パパLOVE

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そんな大ヒット写真集で盛り上がる中、私の清楚なイメージを真っ向から否定するような内容の記事が載った週刊誌が販売された。

芸能人の不祥事やスキャンダルを売りにしているあの出版社の雑誌だ。

内容は私が学生時代に学校には殆んど行っていないような不良少女だったこと。

髪を金髪に染めて改造した原付バイクをノーヘルで街中を乗り回していたことなどがスクープされていた。

これによりワイドショーなどでも取り沙汰され、高校生のくせにタバコを吸い、ギャンブルをやったり違法薬物にも手を染めているなど、あることないことまでテレビを使って放送されてしまった。

原付きを乗り回し、タバコを吸い、薬物を使用している映像が流出していた。

ショックだった。

確かに私がしてきた映像も中にはあるけど、身に憶えのない映像も沢山あった。

一体誰がこんな映像を作ったの？

何のためにこんなものを出版社やテレビ局に送りつけたと言うんだろう？

坂本さんは「君は有名になり過ぎたし人気が出過ぎた。だから、誰かが君を引きずり下ろそうと躍起になってる。フェイク映像を作ってまで君を陥れようとしているんだ。これが芸能界って世界なんだ」と言われた。

悔しかった。

悲しかった。

涙が止まらなくて、会社のトイレに閉じこもって泣いた。

この記事が雑誌に載りテレビで放送されたあと、芸能事務所は大慌てだった。

大変な騒ぎになっていた。

こういう記事は会社に大ダメージを与えるし、私が出演してきたCMやドラマや映画にも影響を与えてしまう。

最悪、契約を破棄され違約金が発生する可能性すらあると坂本さんに言われてしまった。

もちろん事務所のお偉いさんに呼び出されて事情をこと細かく聞かれることになった。

もちろん、やってないことはやってないと弁明させてはもらえたけど納得はしてもらった訳ではなかった。

櫻井詩織という商品に泥を塗り、イメージダウンさせたことを、こっぴどく怒られた。

今後の対応や仕事についての話し合いが行われた。

そして直ぐに会社の人間が今出演中や撮影中の関係各社の謝罪に奔走してくれていた。

でも、撮影してきたものは全てお蔵入りになるかもしれなかった。

私が表紙の雑誌などは発売が延期になることが決まったりと、次々と悪いことが重なっていった。

そして会社が私に下した処分は謹慎だった。

しばらくは大人しく家にいるように言われた。

家に帰ってからは布団に潜って、ずっと泣いていた。

私は悪くないのに悪者みたいに雑誌で扱われ、テレビでは大人たちが私を非難していた。

今まで散々チヤホヤしてきた連中が手のひらを返すように悪口を言っていた。

その姿が恐ろしくてガッカリして、一晩中ずっと泣いていた。