パパLOVE

卯月青澄

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「快斗、良い友達が出来て本当に良かったな」

「うん、最高の親友だよ。月と結菜がいるから毎日が楽しい」

「そんなに仲がいいんだ。羨ましいなぁ」

「パパは仲の良い友達はいないの?」

「1人だけいるかな。高校の時のクラスメイトで飯田くんって言うんだけど、高校を卒業してからも時々飲みに行ったりして会ってる」

お父さんの顔を見ると目には涙がたまり、今にも泣き出しそうな感じだった。

どういう感情なのかはわからないけど、昔を思い出して感傷的になってしまったのかもしれない。

それはもしかしたら、お母さんとの思い出が含まれているのかもしれないと感じた。

「ふ~ん、お父さんにもいるじゃない」

「そうだね。それより結菜ちゃんは本当に可愛いし優しいし気が利く良い子だけど快斗はどう思ってるの?」

「どうって?」

「一緒にいて何か感じるものはない?」

「結菜と一緒にいて…おもしろい。いくらでも喋ってられる。落ち着く。ずっと一緒にいたい。離れたくない」

「それはもしかして月くんに対しても同じ気持ち?」

「もちろん。でも何で?」

「う~ん、スゴく難しい問題なんだよね。快斗がもう少し大人にならないとわからないかも知れないね」

「お父さんが快斗と同い年だったら結菜ちゃんに猛アプローチしてるだろうな。ホントに良い子だもん」

「お父さんのタイプなの?」

「タイプっていうかさ…結菜ちゃんはきっと素敵なお嫁さんになると思うんだけどな」

「もう結菜の話しはいいよ」

「そっかぁ、残念だな」

お父さんが必要以上に結菜の話題を振ってくるもんだから、何だか苛ついてそう言ってしまった。

「何、何?私の話?もしかして私が可愛いって言ってた?」

突然、寝ていたと思っていた結菜が後部座席から顔を乗り出して訳のわからないことを言い始めた。

「言ってた。結菜ちゃんはホントに可愛くて良い子だって、快斗と言ってたんだ」

「僕はそっ‥」

「やっぱりそう思います?よく言われるんですよ。それなのに世の男たちは私の魅力に気付いていないみたいなんです」

「もったいないなぁ。おじさんが若い時に結菜ちゃんに出会っていたら絶対にほっとかないんだけどな」

「さすが快斗のお父さん。よくわかっていらっしゃる。やっぱり色んな恋愛経験をしたり人生経験豊かな大人の男の人にしか私の魅力はわからないんでしょうか?」

「気付いているのに気付いていないフリをしているのか、もしくは近くにい過ぎて、そのこと自体に気付いていない可能性はあるかな」

お父さんは僕と結菜を交互に見ながらそう言った。

なぜ僕を見て言うんだ?

こういう話は何だか面倒くさい。
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