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芽衣と沙弥とケンカになって、2週間が経った。
今日はクリスマスコンクール当日。
東京都内の音楽ホールまではピアノ教室の林先生が乗せて行ってくれるとのだった。
また、今日のコンクールにはいずみんとみゆきさんとオーナーが応援に駆けつけてくれるとのことだった。
でも、みゆきさんが芽衣と沙弥に私のコンクールのことを話してくれたけど絶対に行かないと言っていたそうだ。
集合場所は駅前にあるピアノ教室の駐車場だったので、原付きで向かった。
「えっ…」
次の瞬間…
バンッ――
ガッ――
ガッシャーン――
横から何者かに衝突された私は原付きごと吹き飛んだ。
宙を舞っている間、色んなことが脳裏をよぎっていた。
これが走馬灯というやつなんだと冷静に考えていた。
ドンッ――
全身を地面に打ちつけると次第に意識が遠のいてきた。
「ピアノコンクール…行かな…きゃ…」
何も考えられず、ただ集合場所の音楽教室に向かおうと地面を這いつくばっていた。
早く行か…な…きゃ…
・
・
・
・
・
・
目を開けて周りを見ると、ベッドの上で寝かされているのがわかった。
私生きてる。
死ななかったんだ。
手足を動かしてみると、打ちつけた肘と膝など体のあちこちに痛みがあるものの、問題なさそうだった。
でも痛む部分を見てみると、擦り傷だの切り傷だのが数カ所に渡ってあった。
また、腕を上にあげて背伸びをしようとしたら鎖骨の辺りに激痛が走った。
何これ?
もしかして骨が折れてる?
それにしても、こんな状態なのによく死ななかったと、つくづく思った。
ふと、事故のことを思い出した。
確か、私は青信号になってから交差点内を渡っていたにもかかわらず、横から衝突されて吹っ飛んだ。
きっと信号無視の車に跳ねられたのだろう。
そう言えば私の原付きバイクはどうなったんだろう?
かなりの衝撃があったから、間違いなく廃車になってしまったのだろう。
私の身代わりになってくれたに違いない。
って言うか今何時?
時間を確認しようと周りを探すとベッドの横の冷蔵庫の上に私の携帯電話が置いてあった。
今の時刻は11時30分過ぎ。
コンクールはとっくに始まっている時間だった。
こんな状態じゃピアノなんて弾けない。
もう間に合わない。
悔しかった…
悲しかった…
怒りと憎しみしかなかった…
このコンクールに向けて必死で練習してきたのに、信号無視なんてする馬鹿野郎のせいで、全てが台無しになってしまった。
史上初の最優秀賞3連覇がかかっていたのに…
これを叶えられたならプロデビューも夢ではなかったのに…
そして私の単独ピアノコンサートだって現実のものとなったかもしれないのに…
クソッ!
クソッ!
クソッ!
私は誰もいない個室の中で、ベッドに何度も拳を打ちつけ涙した。
そんなことをしていたら疲れのせいだろうか、意識が遠くなってきた。
Zzzz…Zzzz…
・
・
・
・
・
・
・
「ガヤガヤガヤガヤ――」
病室の外が騒がしくて目が覚めた。
いつの間にかに眠っていたようだ。
それにしても。うるさいなぁ。
一体どこのどいつだよ。
ここは病院なんだよ。
少しは空気を読めよ。
今日はクリスマスコンクール当日。
東京都内の音楽ホールまではピアノ教室の林先生が乗せて行ってくれるとのだった。
また、今日のコンクールにはいずみんとみゆきさんとオーナーが応援に駆けつけてくれるとのことだった。
でも、みゆきさんが芽衣と沙弥に私のコンクールのことを話してくれたけど絶対に行かないと言っていたそうだ。
集合場所は駅前にあるピアノ教室の駐車場だったので、原付きで向かった。
「えっ…」
次の瞬間…
バンッ――
ガッ――
ガッシャーン――
横から何者かに衝突された私は原付きごと吹き飛んだ。
宙を舞っている間、色んなことが脳裏をよぎっていた。
これが走馬灯というやつなんだと冷静に考えていた。
ドンッ――
全身を地面に打ちつけると次第に意識が遠のいてきた。
「ピアノコンクール…行かな…きゃ…」
何も考えられず、ただ集合場所の音楽教室に向かおうと地面を這いつくばっていた。
早く行か…な…きゃ…
・
・
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目を開けて周りを見ると、ベッドの上で寝かされているのがわかった。
私生きてる。
死ななかったんだ。
手足を動かしてみると、打ちつけた肘と膝など体のあちこちに痛みがあるものの、問題なさそうだった。
でも痛む部分を見てみると、擦り傷だの切り傷だのが数カ所に渡ってあった。
また、腕を上にあげて背伸びをしようとしたら鎖骨の辺りに激痛が走った。
何これ?
もしかして骨が折れてる?
それにしても、こんな状態なのによく死ななかったと、つくづく思った。
ふと、事故のことを思い出した。
確か、私は青信号になってから交差点内を渡っていたにもかかわらず、横から衝突されて吹っ飛んだ。
きっと信号無視の車に跳ねられたのだろう。
そう言えば私の原付きバイクはどうなったんだろう?
かなりの衝撃があったから、間違いなく廃車になってしまったのだろう。
私の身代わりになってくれたに違いない。
って言うか今何時?
時間を確認しようと周りを探すとベッドの横の冷蔵庫の上に私の携帯電話が置いてあった。
今の時刻は11時30分過ぎ。
コンクールはとっくに始まっている時間だった。
こんな状態じゃピアノなんて弾けない。
もう間に合わない。
悔しかった…
悲しかった…
怒りと憎しみしかなかった…
このコンクールに向けて必死で練習してきたのに、信号無視なんてする馬鹿野郎のせいで、全てが台無しになってしまった。
史上初の最優秀賞3連覇がかかっていたのに…
これを叶えられたならプロデビューも夢ではなかったのに…
そして私の単独ピアノコンサートだって現実のものとなったかもしれないのに…
クソッ!
クソッ!
クソッ!
私は誰もいない個室の中で、ベッドに何度も拳を打ちつけ涙した。
そんなことをしていたら疲れのせいだろうか、意識が遠くなってきた。
Zzzz…Zzzz…
・
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「ガヤガヤガヤガヤ――」
病室の外が騒がしくて目が覚めた。
いつの間にかに眠っていたようだ。
それにしても。うるさいなぁ。
一体どこのどいつだよ。
ここは病院なんだよ。
少しは空気を読めよ。
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