メルドリアスの遊戯世界 ～異世界転生ハーレムキャラバン～ 【健全版】

冒険者編

第63話 大商会の孫娘 ２ A

　俺はデルフェイル商会の会長の孫娘を、仲間に加えることにした。

　断る理由もなかったし、大商会とのコネもできる。

　彼女の名前はリリーシア。
　転生者だ。

　大商会のお嬢様に転生して、会ったばかりの俺に付いて、冒険者になる。

　即断即決。
　思い切りの良い少女だった。
　
　実家にはもう、別れを告げてあるらしい。
　今日はデルフェイル商会 で一泊して、翌朝にはもう出発だ。

　俺もここで泊まることになった。
　お互いの情報交換も必要だ。


　デルフェイル商会から、リリーシアへの選別のようなものは特にない。

　リリーシアが求めなかったからだ。
　実家からの支援が無い分、成功した時の評価も高くなる。




　──リリーシアが家を出て、俺のパーティに加入する。
　
　俺とリリーシアの間では、順調に話が進んだが反対する者もいる。

　まあ、当たり前と言えば、当たり前だな。
　どこの馬の骨とも知れない奴に、お嬢様が付いて行くというのだ。

　俺がそいつの立場でも、反対するだろう。

　反対者はリリーシアの付き人というか、秘書のような立ち位置の女性と、護衛の女戦士の二人だ。
　



　秘書の名前は、レミアナ。
　俺達より十歳年上の、知的な『仕事ができる女』という感じのお姉さん。
　
　女戦士の名前は、ミランダ。
　俺達より五つ年上の、鍛え上げられた肉体美を持つお姉さんだ。
　ムキムキのマッチョではなく、引き締まった細身のマッチョで、リリーシアと同じ褐色の肌をしている。


　この二人は独り立ちするリリーシアに、ついて行くことに決めているそうだ。
　必然的に、俺のパーティに入ることになるだろう。

　成功するかどうかも判らない独り立ちに、ついてくる者が二人もいる。

　リリーシアの人望か、あるいは──
　よほどの才覚があると、彼女がこの二人から思われているかだろう。


　彼女たちから見れば、自分たちの行く末を託したお嬢様が、悪い男に騙されようとしている風にしか見えないだろう。


　──俺に対する警戒は当然だ。
　むしろこれで警戒しない木偶の棒は、この先役に立たないだろう。