パパLOVE

卯月青澄

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「おばさん、今からでも病院を変えましょう?そんなことを言う医者がいる病院に結菜の命を預けるのはやめた方がいいです。僕のお父さんなら芸能人の知り合いで優秀なドクターがいる病院を紹介してくれます。そこで手術なり治療なりしてもらいましょう」

「快斗くん、ありがとう。でもね、これ以上結菜苦しませたくないの。結菜は生きようと頑張ってきたの。前のように快斗くんと月くんと一緒にいたい。学校に行って勉強してサッカー部のマネージャーとして努めたい。その希望を胸に死ぬほど頑張ってきたの。それでも病気には勝てなかった。でも、結菜は病気には勝てなかったけど、決して負けてはいなかった」

「結菜は負けてなどいません。諦めなければ負けではないんです」

「本当にその通りね」

「おばさん、お願いがあります。結菜の目が覚めるまで結菜のそばにずっといさせて下さい。お願いします」

「そうしてもらえると結菜もきっと喜ぶと思うわ」

今日は家を出た時から決めていた。

結菜の目が覚めるまで、何日だって結菜のそばにいると。

学校を休んで、1日中結菜と一緒にいて絶対に結菜から離れないと。

結菜の母親から許可はもらった。

これで結菜と一緒にいられる。

1日目は食事とトイレ以外は結菜のそばにずっといた。

結菜の手を握り、神様に祈った。

【僕の命はどうなってもいいです。僕の命を結菜にあげて下さい。だから結菜だけは救って下さい。結菜がいれば他に何もいりません。どうかお願いします】

ずっとずっと祈った。

夜はベッドの横にある椅子に座りながらベッドに突っ伏して眠った。

翌日、朝早くに結菜の母親がやって来た。

仕事に行く前に結菜の顔を見に来たらしい。

「快斗くん、ずいぶん早いわね?いつ来たの?」

「それは…」

「もしかして…昨日の午前中からずっといたの?」

「まぁ…」

「学校は?」

「行きません」

「ダメよ。学校には行かなくちゃ」

「行っても何も身に入りません。結菜のことばかり考えてしまって何も手につかないんです」

「だからって…」
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