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冒険者編
第33話 初めての冒険者ギルド B
しおりを挟む冒険者ギルドの魔道具で、冒険者カードにパーティの活動資金を振り込める。
とりあえず、手持ちの中から金貨十枚を、冒険者カードに振り込む。
このカードの残高から、年会費なんかが自動で引き落とされるそうだ。
これで手持ちの金貨は、全てなくなった。
冒険者をやるにも、初期費用は結構かかる。
性奴隷五人は自動的に、俺のパーティメンバーに加わっていた。
パーティメンバーには、働きに応じて給料が自動的に支払われることになる。
その辺りは、農場で労働していた時と変わらない。
俺達の場合は、財産は自動的に共有されるので、給料は気にしなくていい。
この建物の隣に冒険者ギルドが運営している宿屋があり、その隣には飯屋がある。
そこでギルド証を提示すれば、割引サービスを受けることが出来るそうだ。
一応チェックしてみたが、宿屋の方は俺たちが宿泊している所と大差ない。
値段は少し高いくらいだった。
しかも、ブロンズランクだと割引は無いそうなので、宿は今のままでいい。
ギルドまでは多少歩くことになるが、そのくらいは何でもない。
飯屋の方は、ブロンズランクでも割引が適用されるようだ。
料理は一番安いセットで、銀貨三枚。
内容は大きめの肉と硬いパンと炒めた野菜と水で、肉は香草と塩で味付けされていて、そこそこ旨かった。
料金は俺の冒険者カードを、店のレジカウンターに設置されている魔道具に接触させると、パーティの共用口座から自動で引き落され、その際にブロンズランクの一割引きが適用される。
冒険者ギルドの系列店で買い物をする場合、現金は必要ない。
俺たち六人は、食事を取りながら当面の計画を立てることにした。
「まずは、ここで冒険者の基礎を学ぼう。食用に出来るモンスターを中心に狩って、冒険者ギルドに持って行く、その後で解体作業の手伝いをしてノウハウを学ぶ」
「うぇー、解体作業か──」
「気が進まないのは分かるが、覚えておけば直接肉を仕入れることが出来る。刃物の扱いの経験も積めるしな。一石二鳥だと思うんだよ」
「う~ん、仕方ないか──モミジはそれでいい?」
「う、うん……解体作業とか、日本で暮らしていた時だったら絶対に無理だったけど、こっちだと……そこまで抵抗が無いよね」
「こっちで生まれ育った記憶と経験もあるからな。家畜の解体作業なんかも農場で身近だったし」
「あんた達だけで話していないで、私も混ぜなさいよ」
「ああ、これからここで一週間、魔物退治しようって話だ」
「わかったわ、任せなさい!」
「あの、私とナーズちゃんは、魔物退治とか、出来るかしら?」
「そうだな。無理をさせる気はない。サリシアとナーズは、冒険者ギルドの魔物の解体作業の手伝いで、経験を積んで欲しい」
「それなら、出来そうだわ」
「はい、わかりました!」
農場では家畜の解体作業もあったし、料理も結構、力仕事が多い。
二人は別行動が多くなるが、大丈夫だろう。
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