パパLOVE

卯月青澄

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「私にはパパがいるからいいの」

2人が私を心配そうに見ていたので、私の正直な気持ちを言葉にしてみた。

「お父さんと会えるようになって、香澄ちゃんは毎日が幸せそう」

「うん、幸せ。嬉しいし楽しいし、いつもドキドキしてる」

「香澄ちゃん、良かったね」

「実は昨日、寝ているパパの唇にキスしちゃった」

「・・・・・・」
「・・・・・・」

「とっても柔らかくて甘い香りがした。私のファーストキス」

「・・・・・・」
「・・・・・・」

舞香と詩美は互いに見つめ合ったあと黙り込んでしまった。

変な空気が流れてるような気がした。

「どうしたの? 私何か変なこと言った?」

「香澄ちゃんはパパのこと好きなんだよね?」

「好きだよ。チョ―大好き」

「どういう好きだよ?」

「好きは好きだよ」

「色んな好きがあるよね? 例えば、恋人に対する好きとか、友達に対する好きとか、ペットに対する好きとか?」

「う~ん…」

舞香はそう言ったけど、よくわからなかった。

好きには種類があるのか…。

「香澄、お前自分でもわかってないんじゃないか?」

「よくわからない。でも、パパのためなら何でもしてあげたい。私の全てを捧げたいって思ってる」

「香澄ちゃん…」

「全てって何だよ?」

「全ては全てだよ。心も体もパパに捧げる。パパの望むようにしてあげる」

「お前なぁ」

詩美は呆れ顔をしたあと、小さく舌打ちをした。

詩美はイラついたり、怒ったりすると舌打ちをする癖がある。

何で?

何か私が悪いこと言った?
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