パパLOVE

卯月青澄

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プルルルルル――プルルルルル――

到着して直ぐに柊木さんのスマホに電話をすると、入口まで出迎えてくれた。

「飛行機の時間は大丈夫ですか?」

「あと2時間くらいは大丈夫です」

「そうですか。三枝様は乗馬はお出来になりますか?」

「少しなら。父に乗馬クラブに連れて行ってもらって練習をしたことが少しあります」

「でしたら、お嬢様と一緒に走ってみたらどうですか?」

「いいんですか?でも、僕の存在を奈未ちゃんに知られない方がいいんじゃ?」

「乗馬用の服装は用意させて頂きます。ヘルメットをしてサングラスにマスク姿なら、いくらお嬢様でも気づかれないと思います」

「それでしたら、是非やらせてもらいたいです」

それから更衣室で着替えをして乗馬のコースに出てみると、馬を上手に乗りこなしている奈未ちゃんが目の前を横切った。

キレイなフォームで馬と一体化している姿はプロの女性騎手のようで美しかった。

僕もすかさず馬を走らせて奈未ちゃんを追いかけた。

久しぶりの乗馬だったけど、直ぐに感が戻りスピードに乗ることが出来た。

少しずつ奈未ちゃんの馬との距離が狭まり、今にも手が届きそうなくらい接近した。

そしてとうとう奈未ちゃんに追いつくと、しばらくの間、奈未ちゃんと並走をして乗馬を楽しんだ。

僕は楽しんでいたけど、奈未ちゃんはそうではなく並走している僕が気に入らないようで、徐々にスピードを上げ始めた。

だから僕も負けじとスピードを上げて並走を維持し続けた。

そんな僕に腹を立てたのか、並走する僕を睨みつけるように何度も顔を向けてきた。
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