パパLOVE

卯月青澄

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「パパ、温めたから食べちゃって」

私は温めた煮込みうどんの鍋をお盆にのせてパパの寝室まで運ぶと、小さいテーブルの上に置いて眠っているパパに声をかけた。

「ありがとう」

パパは熱のせいでかなりダルそうにベッドの上で体を起こした。

「私が食べさせてあげる」

「大丈夫だよ。自分で食べられるよ」

「ダメ、パパは熱があるんだから、香澄が食べさせてあげるの」

「そっ‥そうか」

それから私は、箸でうどんを掴み「ふ~ふ~」と冷ましてからパパの口に運んだ。

「どお、美味しい?」

「うん、とっても美味しいよ」

「よかったぁ」

私が作ったんじゃないけど、まぁいっか。

それから何度も何度も「ふ~ふ~」と冷まして食べさせてあげた。

パパ、かわいい~♡

私が口に運んだうどんをパパが口を開けて食べてる。

赤ちゃんみたい。

キュンキュンしちゃう♡

「パパ、顎に汁がついちゃったから拭いてあげるね」

枕元にあったティッシュでパパの顎の汁を拭き取ってあげた。

本当に世話が焼けるなぁ。

パパは私がいなきゃ何にも出来ないんだからぁ。

ナンテね。

「ごめん、お腹イッパイになっちゃった」

「いいよ、無理して食べないで。残ったのは私が食べちゃうから」

「きっと菌まみれだよ。やめた方がいい」

「私がパパにインフルをうつしちゃったんだよ。ゴメンね…」

「香澄のせいじゃないよ。パパも疲れで免疫力が弱くなってたんだ。気にすることないから」

「パパ…」

私はベッドで上半身を起こしているパパに抱きつき、しばらく離れなかった。

それからパパに病院から処方されたタミフルと解熱剤を飲ませてからキッチンに行って、パパが残した煮込みうどんを全て平らげた。

そして洗い物をしたあと、お湯を入れた洗面器とタオルを持って再びパパのいる寝室に戻った。

「パパ、汗かいたから着替えをしちゃおう。濡れたままだとよくなから」

私は寝室にあるタンスからパパの下着とパジャマを取り出してそう言った。

「そうだね」

「パパ、脱がしてあげるね」

私はパパのパジャマのボタンを1つずつ外していき、パジャマと下着を脱がした。

普段から鍛えていると言っていたけど、上半身裸になったパパの大胸筋と腹筋、上腕二頭筋の筋肉は引き締まっているけどしっかり筋肉がついていて、まるで格闘家のような体つきをしていた。

すごい…。

筋肉ムキムキのマッチョは好きじゃないけど、パパみたいな引き締まった細マッチョは大好き。

触らずにいられなかった。

「パパ、すごい筋肉だね。メッチャ硬いし」

「何か恥ずかしいな」

私がベタベタと筋肉を触るもんだから、パパは照れながらそう言った。

「照れてないで触らせてよ」

私が必要以上に体に触るもんだからパパは「もういいでしょ?」と言って触るのをやめさせた。

「もぉ~勿体ぶらないでよ。ケチ~~。じゃあ次はタオルで体を拭いてあげるね」

私は洗面器に入れたお湯にタオルを浸して絞ったあと、パパの体を拭き始めた。

「気持ち良い?」

「うん、あったかくて気持ちいいし、すごくスッキリする」

「でしょ?」

「あぁ」

胸、お腹、腕、脇、背中の順に丁寧に優しく拭いていった。

「拭き終わったよ」

私はパパの背後から抱きつき、耳元でいやらしい声で囁いた。

「あっ‥ありがとう」

「そうしたら下着とパジャマを着せてあげる」

パパは自分でやるから大丈夫と言ったけど、私は無理矢理にパパに着せた。

パパのために何かをしてあげられてると思うと心が満たされていくのがわかった。

「パパ、もう寝ちゃって。私、帰るから」

「そうだね、香澄もまだ完全に治った訳じゃないんだから帰って寝た方がいい。今日は本当にありがとう」

「うん、じゃあね」

それから洗面器とかパパの脱いだパジャマ類を片付けて家を出た。

ママにメールをすると直ぐに車で迎えに来てくれた。

この日は私のベッドでママと一緒に寝た。

インフルが感染るといけないからと言ったけど、ママがどうしても一緒に寝たいと言うもんだから、仕方なく一緒に寝た。

本当は嬉しくて仕方なかったんだけど。
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