メルドリアスの遊戯世界 ～異世界転生ハーレムキャラバン～ 【健全版】

冒険者編

第63話 大商会の孫娘 ２ B

　彼女たちを、これから仲間に加える。

　俺はあいさつ代わりに、自分の実力を示しておこうと思う。
　──お互いの自己紹介を兼ねて、ミランダとの力比べを提案した。

　ミランダはすぐに乗ってきた。
　体格の良い女戦士だ。

　力には自信があるだろう。


　自分の得意分野での勝負なら、受けて立つだろうし、負ければ俺を認めざるを得ないだろう。

　俺とミランダはお互い手のを握って、力比べを始める。
　彼女は俺より五つ年上なだけあって、背丈も頭一つ分くらい大きい。
　
　彼女は自分が負けるとは思って無さそうだし、俺から一つ提案してみる。

「……そうだ。折角だし、この勝負に何か賭けないか？　例えば、相手の言うことを一つ聞くとか──」

「ほう、……良いだろう。私が勝てば、お前を追い払えるわけだ」


　ミランダは乗ってきた。
　よほど自分の力に、自信があるのだろう。

「勝てればな──」

「ふんっ、言うじゃないか、小僧！！」


　俺はミランダと接触している手のひらから、彼女の身体へと魔力を送る。

　──魔力による情報のスキャン、鑑定を行う。

　ミランダの職業は戦士で、レベルは23。
　力のステータスも大きいが、俺ほどではない──

　しかし、『怪力』というスキルを保持している。

　スキルの詳細は──

　スキル　怪力
　力のステータスを三秒間、三倍に出来る。
　インターバル　五分　

　五分に一度、力を三倍に出来るスキルか──
　魔力の消費もないようだ。

　戦闘時に上手く使えば、威力を発揮するだろう。
　これがあるから、力勝負に強気だったわけだ。


　力が増えれば、その力で自分が怪我を負うリスクも増えるが、彼女はそれをカバーできる『治癒』というスキルも持っている。



　スキル　治癒
　HPを二十パーセント消費して、怪我を治療する。

　疲れる代わりに、怪我を治すことが出来るらしい。
　山賊の親分が使っていたのは、多分これだろう。

　

　俺とミランダの力比べは、様子見から始まった。
　お互いに少しづつ力を上げていき、相手の限界を探る。

　ある程度力を込めると、俺はミランダを押し始めることが出来た。

　単純な力比べなら、ステータスの数字通りに、俺の方が上のようだ。


　力比べで俺に押し負けそうなミランダは、スキル『怪力』を使用した。
　俺はそのタイミングを見極めて──
　相手のスキル使用と同時に、魔力で筋力を上げて対抗する。


　スキルの効果時間が切れたミランダは、俺に押されて床に尻もちを撞く。

「俺の勝ちだな──」

「……う、嘘だろ──くッ、クソッ……私の、負けだ」


　ミランダは悔しそうにしていたが、素直に負けを認めた。
　俺が力比べで勝ったことに、レミアナとリリーシアも驚いていた。

　リリーシアも俺が力でミランダに勝つとは、思って無かった様だ。

「それで──何をすればいい？」

　ちゃんと、賭けを覚えていたようだ。

「そうだな。じゃあ、今から俺とキスをして貰おうか──」
　
　俺の要求にミランダは、少し赤くなり目を逸らして『仕方ない』と呟いた。