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農場奴隷編

第26話 因縁との決着 C

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 ああ──
 そういえば前も、蜂を倒した後だったな。

 俺は背後からの攻撃を、体を捻って躱した。
 躱すと同時に、襲撃者に向かって槍を繰り出す。

 しかし──

 俺の攻撃も、敵を捉えることは出来ずに空を裂いた。



「たしかに、そこに居たんだけどな。一瞬であそこまで退いたか……」
 

 俺の二十メートル前方で──
 巨大な白い蜘蛛の魔物が五匹、こちらの様子を伺っていた。




「あのクモは、ハチを獲物にしていたのか──」

 蜂の巣の周囲は広域探知で調査済みだったが、キラー・ビー以外は違和感を捉えられなかった。
 俺の探知では違和感を感じ取れないレベルの、高性能な隠密結界なのだろう。

 俺は残り少ない魔力で、小さい石を沢山作り、当てずっぽうで敵の周囲に向かって放つ。当てるためではなく、隠密結界を破壊する為だ。

 魔力で、探知を行う。

 目の前の敵を鑑定する為と、自分の状態を確認する為に──

「やっぱりか──」

 まず俺の状況だが……
 思った通り、敵の魔法で幻影を見せられている。

 魔力の流れを探ると、外部から俺の身体の中に微量な魔力が流れてきている。

 俺の身体に、蜘蛛の糸が付いていた。
 後ろからの奇襲時に、付けられたのだろう。

 この糸を通じて、視界を変化させる魔力を送り込まれ──
 幻を見せられている。


 それが奴の魔法の、カラクリだった。



 魔力探知で得た敵の情報は──

 敵の名前は大蜘蛛(アラクネ)、戦闘能力は790と502。
 背中の上にくっついている人型の奴も、独立した魔石を持っている。

 蜘蛛の魔物の、特殊進化タイプ。

「敵の本当の数は一匹。他の四つは幻……俺の方は強力な攻撃魔法はもう打てない。少ない魔力で戦うには──」
 
 俺は槍で糸を切って、敵の幻影から抜け出す。




 手品の種の割れた、支援タイプだ。
 力でごり押しして、始末する。

 俺は装備している槍に闘気を込める。
 そして魔力で自身の『ちから』と『すばやさ』を増強。

 敵の位置を再度確認する。

 俺は手に持った槍を、大蜘蛛(アラクネ)に向かって投擲した。


 ゴッォおおォォォオオオオオオオ!! 

 ズボッッァァアアン!!!!


 渾身の一撃。

 俺の投げつけた槍は、大蜘蛛の頭部を吹き飛ばして胴体に深々と突き刺さった。

 大蜘蛛は脊髄反射なのか、ピクピクと痙攣している。
 これで死んだだろう。
 
 次は──

 俺はアラクネに慎重に近づきながら、はがねの剣を装備する。
 大蜘蛛は頭部と胴の半分を失い横たわっていたが、胴体に寄生している不気味な人型は健在で──
 『タスケテ、タスケ……テ』
 と、うわ言をくり返している。

 俺ははがねの剣で人型の首を跳ねてから、こん棒で脳を叩き潰し、体を切り裂いて分解していく。
 ある程度バラバラになったところで満足すると、スラ太郎を呼び寄せて、魔石の回収と魔物素材の剥ぎ取りを開始した。


*************************
クイーン・ビーの魔石 (風属性)
所有者 ユージ
魔石値 000634
*************************

*************************
大蜘蛛の魔石 (土属性) 
所有者 ユージ
魔石値 000820
*************************

*************************
大蜘蛛(アラクネ)の魔石 (光属性) 
所有者 ユージ
魔石値 000525
*************************




*************************
名前  ユージ

HP 77/120  MP 006/131  FP 039/119

幸運力 
058~-011×2

スキル
空間移動 危険感知

所持品
魔石値   0044328
回復薬     6個

所有奴隷
アカネル モミジリ イルギット

借金 金貨19枚 銀貨9枚 銅貨13枚

才能
大魔導士の卵 戦神の欠片 強欲な器

職業  
労働奴隷Lv16(従順-56) 農夫Lv13 薬草採取者Lv12
戦士Lv22 剣士Lv20 武闘家Lv18 弓使いLv16 槍使いLv17
魔法使いLv21 魔術師Lv22 魔物使いLv16
探索者Lv23 斥候Lv22 隠密Lv21 暗殺者Lv20
遊び人Lv27 ギャンブラーLv27 ハーレムマスターLv19
薬師Lv18 錬金術師Lv20 鍛冶師Lv20
*************************


 俺はかつて敗北した強敵に、打ち勝った。

 魔物素材はこの量だと、一度に全部は持って帰れない。
 キラー・ビーは魔石だけ回収して、残りは破棄で良い。

 クイーン・ビーと大蜘蛛は、スラ太郎に肉を食べさせる。

 他の魔物が寄り付かない様にしておき、素材は後日回収することにした。
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