パパLOVE

卯月青澄

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「あのあとどうなった?」

「クラスの女子がたまたま通りかかってせんせを呼んで来てくれてん」

「先生にバレちゃったんだな」

「しゃあないさ。せやけど、わしは後悔はしてへんで」

「それは僕も同じさ」

「明日、担任のせんせに職員室に呼び出されるんやて」

「上等だよ」

月に助けてもらいながらベッドから起き上がろうとしていると、ドアを開けて女子が中に入って来た。

「お話中、ごめんなさい」

「誰?」

「彼女が先生を呼んで来てくれたんだ」

「7組の相川ちはるです」

小麦色の肌とショートの髪型は活発そうな女子に見えた。

「ありがとう。助けてくれたんだって」

「えぇ、まあ…結菜のことで喧嘩になったって…」

「結菜の友達?」

「友達なんて言えない。結菜を裏切った私が友達なんて言っていい訳ない」

僕の知る限り、結菜に友達なんていなかった。

「結菜との間に一体何があったの?」

「小学3年生の時…まだあななたち2人が転校してくる前の話。私と結菜は仲の良い友達だったの。でも…」

「何があった?」

「結菜じゃないの。山口くんのことを好きだったのは結菜じゃないの。私なの…私が手紙を渡せないから結菜が代わりに渡してくれたの。そしてよりにもよって結菜は山口くんに気に入られてた。その時、私が山口くんに手紙を渡してきたのは黙っているから自分と付き合えと交換条件を出してきたの」

「何てヤツだ。信じられない…じゃあ結菜は山口に従ったの?」

「うぅん、断ったわ。そしたら私のことをみんなにバラすと言い出した。もし嫌なら、結菜が山口くんに告白してフラれたことにしろって」

「結菜はその要求をのんだのか?」

「うん…でもそれでは終わらなかったの。山口くんは結菜にフラれたことが許せなかったらしく、結菜が自分に告白してきたからフッてやったと言いふらしたの。そして結菜を無視して、話しかけないようにみんなに命令したの」
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