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お嬢様は謙虚堅実!?
第46話 決戦は二週間後 B
しおりを挟む私を誘拐しようと企む第三王子の謀略に対し、どう対処するのか……。
会議の結果────
真正面から、受けて立つことが決まった。
今日の訓練は決戦に備え、メニューを変更する。
難易度を上げ、より実践的な訓練を行うこととなった。
今日のテーマは、防御と回避────
例の棒を装備したルドルが、トレーニングパートナーになる。
訓練内容は────
ルドルが、私に攻撃を繰り出す。
私がその攻撃を受け止めるか、受け流すか、避ける。
攻撃を見極めて、最適な選択を取れるようになる為の特訓だ。
……でもね。
「あの、ルドル様……その棒で叩かれると、すごく痛そうなんだけど……骨が折れたりしないかしら────?」
私は稽古の前に、懸念を伝える。
「心配ない。基本は寸止めするし────打撃を加えるときは、死なない様に手加減する」
打撃、加える、死なない様に……?
…………えぇ、なにそれ?
まあ、そんなに痛くはしないわよね。
「────そう、なら安心ですね!」
私はこの男の訓練を、まだ甘く見ていた。
「では、行くぞ……」
「────はい、お願いいたします」
ルドルがコインを指で弾く────
それが床に落下したタイミングで、模擬戦が始まる。
キィィン……!
訓練開始────
開始と同時に、私は目を見開くことになる。
こめかみの横に、棒がピタッと止まっていた。
────遅れて、私の腕が上がる。
ガードしようと腕を上げたのだが、ワンテンポ以上も遅れてしまっている。
そして、私が腕を上げた時には────
脇腹と太ももと足首に、それぞれルドルが軽くタッチするように棒を当てていた。
まったく、動きについて行けない……。
攻撃が早すぎる。
これじゃあ、練習にならないじゃない────
私は『もう少しゆっくり』と、お願いしようとした。
ドッ────!
「うぐっ!」
みぞおちを、棒で突かれた。
かなり、痛い……。
ドサッ。
私は後ろに後ずさり、尻もちを搗く。
起き上がろうと地面に手を付くと、その手を棒で払われる。
「────うっ!」
直後に、片足を棒でひっかけられて、上に持ち上げられた。
私はバランスを崩し、地面をゴロンと転がる。
────起き上がれない。
「くッ!」
私は横に回転して、移動する。
距離を取り、立ち上がらないと……。
ドスッ────!
回転中に、背中を棒で押さえられる。
ググッ────
……動けない。
暫く押さえつけられていたが、ルドルが拘束を解き、私から離れた。
……仕切り直しという訳ね。
私は立ち上がって、両腕を上げてファイティングポーズを取る。
────訓練が再開された。
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