67 / 144
コボルトの谷
第34話 崖の下へと A
しおりを挟むコボルトの谷に到着した僕は、崖に添って歩く────
周辺を探索して、谷の底へと降りれそうなポイントを探した。
先ずは崖の側で、手ごろな木を探す。
木を見つけたら、崖を見下ろして壁面の様子を確かめる。
なるべく下りやすそうな、形状の壁面を選んで下りたい……。
「ここにするか。────ん?」
木にはすでに、ロープが巻き付けられていた。
……先客がいたのか?
他の冒険者が、ここからダンジョンに入ったのだろう。
僕はロープを辿り、その先を確認する。
……。
…………ん?
ロープは崖の途中で、切断されていた。
自然に千切れたというよりは、意図的に切断されたように見える。
崖の下から上に登ろうとしても、登れない様に……。
誰かに切られたのか────?
プレイヤー同士の喧嘩とかかな……。
「……う~ん」
────まあ、ここで悩んでいても始まらない
僕は気にせずに、ここから下へと降りることにした。
まずは、村を出る前に購入したロープを取り出して、木に巻き付ける。
ロープを引っ張り、きちんと固定されていることを確認する。
そして、下へと降り始めた。
崖の底までは、かなりある。
道具屋はロープの長さは、100メートルだと言っていた。
このロープは恐らく、この谷を降りるために用意された道具だと思う。
だとすると、谷の深さは100メートルくらいか、もしくはそれよりも短いくらいなのだろう。
────落ちると死ぬな。
崖の縁に立つと、恐怖心がもたげてくる。
僕は恐怖を振り払うように、ロープを握り締め崖を降り始めた。
崖の壁面に所々ある出っ張りを、上手く伝って、少しずつ下りる。
恐怖心はあるが、命綱のロープもあるし、足場も多い────
慣れると、とんとん拍子に移動できる。
意外と簡単に下まで行けた。
ロープの長さには、まだまだ余裕がある。
────崖の高さは100メートルよりも、ずっと短かった様だ。
僕は崖の底に降り立った。
「な、なあ、あんた……そのロープ、使わせてくれないか?────金なら払うからよ」
崖の下に降りた僕は、いきなり他のプレイヤーから声をかけられた。
「あっ、はい……」
僕はいつもの癖で、いつもの返事をする。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
【LUK】だけ上げて世界最強
七鳳
ファンタジー
☆お気に入り登録&コメント励みになります!
大学に入ってからの時間をほぼ全て、オンラインゲーム「ユグドラシルオンライン」…通称UGOに捧げていた主人公。彼は狂ったようにUGOにのめりこんでいた。
そんな彼が本当の異世界となったUGOの世界に転生してしまうありふれたお話。
※見切り発車のため後に設定・内容が大きく変更される恐れもあります。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
嘘つきレイラ
織部
ファンタジー
1文800文字程度。通勤、通学のお供にどうぞ。
双子のように、育った幼馴染の俺、リドリーとレイラ王女。彼女は、6歳になり異世界転生者だといい、9歳になり、彼女の母親の死と共に、俺を遠ざけた。
「この風景見たことが無い?」
王国の継承順位が事件とともに上がっていく彼女の先にあるものとは……
※カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しております。
へなちょこ勇者の珍道記〜異世界召喚されたけど極体魔法が使えるのに無能と誤判定で死地へ追放されたんですが!!
KeyBow
ファンタジー
突然の異世界召喚。
主人公太一は誤って無能者判定され死地へと追放され、その後知り合った2人のエルフの美少女と旅を始める。世間知らずの美少女は無防備。太一はインテリだが意気地なし。そんな3人で冒険をし、先々でトラブルが・・・
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
転生社畜の異世界旅行!!
山崎真太郎
ファンタジー
ブラック企業の社畜のサラリーマン山城俊太郎は、地獄の八連勤を終えて自宅に帰る途中で過労のあまり心臓発作を起こして死んでしまった…が、死んでしまったと思っていたら、シュトロミットという異世界の創造神シャルル様のお慈悲で、全属性魔法というチートスキルと大金貨、金貨、大銀貨、銀貨を10枚ずつ、異世界で必要な物資一式を与えられて転生する事になった。転生と言っても、赤ちゃんからではなく、四十九歳の疲弊しきってボロボロの身体を、十五歳の頃の超健康体に若返らせてから異世界に送るというモノだった。俊太郎は御礼を言って異世界へと旅立ったのだった。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
烙印騎士と四十四番目の神・Ⅲ 封じられし災い編
赤星 治
ファンタジー
バルブラインの異変、突如として魔力壁が消えたゼルドリアス、未知の脅威。
様々な問題がひしめく中、ジェイクはガーディアンとして戦えるように成長していく。そして、さらなる世界の謎が立ちはだかる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる