パパLOVE

卯月青澄

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ソファーに横になり、つまらないNEW番組を横目に見ていると、時刻は23時になろうとしていた。

もうそろそろパパが帰ってくる時間だ。

私は玄関を飛び出し、エレベーターで1階まで下りるとマンションの入口でパパが帰ってくるのを待った。

プルルルル――プルルルル――

電話が鳴ったので手にしていたスマホを見てみるとパパからだった。

自然と胸が高鳴った。

『もしもし、パパもう帰ってくる?』

『あと1分くらいでマンションに着くよ』

『わかった』

『香澄、もしかして外にいる?』

『うん、でもどうしてわかったの?』

『車の通る音が聞こえてきたから』

『そっか』

『家の中で待っててよかったのに』

『1秒でも早く会いたかったから』

「香澄っ」

「パパっ」

パパの姿が見えたので、走ってパパのもとに行って抱きついた。

「おかえりなさい」

「ただいま」

パパの首筋に鼻と唇を押しあてて、勢いよく息を吸った。

良い匂い♡

もしかして私って匂いフェチ?

でも、パパの匂いしか興味ないからそういう訳ではなさそう。

「お腹空いてない?」

「ちょっとだけ」

「どこか食べに行こう」

「パパ、先にお風呂入っちゃって。掃除して浴槽にお湯をはっておいたから」

「掃除してくれたの?」

パパは驚いた表情をして私の顔を覗き込んできた。

「うん。洗濯もしたし、トイレも洗っておいたよ」

「そんなことまで。バイトから帰ってきて疲れてるんだから、無理しなくていいのに」

「無理じゃないよ。私がしたいからしたの」

「本当にありがとう」

パパはそう言うと、私の頭を撫でてくれた。

かすかな記憶だけど、小さい頃お手伝いをしてこうして頭を撫でながら褒められたのを思い出した。

小さい頃から頭はよく撫でられていた。

パパと…パパともう1人いたような…。

でもこの歳になっても、舞香と詩美から撫でられることも多いし、私って子供扱いされてるってこと?
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