パパLOVE

卯月青澄

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翌朝、13時に起き出し、1階のキッチンに行ってみると、テーブルの上には朝食が用意されていた。

いずみんの姿はなく、既に学校に行ってしまったんだとわかった。

プルルルル――プルルルル――

携帯電話の着信音が鳴ったので画面を見ると桜子さんからだった。

『もしもし、おはようございます』

『おはよう…なんて挨拶している場合じゃないわ。今すぐテレビをつけなさい』

『テレビですか?何で?』

『いいから早く』

『わかりました』

私は渋々テレビのリモコンを手に取って、電源を入れた。

「えっ…」

『詩織、聞こえる?』

『聞こえます。私がテレビに映ってるけど…』

『あれは詩織じゃない。詩織の双子のお姉さんの泉水さんよ』

『何でいずみんが?』

『今、どこかの会場で会見が行われているみたい』

『うそでしょ…』

「彼女の名前は櫻井泉水さんです」

いずみんの隣には何故か坂本さんがいて、いずみんを紹介していた。

いずみんの髪は金色に染められていて、いつもうしろで束ねられている髪は下ろされていた。

「彼女は今、ワイドショーなどで世間を騒がせている櫻井詩織の双子の姉です。彼女は吃音症という障害を持っていて上手く喋ることが出来ないので私がお手伝いをさせて頂きます」

「さっ‥さく…らい…いず…み…です」

「泉水さん、今日はみんなに話したいことがあって会見を開いたんだよね?」

「はっ‥はい…」

「何かな?」

「ざっ‥ざっし…や…てれ…びの…えい…ぞう…は…ぜんぶ…わた…し…です」

「補足になりますが、先日の雑誌やテレビで流れている映像は全てこちらの泉水さんだと言っています」

違う…

あれはいずみんなんかじゃない。

「わっ‥わた…しの…です…」

それからも会見は坂本さんに助けられながら進行していった。

いずみんは全て自分がやって来たことだと告白していた。

誰かが私を潰そうとして、私ソックリのいずみんの映像を出版社に送ったんだと言っていた。

だからやってきたことの罰を受けるために、会見を開いたと言っていた。

「いずみん…駄目だよ。そんなの嘘じゃん。私なんかのために、そんなことしちゃ駄目だよ…」

私はテレビの前に倒れると声を上げて泣いた。
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