…』
『えっ‥ちょ‥ちょっと待って下さい。彰さん、自分が何を言っているかわかってます?』
『えぇ…』
『だったら何でいずみんが死んだなんてことが言えるんですか?」
『泉水は死んだんです。私のせいです。全て私が悪いんです…』
彰さんはそれだけ言うと声をあげて泣き出してしまった。
悲鳴に近い声でずっとずっと泣いていた。
そして私も少しずつこの状況を把握し始めていった。
『何もないから!何もないからそんなこと言わないで!』
『しっ‥しお…りん…きい…て……わた…しに…なに…か…あった…ら…あきら…さん…の…ちか…らに…なって…あげ…て…』
『何で彰さんなの?快斗と香澄じゃないの?』
『わっ‥わた…しが…いな…く…なって…いち…ばん…かな…しむ…のは…あき…ら…さん…だか…ら…』
『だからって何で私にそんなこと頼むの?』
『しっ‥しお…りん…なら…きっと…ささ…え…られ…る…から…』
『私じゃ無理だよ。いずみんの代わりは出来ないよ。もうこんな話しよそうよ。いずみんは何もないから大丈夫だよ』
『しっ‥しお…りん…ごめ…んね…』
『何が?』
『しっ‥しお…りん…が…あきら…さん…を…ずっと……』
『いずみんっ』
いずみんが何を言おうとしているのかわかったから、言葉を遮った
『なっ‥なに?』
『ずっと苦しめていたんだね。否定はしないよ。でも、いずみんと彰さんが一緒にいるところを見て私は気付いたの。私に入る隙間なんて1ミリたりともないんだって。この2人は運命の赤い糸で結ばれているって確信したの。だから私は9年前に彰さんのことは諦めた。今はいずみんと旦那さんとしか思ってない。もう苦しまくていいんだよ』
いずみんに言ったことは本心だった。
私の封印した彼への想いを打ち明ける日が来るとは思ってもみなかった。
でも、いずみんを苦しめていたものがあったんだから、ここで全てを終わりにする必要があるように思えた。
『うっ‥うん』
『約束する。何かあったら彰くんの力になる。絶対に何もないけど。必ず彰くんの力になるから安心して。わかった?』
『わっ…わか…った…』
『だったらさっさと寝なさい。いつまでも起きてないの。おやすみ…』
『しっ‥しお…りん…あい…して…る…』
『私だって、いずみんのこと愛してるよ。世界で1番愛してる。神様に誓って言えるよ』
『うっ‥うん…あり…が…とう…おっ‥おや…すみ…』
そして電話を切った。
何だかわからないけど涙が溢れてきた。
2度と声が聞けなくなる訳じゃないのに、スゴく悲しくて切なくて苦しくなった。
追悼式が終わり坂本さんの運転で桜子さんとともに自宅に向かっていた時だった。
プルルルル――プルルルル――
すると突然1本の電話が鳴った。
もの凄く嫌な感じがして、電話に出るのを躊躇っていた。
「詩織、電話が鳴ってるわよ」
「わかってる」
恐る恐るバッグに入れているスマホを取り出し画面を見ると、彰さんからだった。
『もしもし彰さん、どうしました?』
「・・・・・・』
『何かありました?』
『・・・・・・』
彰さんは何も応えてくれなかった。
私はスマホを強く耳に押し当て耳を澄ましてみた。
えっ‥
私の耳に聞こえてきたのはすすり泣く声だった。
『彰さん!彰さん!』
私は何度も何度も名前を呼んで彰さんの返答を待った。
『詩織さん…泉水が…泉水が……』
『彰さん、いずみんがどうしました?』
『泉水が…包丁で何度も何度も刺されて……しっ‥死んで…しまいました…』
『えっ‥ちょ‥ちょっと待って下さい。彰さん、自分が何を言っているかわかってます?』
『えぇ…』
『だったら何でいずみんが死んだなんてことが言えるんですか?」
『泉水は死んだんです。私のせいです。全て私が悪いんです…』
彰さんはそれだけ言うと声をあげて泣き出してしまった。
悲鳴に近い声でずっとずっと泣いていた。
そして私も少しずつこの状況を把握し始めていった。
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