お嬢様は謙虚堅実!? ~生まれながらにカリスマが限界突破していた少女と偽神に反逆する者達~

猫野 にくきゅう

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お嬢様は謙虚堅実!?

第32話 追放イベントの始まり A

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 私は宿敵である小娘・フィリス・ライドロースの手口を見抜いた。

 奴は卑怯な手段で、攻撃を仕掛けてきていたのだ。

 
 卑劣な魅了魔法を用い、人の婚約者を奪おうとしている。

「何てこと……」

 

 私はあの女を懲らしめる為に、告発をすることにした。

 奴の所業が知れ渡れば、きっと『皆』が私の味方になる。


 そうなれば、奴は終わりよ!!

 
 一か月後に、婚約者のヤコマーダ王子の誕生パーティーが開催される。
 王宮の大広間で行われる、盛大なダンスパーティー。

 その場で、ケリを付けてやる。


 私の婚約者を奪おうとし、私の執事を篭絡した。
 その罪を償わせる。

 ────絶対に許さない。
 
 必ず、復讐してやる。
 私は神ヤコムーンに、誓いを立てた。



 あの小娘に自分の罪を思い知らせから、謝罪させる。
 ────泣きながら土下座するまで、追い込んでやるわ。
 
 その光景を想像すると、ほんの少しだが溜飲が下がる気がした。



「くくく……」

 私は小娘の惨めな姿を思い浮かべて、ほくそ笑む。


 パーティーの後で、奴は処刑されることになるだろう。

 楽しみだわ。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




 今日は帝国の第三王子、ヤコマーダ・ガルドルムの誕生日である。

 王子の誕生を祝し、王宮ではダンスパーティが開かれる。


 同年代の貴族の子弟を集めた、盛大な催しだ。



 私にも、招待状が届いている。

「……あまり、気は進まないのだけれど」
 
 私の誕生パーティでは、王子とミルフェラが痴話喧嘩を始めて大変だった。

 またあの二人の争いに、巻き込まれては堪らない。



「あら? でしたら代わりに、わたくしが出席しましょうか?」

 ラシェールが、そんな事を言い出す。

 魅力的な提案だが、断った。
 彼女の存在は、あまり大ぴらにはしたくない。



 それに私の個人的な目的として、有力貴族の見極めがある。

 自分の敵か味方か────
 どちらに転ぶ可能性の高い相手なのか、直接会って調べておきたい。

 
 今日のパーティーは、同世代の貴族は、ほぼ出席するだろう。

 またとない機会だ。
 個人的な感情を排して、私はパーティーに参加することにした。



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