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西島香澄②
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「ただいま…」
家の中に入り靴を脱いでいると、エプロン姿のママが玄関まで出迎えてくれた。
「香澄、おかえり。ん?香澄、どこか具合でも悪い?」
「うん、ちょっと…」
ママは私のちょっとした変化にも直ぐに気付く。
白を切っても無理なのはわかってる。
「顔色が悪いわよ。疲れた顔をしてるし」
「学校で具合が悪くなって早退してきた。熱っぽかったから病院に寄ってから帰って来たんだ」
「1人で行ってきたの?」
「えっ‥まぁ、1人で…」
「そういう時はママに連絡しなきゃ」
「言ったらパニックになってたでしょ?前に救急車とかパトカーを呼んじゃったりして大変だったじゃない」
「そんなこともあったけど、1人で解決しないで言わなきゃ」
「わかった。今度からそうする」
「それより大丈夫なの?」
ママは心配そうに私の額に手を当てた。
「顔が熱いわね。まだ熱あるんじゃないの?」
「大丈夫だよ。点滴打ってもらったから」
点滴を打ったとは言え、まだ体調は本調子とは程遠い。
でも、このあと出かけることを考えたら体調が悪いとは言えない。
「点滴打ったって、そんなに直ぐには良くならないわよ。夕飯食べたら直ぐに寝ちゃいなさい」
そういうことになるよね。
だからママには何も言わないで外出するつもり。
ママにバレないように上手く家を抜け出すつもり。
「香澄、煮込みうどんを作ったから食べちゃって」
「は~い」
リビングのソファーで横になっていると、キッチンのママから声をかけられた。
ママは私が風邪を引いた時は、必ずママ特性の煮込みうどんを作ってくれる。
これが超絶品で、これを超える味に今まで出会ったことがない。
だから風邪を引いた時や無性に食べたくなった時は事あるごとに作ってもらっていた。
でも、今日はパパに会う予定で、会ったらきっと一緒に夕飯を食べることになるはず。
今お腹をイッパイにしてしまったら食べられなくなってしまう。
家の中に入り靴を脱いでいると、エプロン姿のママが玄関まで出迎えてくれた。
「香澄、おかえり。ん?香澄、どこか具合でも悪い?」
「うん、ちょっと…」
ママは私のちょっとした変化にも直ぐに気付く。
白を切っても無理なのはわかってる。
「顔色が悪いわよ。疲れた顔をしてるし」
「学校で具合が悪くなって早退してきた。熱っぽかったから病院に寄ってから帰って来たんだ」
「1人で行ってきたの?」
「えっ‥まぁ、1人で…」
「そういう時はママに連絡しなきゃ」
「言ったらパニックになってたでしょ?前に救急車とかパトカーを呼んじゃったりして大変だったじゃない」
「そんなこともあったけど、1人で解決しないで言わなきゃ」
「わかった。今度からそうする」
「それより大丈夫なの?」
ママは心配そうに私の額に手を当てた。
「顔が熱いわね。まだ熱あるんじゃないの?」
「大丈夫だよ。点滴打ってもらったから」
点滴を打ったとは言え、まだ体調は本調子とは程遠い。
でも、このあと出かけることを考えたら体調が悪いとは言えない。
「点滴打ったって、そんなに直ぐには良くならないわよ。夕飯食べたら直ぐに寝ちゃいなさい」
そういうことになるよね。
だからママには何も言わないで外出するつもり。
ママにバレないように上手く家を抜け出すつもり。
「香澄、煮込みうどんを作ったから食べちゃって」
「は~い」
リビングのソファーで横になっていると、キッチンのママから声をかけられた。
ママは私が風邪を引いた時は、必ずママ特性の煮込みうどんを作ってくれる。
これが超絶品で、これを超える味に今まで出会ったことがない。
だから風邪を引いた時や無性に食べたくなった時は事あるごとに作ってもらっていた。
でも、今日はパパに会う予定で、会ったらきっと一緒に夕飯を食べることになるはず。
今お腹をイッパイにしてしまったら食べられなくなってしまう。
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