パパLOVE

２５

「ねぇ、ふざけてないでお弁当食べちゃおう」

「うん」「だな」

それから昼食を終えるとパパにメールを送った。

《何時頃仕事から帰るの？》

パパに「会おう」と言ってもらいたくて、でも私から会いたいとは言えなくて、そうメールした。

でも、昼休みの時間にはパパからの返信はなかった。

仕事中だとわかっていたけど、直ぐに返信がないことにイラついていた。

５時間目の授業が終わっても、まだ返信はなかった。

「どうしたの？」

休み時間になってもスマホの画面を凝視している私を舞香は背後から抱きついてきた。

「パパからメールが返ってこないの」

「仕事中だろ」

詩美は前の席に座って私のスマホを覗き込んできた。


「わかってるんどけどさ」

「イラつかないの。ふぅ～～」

舞香は私の耳に息を吹きかけてきた。

「あんっ」

「何感じてんだよ」

「感じてなんかないよ。だったらわたしも。ふぅ～～」

詩美の言葉にカチンときて、詩美の耳に息を吹きかけてやった。

「ふんっ。そんなんで感じるかってえの」

「だったらどうしたら感じるわけ？」

「私、知ってるよ」

舞香はそう言うと、詩美のうしろから首筋にキスをした。

「んんっ」

すると詩美は感じたらしく小さく吐息をもらしていた。

「どう？　感じたでしょ？」

「やめろぉ」

こんなことをしてキャッキャッしていると、教室がシーンと静まり返った。

なぜだかみんながこちらを注目していた。

時々、３人でふざけていると教室がこんな空気になる時がある。