1 / 51
渓谷の翼竜
第1話 誕生
しおりを挟む
どうやら俺は、異世界転生したらしい――
転生してからずっと、暗闇の中に居る。
身動きもほとんど取れず、硬い殻の中に閉じ込められている。
名前は分かる。
『ルドル・ガリュード』というのが、今世での俺の名前だ。
自分が転生者であることは確かだ。
ボンヤリとだが、前世の記憶がある……。
昨日、思い出した。
前世で死んでからこの世界へと生まれ変わる前に、転生の女神と会った時のことも……うっすらとだが、覚えている。
女神の姿かたちを、はっきり認識することはできなかった。
『神々しい』と形容するしかないような、そんな存在だった。
そして、女神との邂逅時に――
俺の魂を異世界に転生させる話を聞いた。
ある程度成長してから、記憶を思い出す仕様だそうだ。
転生先で『使命』のようなものはあるか尋ねると――
転生した世界で、好きに生きろと言われた。
前世の記憶は、思い出した。
俺の身体がある程度成長したからだろう。
女神が俺を騙していなければ、俺は異世界に転生しているはずだ。
俺は…………。
光の遮られた狭い殻の中で、微睡みと深い眠りをくり返す。
――異世界に転生してから、三年が経過した。
俺はいまだに、暗闇の中に居る。
だが、自分の置かれている状況や、自分が何者なのかは分かってきた。
俺は人間ではない。
『ドラゴン』という生物に転生している。
転生前の世界では空想の産物だった、あのドラゴンだ――
俺はドラゴンに生まれ変わり、硬い殻で守られて毎日寝ている。
タマゴの中にいて外は見えないが、この世界の情報はかなり把握できた。
外には人が沢山いて、話し声が聞こえてくる。
その声を聴いているうちに、この世界の言語を取得することが出来た。
……まあ、三年も身動きも取れずに、ぼーとするか寝るしかなかったのだから、言葉を覚えるくらいは造作もない。
言葉を覚えて、情報を収集した。
人間がこんな状態で三年も過ごせば、発狂していたかもしれない。
しかし『竜』という生物だから、時間の感覚が人間とは根本的に違うのか、または殻を破る前の個体だからか、卵の中は苦にならなかった。
ただし……。
外で騒いでいる人間は、ウザいが……。
あいつらの親玉らしき奴が、たまにこの卵の中――
俺に対して、魔力を流し込んでくる。
不快だ。
イラっとする。
それと奴らの自慢話は、聞くに堪えなかった。
しかしそれ以外に、不満は無かった。
奴らも、常にこの洞窟に居る訳ではない。
俺の入った卵は、洞窟の中にある。
洞窟は広く、奴らはここを拠点に活動している。
そいつらは定期的に徒党を組んで出かけて、食料や金品を略奪してくる。
奴らは、山賊だった。
山賊のアジトの洞窟に、俺の入った卵は安置されている。
今日もどこからか略奪してきた収奪物で宴を開いている。
こいつらは、事ある毎に宴会を開く。
騒ぐのが好きなのだろう。
……俺もそういうのは嫌いではない。
ずっと、思っていた。
この卵から出たら、俺も一緒に騒いでやろう。
そして、その時が来た。
俺の身体は卵の中で、大きくなり続けた。
そして……。
ここから出る時が来た。
――ああ、ようやくだ。
かたい殻を破って、外の世界に出る時が……。
ピシッ――
ビキ、ビキッ……。
ビシィイイイイッッ!!!!
身体はタマゴの中で徐々に大きくなり、最近ではもうギチギチだったのだ。
殻を破り、俺はこの世界に誕生した。
山賊達の殆どは、飲み食いしながら大騒ぎしていて、俺の孵化に気付いていなかった。
数人が卵の異変を察してこちらを見ていたので、生まれたての俺と目が合った。
「えっ、……あっ!」
「……っ……ひぃ!!」
三年間も俺が眠っている横で、大騒ぎしやがって……。
俺は目が合った奴から――
順番に、殺していくことにした。
……ググッ。
足に力を込めて……。
どっ!!!
思い切り地面を蹴る。
俺は屈強な脚で天井を蹴り、強靭な翼で空を切り裂く。
――ヒュオッ
ザシュッ――
精悍な爪で、脆く柔らかな人間の肉をミンチに変える。
一瞬で細切れになった、人間の肉片が洞窟内に飛び散った。
まずは五人……。
俺は洞窟の広間を見回した。
所々に、篝火が焚いてある。
無くても夜目は効くが、光があった方が見やすい。
残りの山賊は、五十くらいか――
略奪してきた食料で飲み食いして、大いに盛り上がっていた山賊達は、突然の怪物乱入、そして大量虐殺という事態に、シンッ、と静まり返り――
「わっ、うわっぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!」
「こ、このやろーッ!! よ、よくも手下をッ!!!」
悲鳴や怒声を上げながら逃げまどい、あるいは攻撃してきた。しかし――
圧倒的な化け物を相手に為す術なく、無残に蹂躙されていく。
「…………ふうぅ」
俺は一息入れてから辺りを見渡して、殺り残しがないかチェックする。
地面に転がり、飛び散っている死体に動きは無い。
この空間に生命の気配は、もう感じない。
ご近所トラブルは、無事に解決だ。
だが――
空しい勝利だ。
山賊団の殲滅を確認して、俺は少しだけ気を緩る。すると――
ぐぎゅるるぅぅううううううう……
洞窟内に、バカでかい腹の虫の音が響く。
「――腹が減ったな」
俺は卵から出たばかりで、何も食べていない。
まずはなにか、食べるものが欲しい……。
けどなぁ――
身体に山賊達の返り血がこびり付いているが、これを舐める気はない。
洞窟内に散乱している、山賊達の肉片を食すつもりもない。
前世が人間だったから、人間を食べることに対して忌避感があるとかではない。
俺の味覚や嗅覚が、人間を『食料』として判別していないだけだ。
――美味しそうに見えない。
腹が減っているけれど、食べる気がしないんだよなぁ……。
山賊達が食べていた料理の残りがある。
焼いた魚と、米……。
よく分からない肉もあるが、魔物を調理したものだろう。
これはいけそうだ。
だがその前に――
食事をするにも、身体に付着した山賊達の血が不快だ。
俺はまず水浴びをしようと、洞窟の外に出ることにした。
途中で見かけた部屋に、閉じ込められている人間が複数いた。
山賊に捕まった人間だろう。
俺は部屋のドアを、無理やりこじ開ける。
捕まっていたそいつらを、逃がしてやることにしたのだ。
山賊に囚われていた人間たちは、血のこびり付いた俺の姿に最初はビビっていたが、竜だと分かってからは態度が変わる。
――やたらと、俺を敬ってきた。
この世界の人間は、竜を神として崇めているようだった。
人を喰らう習性が無いからだろう。
この世界の竜という存在は、基本的に人を食べない。
個体によって好みは違うかもしれないので絶対ではないし、あまりに空腹だった場合などの例外はあるだろうが、少なくとも人間を食用だとは捉えていない。
俺はどれだけ腹が減っても、食べたいとは思わないだろう。
竜は人を食べない。
それが崇められる理由の一つ。
そして稀にだが、ドラゴンは気に入った人間をパートナーに選び、一緒に暮らす個体もいる。
山賊がそんな話をしていた。
竜を仲間にすれば、一生楽して生きていけるぞ。と――
人間にとって、竜という存在はメリットが大きいのだ。
人里近くに住む竜は魔物を倒して食すので、都合の良い存在だ。その為、守り神と崇められるケースが多いのだろう。
俺が全滅させた山賊達も、生まれたての竜なら手なずけられるだろうと目論んで、見つけた卵を自分たちのアジトで保管していた。
残念ながら、失敗したが……。
人間を食べないだけで、殺さない訳ではないからな……。
ゴクゴク、ゴク、ゴクッ……。
「ぷはっ!!」
洞窟の近くに川を見つけ水を飲んでから、水中に入り身体に付いた血を洗い流す。
ぶるぶると、身体を振るわせて水を切る。
それから、ぐーっと伸びをして身体を解した。
――さて、これからどうするか?
山賊の食い残しを、洞窟に戻って食べるのは止めておく。
奴らに捕まっていた人間が、食べる分として残しておいてやろう。
生みの親を探す気はない。
そもそも竜に『生みの親』は存在しない。
この世界の竜には、子を作る機能は無く性別も無い。
竜の卵は自然に発生する。
敢えて言えば、この世界の自然そのものがドラゴンの親だ。
竜の卵は硬く、大型の魔物の攻撃だって弾き返す。
そこから生まれれば一人前だ。
生まれればすぐに、自立して生きていかなければならない。
あの山賊達のアジトを乗っ取って住処にするか?
だが、掃除が面倒だ。
何か良い知恵は無いものか――
俺は翼を広げ羽ばたかせ、風と浮遊と反重力の魔法を補助に使い、軽く空を飛ぶ。
生い茂った大木の、太い枝の上に乗る。
竜は雑食だ。
人は食べないが、魔物は食べるし葉っぱも食べる。
俺は木の枝ごと、葉っぱを食べる。
――とりあえず、何か食べたかった。
顔を上げて、木の上から世界を眺める。
眼下に広がる深い森の緑の先に、切り立った崖がいくつもそびえ立ち、その上部には生い茂った草木が広がっている。
渓谷の上からは水が滝となって、幾筋も地上へと流れ落ちている。
渓谷の脇には水で削られた細長い岩がいくつもあって、その岩の間を縫って風が世界を通り抜けていく――
俺は空を飛び、風に弄ばれながら宙を舞った。
転生してからずっと、暗闇の中に居る。
身動きもほとんど取れず、硬い殻の中に閉じ込められている。
名前は分かる。
『ルドル・ガリュード』というのが、今世での俺の名前だ。
自分が転生者であることは確かだ。
ボンヤリとだが、前世の記憶がある……。
昨日、思い出した。
前世で死んでからこの世界へと生まれ変わる前に、転生の女神と会った時のことも……うっすらとだが、覚えている。
女神の姿かたちを、はっきり認識することはできなかった。
『神々しい』と形容するしかないような、そんな存在だった。
そして、女神との邂逅時に――
俺の魂を異世界に転生させる話を聞いた。
ある程度成長してから、記憶を思い出す仕様だそうだ。
転生先で『使命』のようなものはあるか尋ねると――
転生した世界で、好きに生きろと言われた。
前世の記憶は、思い出した。
俺の身体がある程度成長したからだろう。
女神が俺を騙していなければ、俺は異世界に転生しているはずだ。
俺は…………。
光の遮られた狭い殻の中で、微睡みと深い眠りをくり返す。
――異世界に転生してから、三年が経過した。
俺はいまだに、暗闇の中に居る。
だが、自分の置かれている状況や、自分が何者なのかは分かってきた。
俺は人間ではない。
『ドラゴン』という生物に転生している。
転生前の世界では空想の産物だった、あのドラゴンだ――
俺はドラゴンに生まれ変わり、硬い殻で守られて毎日寝ている。
タマゴの中にいて外は見えないが、この世界の情報はかなり把握できた。
外には人が沢山いて、話し声が聞こえてくる。
その声を聴いているうちに、この世界の言語を取得することが出来た。
……まあ、三年も身動きも取れずに、ぼーとするか寝るしかなかったのだから、言葉を覚えるくらいは造作もない。
言葉を覚えて、情報を収集した。
人間がこんな状態で三年も過ごせば、発狂していたかもしれない。
しかし『竜』という生物だから、時間の感覚が人間とは根本的に違うのか、または殻を破る前の個体だからか、卵の中は苦にならなかった。
ただし……。
外で騒いでいる人間は、ウザいが……。
あいつらの親玉らしき奴が、たまにこの卵の中――
俺に対して、魔力を流し込んでくる。
不快だ。
イラっとする。
それと奴らの自慢話は、聞くに堪えなかった。
しかしそれ以外に、不満は無かった。
奴らも、常にこの洞窟に居る訳ではない。
俺の入った卵は、洞窟の中にある。
洞窟は広く、奴らはここを拠点に活動している。
そいつらは定期的に徒党を組んで出かけて、食料や金品を略奪してくる。
奴らは、山賊だった。
山賊のアジトの洞窟に、俺の入った卵は安置されている。
今日もどこからか略奪してきた収奪物で宴を開いている。
こいつらは、事ある毎に宴会を開く。
騒ぐのが好きなのだろう。
……俺もそういうのは嫌いではない。
ずっと、思っていた。
この卵から出たら、俺も一緒に騒いでやろう。
そして、その時が来た。
俺の身体は卵の中で、大きくなり続けた。
そして……。
ここから出る時が来た。
――ああ、ようやくだ。
かたい殻を破って、外の世界に出る時が……。
ピシッ――
ビキ、ビキッ……。
ビシィイイイイッッ!!!!
身体はタマゴの中で徐々に大きくなり、最近ではもうギチギチだったのだ。
殻を破り、俺はこの世界に誕生した。
山賊達の殆どは、飲み食いしながら大騒ぎしていて、俺の孵化に気付いていなかった。
数人が卵の異変を察してこちらを見ていたので、生まれたての俺と目が合った。
「えっ、……あっ!」
「……っ……ひぃ!!」
三年間も俺が眠っている横で、大騒ぎしやがって……。
俺は目が合った奴から――
順番に、殺していくことにした。
……ググッ。
足に力を込めて……。
どっ!!!
思い切り地面を蹴る。
俺は屈強な脚で天井を蹴り、強靭な翼で空を切り裂く。
――ヒュオッ
ザシュッ――
精悍な爪で、脆く柔らかな人間の肉をミンチに変える。
一瞬で細切れになった、人間の肉片が洞窟内に飛び散った。
まずは五人……。
俺は洞窟の広間を見回した。
所々に、篝火が焚いてある。
無くても夜目は効くが、光があった方が見やすい。
残りの山賊は、五十くらいか――
略奪してきた食料で飲み食いして、大いに盛り上がっていた山賊達は、突然の怪物乱入、そして大量虐殺という事態に、シンッ、と静まり返り――
「わっ、うわっぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!」
「こ、このやろーッ!! よ、よくも手下をッ!!!」
悲鳴や怒声を上げながら逃げまどい、あるいは攻撃してきた。しかし――
圧倒的な化け物を相手に為す術なく、無残に蹂躙されていく。
「…………ふうぅ」
俺は一息入れてから辺りを見渡して、殺り残しがないかチェックする。
地面に転がり、飛び散っている死体に動きは無い。
この空間に生命の気配は、もう感じない。
ご近所トラブルは、無事に解決だ。
だが――
空しい勝利だ。
山賊団の殲滅を確認して、俺は少しだけ気を緩る。すると――
ぐぎゅるるぅぅううううううう……
洞窟内に、バカでかい腹の虫の音が響く。
「――腹が減ったな」
俺は卵から出たばかりで、何も食べていない。
まずはなにか、食べるものが欲しい……。
けどなぁ――
身体に山賊達の返り血がこびり付いているが、これを舐める気はない。
洞窟内に散乱している、山賊達の肉片を食すつもりもない。
前世が人間だったから、人間を食べることに対して忌避感があるとかではない。
俺の味覚や嗅覚が、人間を『食料』として判別していないだけだ。
――美味しそうに見えない。
腹が減っているけれど、食べる気がしないんだよなぁ……。
山賊達が食べていた料理の残りがある。
焼いた魚と、米……。
よく分からない肉もあるが、魔物を調理したものだろう。
これはいけそうだ。
だがその前に――
食事をするにも、身体に付着した山賊達の血が不快だ。
俺はまず水浴びをしようと、洞窟の外に出ることにした。
途中で見かけた部屋に、閉じ込められている人間が複数いた。
山賊に捕まった人間だろう。
俺は部屋のドアを、無理やりこじ開ける。
捕まっていたそいつらを、逃がしてやることにしたのだ。
山賊に囚われていた人間たちは、血のこびり付いた俺の姿に最初はビビっていたが、竜だと分かってからは態度が変わる。
――やたらと、俺を敬ってきた。
この世界の人間は、竜を神として崇めているようだった。
人を喰らう習性が無いからだろう。
この世界の竜という存在は、基本的に人を食べない。
個体によって好みは違うかもしれないので絶対ではないし、あまりに空腹だった場合などの例外はあるだろうが、少なくとも人間を食用だとは捉えていない。
俺はどれだけ腹が減っても、食べたいとは思わないだろう。
竜は人を食べない。
それが崇められる理由の一つ。
そして稀にだが、ドラゴンは気に入った人間をパートナーに選び、一緒に暮らす個体もいる。
山賊がそんな話をしていた。
竜を仲間にすれば、一生楽して生きていけるぞ。と――
人間にとって、竜という存在はメリットが大きいのだ。
人里近くに住む竜は魔物を倒して食すので、都合の良い存在だ。その為、守り神と崇められるケースが多いのだろう。
俺が全滅させた山賊達も、生まれたての竜なら手なずけられるだろうと目論んで、見つけた卵を自分たちのアジトで保管していた。
残念ながら、失敗したが……。
人間を食べないだけで、殺さない訳ではないからな……。
ゴクゴク、ゴク、ゴクッ……。
「ぷはっ!!」
洞窟の近くに川を見つけ水を飲んでから、水中に入り身体に付いた血を洗い流す。
ぶるぶると、身体を振るわせて水を切る。
それから、ぐーっと伸びをして身体を解した。
――さて、これからどうするか?
山賊の食い残しを、洞窟に戻って食べるのは止めておく。
奴らに捕まっていた人間が、食べる分として残しておいてやろう。
生みの親を探す気はない。
そもそも竜に『生みの親』は存在しない。
この世界の竜には、子を作る機能は無く性別も無い。
竜の卵は自然に発生する。
敢えて言えば、この世界の自然そのものがドラゴンの親だ。
竜の卵は硬く、大型の魔物の攻撃だって弾き返す。
そこから生まれれば一人前だ。
生まれればすぐに、自立して生きていかなければならない。
あの山賊達のアジトを乗っ取って住処にするか?
だが、掃除が面倒だ。
何か良い知恵は無いものか――
俺は翼を広げ羽ばたかせ、風と浮遊と反重力の魔法を補助に使い、軽く空を飛ぶ。
生い茂った大木の、太い枝の上に乗る。
竜は雑食だ。
人は食べないが、魔物は食べるし葉っぱも食べる。
俺は木の枝ごと、葉っぱを食べる。
――とりあえず、何か食べたかった。
顔を上げて、木の上から世界を眺める。
眼下に広がる深い森の緑の先に、切り立った崖がいくつもそびえ立ち、その上部には生い茂った草木が広がっている。
渓谷の上からは水が滝となって、幾筋も地上へと流れ落ちている。
渓谷の脇には水で削られた細長い岩がいくつもあって、その岩の間を縫って風が世界を通り抜けていく――
俺は空を飛び、風に弄ばれながら宙を舞った。
10
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。


おっさんの異世界建国記
なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。

最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)
排他的経済水域
ファンタジー
12歳の誕生日
冒険者になる事が憧れのケインは、教会にて
スキル適性値とオリジナルスキルが告げられる
強いスキルを望むケインであったが、
スキル適性値はG
オリジナルスキルも『スキル重複』というよくわからない物
友人からも家族からも馬鹿にされ、
尚最強の冒険者になる事をあきらめないケイン
そんなある日、
『スキル重複』の本来の効果を知る事となる。
その効果とは、
同じスキルを2つ以上持つ事ができ、
同系統の効果のスキルは効果が重複するという
恐ろしい物であった。
このスキルをもって、ケインの下剋上は今始まる。
HOTランキング 1位!(2023年2月21日)
ファンタジー24hポイントランキング 3位!(2023年2月21日)

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる