パパLOVE

２４７

放課後になり、自転車で結菜の家に向かった。

途中コンビニに寄って、スポーツ飲料とフルーツゼリー、ハー◯ンダッツを大量に買った。

ピーンポーン――

玄関のチャイムを鳴らすと結菜の母親が玄関まで出迎えてくれた。

「こんにちは。結菜のお見舞いに来たんですけど…」

「あら、こんにちは。快斗くん、月くん久しぶりね。あなたは？」

「彼女は相川ちはるさんです。小学生の頃、結菜と一緒のクラスだったんです」

「そう…」

結菜の母親は相川さんの名前を聞いて、何かを感づいたのか悲しそうな顔をした。

「それより２人とも、そのケガはどうしたの？」

「隣の学校の奴と喧嘩をしちゃって」

顔の傷のことを聞かれたら、そう言おうと月と事前に話しをしていた。

「全然たいしたことはあれへんねん」

「気をつけてよね。男の子はケンカするくらいヤンチャな方がいいけど、そんなになるほどやり合うのは良くないわよ」

「わかってます。なぁ、月？」

「はい、気ぃつけます」

「それより風邪の具合はどうなんですか？」

「あの子病院が嫌いだから行ってないんだけど、だいぶ良くなったわよ。明日、明後日くらいから学校には行けると思うわ。せっかく来たんだから結菜に会っていく？」

「寝起きの顔は見られたくないんじゃ？」

「う～ん、どうなんだっ‥」

「どうぞ。上がって行って」

玄関のドアから顔を覗かせてそう言ったのはパジャマ姿の結菜だった。

「結菜…」

「早くして…あなたも話があってきたんでしょ？上がりなよ」

「うん…」

結菜は僕らのうしろに隠れている相川さんに向かってそう言った。

それから僕らは家にあがり、結菜の部屋に行った。

「何そのケガ？」

「ちょっとね…」

「さっき、ママと話してるの聞こえてたよ。隣の中学生とケンカなんて…。何でそんなことになったの？」

「向こうからケンカを吹っかけてきたんだ」

「そうなんや。喧嘩売られたから快斗と２人でいてこましたった」

「やられたの間違いでしょ？快斗は何その頭の包帯？月は、顔が青アザだらけよ。バカなんじゃないの？」