249 / 441
249
しおりを挟む
「絶対に許さないから。一生許さない」
「うん…」
こうなることは何となくわかっていた。
相川さんも覚悟はしていたと思う。
こればかりは結菜と相川さん2人の問題で、僕らが口を挟むようなことではなかった。
相川さんは肩を落としてゆっくりとドアノブを握って廊下に出ようとした。
「ちはる、許さないけど感謝はしてる。あななたちが無視してくれなかったら私は親友と呼べる人に出会わなかったから。ありがとう…」
結菜が言う親友とは僕と月のことだというのは直ぐにわかった。
「確かに、親友じゃなかったらこんなケガをするまでケンカなんかしないわよね」
「は?何のこと?」
「何でもない。じゃあね、結菜」
「じゃあね、ちはる」
一見、結菜と相川さんは決別したように思えたけど、別れ際には笑顔で手を振っていた。
よくわからないまま、相川さんは帰って行った。
翌朝。
結菜からメールが入ってきた。
《今日から学校行くから。一緒に行こ》
直ぐに月に電話をして、結菜の家まで迎えに行くことにした。
まずは月の家に行って月を拾ってから結菜の家に行き、3人で朝練に向かった。
1時間の練習を終えると、結菜が俺ももとに駆け寄ってきて水筒を手渡された。
例の結菜スペシャルだ。
色は悪いが味はなかなか美味しい。
俺がそれを飲んでいる間、結菜は濡れた冷たいタオルで全身を拭いてくれた。
それが終わると、仕上げにミントの香りのするボディペーパーで体を拭き上げてくれたので、スース―して気持ちが良かった。
周りからはいつものように不満の声があがっていた。
ふと月に目を向けると数人のチームメイトにタブレットを見せながら何かアドバイスをしていた。
月は心臓が悪いためプレーをすることは出来ないけど、サッカーの知識と分析能力、情報収集能力は誰も太刀打ち出来ないくらい研ぎ澄まされていた。
それは小学生の時よりも中学生になった今の方が格段にレベルアップしているし月自身も成長している。
僕自身も月のアドバイスで何度助けられたことか。
人の考え方は様々だし、自分で解決したいという人はいると思うけど、月の助言を素直に受け入れることが出来れば成長と上達の近道になると思う。
「うん…」
こうなることは何となくわかっていた。
相川さんも覚悟はしていたと思う。
こればかりは結菜と相川さん2人の問題で、僕らが口を挟むようなことではなかった。
相川さんは肩を落としてゆっくりとドアノブを握って廊下に出ようとした。
「ちはる、許さないけど感謝はしてる。あななたちが無視してくれなかったら私は親友と呼べる人に出会わなかったから。ありがとう…」
結菜が言う親友とは僕と月のことだというのは直ぐにわかった。
「確かに、親友じゃなかったらこんなケガをするまでケンカなんかしないわよね」
「は?何のこと?」
「何でもない。じゃあね、結菜」
「じゃあね、ちはる」
一見、結菜と相川さんは決別したように思えたけど、別れ際には笑顔で手を振っていた。
よくわからないまま、相川さんは帰って行った。
翌朝。
結菜からメールが入ってきた。
《今日から学校行くから。一緒に行こ》
直ぐに月に電話をして、結菜の家まで迎えに行くことにした。
まずは月の家に行って月を拾ってから結菜の家に行き、3人で朝練に向かった。
1時間の練習を終えると、結菜が俺ももとに駆け寄ってきて水筒を手渡された。
例の結菜スペシャルだ。
色は悪いが味はなかなか美味しい。
俺がそれを飲んでいる間、結菜は濡れた冷たいタオルで全身を拭いてくれた。
それが終わると、仕上げにミントの香りのするボディペーパーで体を拭き上げてくれたので、スース―して気持ちが良かった。
周りからはいつものように不満の声があがっていた。
ふと月に目を向けると数人のチームメイトにタブレットを見せながら何かアドバイスをしていた。
月は心臓が悪いためプレーをすることは出来ないけど、サッカーの知識と分析能力、情報収集能力は誰も太刀打ち出来ないくらい研ぎ澄まされていた。
それは小学生の時よりも中学生になった今の方が格段にレベルアップしているし月自身も成長している。
僕自身も月のアドバイスで何度助けられたことか。
人の考え方は様々だし、自分で解決したいという人はいると思うけど、月の助言を素直に受け入れることが出来れば成長と上達の近道になると思う。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる