パパLOVE

卯月青澄

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翌日、学校に着いて下駄箱で上履きに履き替えていると、うしろから声をかけられた。

「はぁ」

わざとわかるように深いため息をついた。

「西島さん、おはよう」

「おはようございます。はい、これお返しします」

私はポケットに入れておいた三枝先輩のSuicaカードを取り出して、不機嫌そうにそれを突き出した。

「ありがとう」

「気をつけて下さい。もう、次は届けませんから」

私は感情のない声でそう言うと、一礼してその場を立ち去った。

その直後、うしろから「キャーキャー」と言う女子の騒がしい声が聞こえてきた。

どうやら三枝先輩のファンが集まってきたみたい。

三枝にSuicaを渡してるのを見られてなきゃいいけど…。

「ねぇ、ちょっと待ちなさいよ」

「はい?」

「今、三枝くんに何か渡してたけど、何なの?」

ほら、やっぱり見られてた。

言わんこっちゃない。

「定期券を落としたから、返しただけですけど」

「いい加減なことを言って、とぼけるつもりじゃないでしょうね?」

「そうよ、何渡してたのよ?」

三枝ファンの女子3人に取り囲まれた。

何この状況…。

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