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冒険者編
第54話 仲間の募集 A
しおりを挟む冒険者ギルドでは、仲間の募集もできる。
ソロ冒険者はすぐ死ぬことが多いので、ギルドも複数人でパーティを組むことを推奨している。
当然、出会いの機会も提供してくれている。
仲間を募集しているパーティ側と、パーティ参加希望者の双方が利用可能だ。
募集方法は条件を記入して、専用の掲示板に張り紙を張り、応募者を待つ。
イーステッドの冒険者ギルドの受付施設は、この壁外地区と壁内にそれぞれある。
その二か所で、仲間の募集が可能だ。
募集に掛かる費用は、二か所分の紙の代金が銀貨二枚。
ギルドに支払う、事務手数料が銀貨二枚。
掲示板に募集要項を書いた紙を一週間張り出しておくのに、銅貨二十枚が必要になる。
俺もやってみたくなったので、受付で代金を払い募集要項を記入して、パーティメンバー募集の張り紙を張って貰う。
受付の中年女の態度が、やたらと悪かったが──
まあ、気にしないでおこう。
募集内容は──
冒険者メンバー募集
パーティ名 白銀の竜の翼
ギルドランク アイアンランク
採用条件
・メンバーは女性限定。
・リーダーのハーレムに加入する覚悟があり、同意できる者に限る。
以上。
アカネルとモミジリとイルギットが、バカを見る目で俺を見ている。
レイレルは、なんと言えばいいのかわからない表情で、俺に苦言を呈してくる。
「この条件だと、……その、応募者はいないと思うわ。もっとこう──」
「いないなら、いないでいいんだよ。このパーティがどういう集まりかを知らせるのが目的だからな。これから名を上げれば、入れてくれって奴が寄ってくるだろう? そういう奴の相手を、いちいちせずに済む」
メンバーに入れたくなるような女は、あらかじめ覚悟して来るだろう。
一石二鳥だ。
それに案外、募集に応じる奴がいるかもしれない。
とりあえず、これでやってみる。
その後でスラ太郎と、小鬼族の集落で貰ったウォー・ウルフの子供の従魔、ウル助とウル坊の従魔登録をしておくことにした。
従魔は冒険者ギルドなどの行政機関で登録し、従魔カードを作っておける。
だが、登録してあるからと言って、壁内に連れて行けるとは限らない。
街にもよるが、大抵の場合は断られるそうだ。
貴族の従魔とかだと話は違ってくるそうだが、平民の従魔だとほぼ無理だそうだ。
まあ、従魔とは言え魔物だからな──
治安の観点から見れば、当然と言えば当然の処置だ。
というわけで、従魔登録にメリットらしきメリットが無いので、今までしてこなかったが──
臨時収入が結構入ったので、取り敢えず登録しておこうという事になった。
従魔登録に、三匹で金貨三枚がかかった。
まあ、大した出費ではない。
冒険者ギルドから出て、次は買い物をする。
テントや生活用品を揃えていく。
馬車も手に入ったことだし、荷物を増やしても問題は無い。
馬車の荷台をテント代わりに使うこともできるが、人員を増やすことを考えるとテントは必要だろう。大きめのを買うことにした。
十人用のテントと日用品、塩や湖沼などの調味料に、茶葉などの嗜好品。
食料品は山賊から奪った麦がまだあるが、追加で購入。
保存食は多めに持っておきたい。
パン屋を見かけたので、パンを買ってそれを麦より先に食べる。
肉は魔物を狩って食べればいいので、買う必要はない。
野菜や果物は、適当に購入しておく。
それ以外にも、馬用の干し草が売られていたので、買って与えてみる。
馬は勝手に飲み食いしているが、いい食事をさせた方が長持ちするだろう。
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