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櫻井詩織
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家までの帰り道、色んなことが頭をよぎった。
大貫社長が言っていた「お前には日本ではピアノを弾かせない」という言葉。
そしてみゆきさんのこと。
頭の中がパニックでどうしたらいいかわからなくて、胸が苦しくなるのと同時にお腹の辺りがムカムカして吐き気をもよおした。
急いで車を停めてもらい、我慢できなくて路肩で思い切り吐いてしまった。
翌日。
午前中は仕事がなかったので部屋でくつろいでいた。
午後から本社に行って社長と会う予定になっていた。
昨日の大貫社長との兼を話さなくてはならなかった。
プルルルルル――プルルルル――
携帯電話の着信音が鳴ったので見てみると、知らない番号からだった。
『もしもし』
『もしもし、櫻井詩織さんのお電話でお間違いないでしょうか?』
『はい』
若い女性の声だった。
『私、来週行われるピアノコンクールを主催する会社のものなんですが、お話があってお電話致しました』
『何ですか?』
直感的に嫌な予感がした。
『実は、櫻井詩織さんは今回のコンクールには出場が出来なくなりました』
『どうしてですか?』
実は来週行われるピアノコンクールに一般の部でエントリーしていた。
自分の実力を再確認したいというのもあるし、私の演奏を聞いて音楽関係者の目に留まればいいなという思いで出場することを決めた。
『理由は私ではわかりかねます。私は連絡するように言われただけでして』
『理由を言ってもらわないと納得出来ません』
『そう言われても、こちらとしても困ります。申し訳ありませんが、これで失礼致します』
『ちょっとまっ‥』
プッ‥プ――プ――プ――
電話を一方的に切られてしまった。
何なの?
何で何の理由もなく出場を取り消されなければならないの?
意味わかんない。
このことを桜子さんに話さなくてはならない。
プルルルルル――プルルルル――
急いで電話をかけようと携帯電話を操作していると再び電話が鳴り始めた。
またもや知らない番号からだった。
『もしもし…』
『もしもし、大貫です。先日はどうも』
『・・・・・・』
まさかの大貫社長からの電話に背筋がゾッとした。
大貫社長が言っていた「お前には日本ではピアノを弾かせない」という言葉。
そしてみゆきさんのこと。
頭の中がパニックでどうしたらいいかわからなくて、胸が苦しくなるのと同時にお腹の辺りがムカムカして吐き気をもよおした。
急いで車を停めてもらい、我慢できなくて路肩で思い切り吐いてしまった。
翌日。
午前中は仕事がなかったので部屋でくつろいでいた。
午後から本社に行って社長と会う予定になっていた。
昨日の大貫社長との兼を話さなくてはならなかった。
プルルルルル――プルルルル――
携帯電話の着信音が鳴ったので見てみると、知らない番号からだった。
『もしもし』
『もしもし、櫻井詩織さんのお電話でお間違いないでしょうか?』
『はい』
若い女性の声だった。
『私、来週行われるピアノコンクールを主催する会社のものなんですが、お話があってお電話致しました』
『何ですか?』
直感的に嫌な予感がした。
『実は、櫻井詩織さんは今回のコンクールには出場が出来なくなりました』
『どうしてですか?』
実は来週行われるピアノコンクールに一般の部でエントリーしていた。
自分の実力を再確認したいというのもあるし、私の演奏を聞いて音楽関係者の目に留まればいいなという思いで出場することを決めた。
『理由は私ではわかりかねます。私は連絡するように言われただけでして』
『理由を言ってもらわないと納得出来ません』
『そう言われても、こちらとしても困ります。申し訳ありませんが、これで失礼致します』
『ちょっとまっ‥』
プッ‥プ――プ――プ――
電話を一方的に切られてしまった。
何なの?
何で何の理由もなく出場を取り消されなければならないの?
意味わかんない。
このことを桜子さんに話さなくてはならない。
プルルルルル――プルルルル――
急いで電話をかけようと携帯電話を操作していると再び電話が鳴り始めた。
またもや知らない番号からだった。
『もしもし…』
『もしもし、大貫です。先日はどうも』
『・・・・・・』
まさかの大貫社長からの電話に背筋がゾッとした。
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