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プルルルル――プルルルル――
私の携帯電話の着信音が鳴り始めた。
画面を見ると、お母さんからだった。
慌てて店の外に出て応答のボタンを押した。
『もしもし詩織、今どこにいるの?』
『カフェで食事してる』
『そうなの。泉水が風邪で学校を休んでるんだって』
『うん』
『帰る時にドラッグストアで風邪薬を買ってきて。それとスポーツ飲料とゼリー系の食べ物を買って行ってもらえる?』
『うん、いいよ』
『たぶん1人で不安だろうから早く帰ってあげて』
『出来るだけ早く帰るから安心して』
『よろしくね』
『お母さん、体の調子はどうなの?』
『何よ突然?』
『最近、具合悪そうだったから。顔色も悪いし、グッタリしてることも多いし…』
『大丈夫よ。ちょっと疲れがたまってるだけ』
『そうかもしれないけど…1度病院に行って診てもらった方がいいよ』
『そうね、今度休みの日にでも行ってみるわ。心配してくれてありがと。じゃあ、泉水のことよろしくね』
『うん、わかった…』
そう言って母は電話を切った。
母の声は元気そうに聞こえたけど、無理に元気を装っているように感じられたし、いつものお母さんの声とは違っていた。
何かもの凄く嫌な予感がした。
また、今のお母さんとの電話で私は遠い夢の世界から現実の世界に引き戻された。
私が彼と一緒にいて感じた幸せは全ていずみんのものだった。
本来ならいずみんが味わうはずだった幸せだった。
彼が私に見せる微笑みも優しい話し方も態度も全ていずみんに向けられたものだった。
その全てから彼のいずみんに対する想いを感じぜずにはいられなかった。
きっと彼はいずみんのことが好き。
好きという言葉では足りないくらいの愛さえ感じる。
そしてまた、いずみんも彼のことが好き。
だから内向的でおとなしい性格のいずみんが1人で電車を乗り継いで彼の出演する舞台を観に行った。
それと同時にもうひとつわかった。
いずみんが夏休みに毎週土日に休んでいたのは彼の舞台を観に行き、彼に会うためだった。
全てがわかった瞬間、天国から地獄へ突き落とされたような気持ちになった。
それから私は何事もなかったかのように彼の待つテーブル席に戻った。
私の携帯電話の着信音が鳴り始めた。
画面を見ると、お母さんからだった。
慌てて店の外に出て応答のボタンを押した。
『もしもし詩織、今どこにいるの?』
『カフェで食事してる』
『そうなの。泉水が風邪で学校を休んでるんだって』
『うん』
『帰る時にドラッグストアで風邪薬を買ってきて。それとスポーツ飲料とゼリー系の食べ物を買って行ってもらえる?』
『うん、いいよ』
『たぶん1人で不安だろうから早く帰ってあげて』
『出来るだけ早く帰るから安心して』
『よろしくね』
『お母さん、体の調子はどうなの?』
『何よ突然?』
『最近、具合悪そうだったから。顔色も悪いし、グッタリしてることも多いし…』
『大丈夫よ。ちょっと疲れがたまってるだけ』
『そうかもしれないけど…1度病院に行って診てもらった方がいいよ』
『そうね、今度休みの日にでも行ってみるわ。心配してくれてありがと。じゃあ、泉水のことよろしくね』
『うん、わかった…』
そう言って母は電話を切った。
母の声は元気そうに聞こえたけど、無理に元気を装っているように感じられたし、いつものお母さんの声とは違っていた。
何かもの凄く嫌な予感がした。
また、今のお母さんとの電話で私は遠い夢の世界から現実の世界に引き戻された。
私が彼と一緒にいて感じた幸せは全ていずみんのものだった。
本来ならいずみんが味わうはずだった幸せだった。
彼が私に見せる微笑みも優しい話し方も態度も全ていずみんに向けられたものだった。
その全てから彼のいずみんに対する想いを感じぜずにはいられなかった。
きっと彼はいずみんのことが好き。
好きという言葉では足りないくらいの愛さえ感じる。
そしてまた、いずみんも彼のことが好き。
だから内向的でおとなしい性格のいずみんが1人で電車を乗り継いで彼の出演する舞台を観に行った。
それと同時にもうひとつわかった。
いずみんが夏休みに毎週土日に休んでいたのは彼の舞台を観に行き、彼に会うためだった。
全てがわかった瞬間、天国から地獄へ突き落とされたような気持ちになった。
それから私は何事もなかったかのように彼の待つテーブル席に戻った。
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