パパLOVE

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「だからって、みんながみんな従った訳じゃないよね？」

「従わざる得なかったの。山口くんの親は大企業の社長でありながら、都議会議員のお偉いさんなの。この小さな街で山口家に逆らったらただじゃすまされない。親は仕事を失い、この街では住めなくなる。だから同学年の生徒はほぼ全員結菜を無視したの。それから半年くらいしてあななたちが引っ越してきて結菜と友達になった」

「だからって、みんなで寄ってたかって結菜を無視するなんて…イジメじゃないか…もしかして結菜に助けてもらった君も？」

「うん…」

「うんじゃないだろっ。結菜と友達だったんだろ？しかも助けてもらっといて、その仕打ちはヒドすぎるだろっ」

僕は彼女の両肩を掴むと前後に揺さぶりながらそう言った。

「ごめんなさい…本当にごめんなさい…」

「僕たちに謝られたって…」

「あなたたちも、山口くんに逆らったんだからタダじゃすまされない…私のせいで本当にごめんなさい…」

とうとう彼女は声を上げて泣き出し、床に崩れ落ちた。

「大丈夫だよ」

突然、何の根拠もなく月がそう言った。

「何が大丈夫なんだよ？」

「大丈夫なものは大丈夫なんだ。快斗、君にはもの凄い味方がいるんだからね」

「何のことだ？」

「知らなくていい。大丈夫だから安心しなよ」

「わかった…」

何だか理由がわからないけど、月が大丈夫だと言うんだからきっと大丈夫なのだろう。