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そして今年の4月から僕の妹の香澄がこのF高校に入学してくる。
父さんからこの話を聞いた時は本当に嬉しかった。
大声を張り上げて喜んだ。
嬉しくて何度も何度も飛び跳ねてガッツポーズをとった。
香澄と離れ離れで暮らすようになった小学3年の時から今日まで、遠くで見守り続けてきた。
何か事あるごとに香澄の写真が送られてきて、それを見て楽しんだし、成長を見ることが出来た。
時には東京の青梅市から東京都内まで香澄の姿を見にやって来たこともあった。
でも直接話しかけることも存在を知られることも許されなかった。
それが香澄を守ることだと頭ではわかっているけど、心が追いついて行かなくて、何度話しかけようか接触しようかと思ったか知れない。
大好きな妹が目の前にいるのに、手を伸ばせば届きそうな距離にいるのに、何も出来ない自分が歯がゆくて苦しくて悲しくて心が折れそうになったことが何度あっただろうか。
何度涙を飲み込んできただろうか。
でも、悲しいことに香澄は僕のことを憶えていない。
あの悲しい事件が目の前で起こってしまったあの時から僕の記憶とあの事件の記憶は香澄の中から消えてなくなってしまっていた。
壊れそうな香澄の心を守るための自己防衛機能が働いた為だと医者からは言われた。
僕とあの事件の記憶がないことで、香澄の心の平穏が保てるなら、それが1番良いことだと思っているし、あの事件のことは絶対に思い出させてはいけない。
父さんからこの話を聞いた時は本当に嬉しかった。
大声を張り上げて喜んだ。
嬉しくて何度も何度も飛び跳ねてガッツポーズをとった。
香澄と離れ離れで暮らすようになった小学3年の時から今日まで、遠くで見守り続けてきた。
何か事あるごとに香澄の写真が送られてきて、それを見て楽しんだし、成長を見ることが出来た。
時には東京の青梅市から東京都内まで香澄の姿を見にやって来たこともあった。
でも直接話しかけることも存在を知られることも許されなかった。
それが香澄を守ることだと頭ではわかっているけど、心が追いついて行かなくて、何度話しかけようか接触しようかと思ったか知れない。
大好きな妹が目の前にいるのに、手を伸ばせば届きそうな距離にいるのに、何も出来ない自分が歯がゆくて苦しくて悲しくて心が折れそうになったことが何度あっただろうか。
何度涙を飲み込んできただろうか。
でも、悲しいことに香澄は僕のことを憶えていない。
あの悲しい事件が目の前で起こってしまったあの時から僕の記憶とあの事件の記憶は香澄の中から消えてなくなってしまっていた。
壊れそうな香澄の心を守るための自己防衛機能が働いた為だと医者からは言われた。
僕とあの事件の記憶がないことで、香澄の心の平穏が保てるなら、それが1番良いことだと思っているし、あの事件のことは絶対に思い出させてはいけない。
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