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農場奴隷編
第8話 メスガキが現れた
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女神から世話を頼まれた転生者は、この農場にいる。
俺と同じ年齢で、恐らくは二人組のはずだ。
すでに条件に合う二人組は、見つけてある。
二人とも女の子で、いつも一緒に行動している。
今は二人で連れ立って、女子用のトイレに行っている。
話は少し逸れるが、この世界のトイレ事情はそこそこ良いほうだ。
この農場の奴隷用のトイレも、ちゃんと男女別に別れている。
一応は仕切りもあるし、汚物を水洗で流せる仕様になっている。
下水で集めた汚水は、野生のスライムを捕獲して一緒に閉じ込めておけば勝手に処理してくれる。
「さて、どう話しかけたものか──」
かれこれ一か月ほど、俺は彼女たちに話しかけることを躊躇っている。
自分の身体能力強化を優先していたというのもあるが、どう接触するのがいいかと悩んで問題を先延ばしにしていた。
このへんの俺の性格は、前世とそう変わっていない。
日本で暮らしていた時みたいに、毎日学校や職場に通う生活だと、他人から嫌われるリスクを考慮し、自分がどう見られているかを意識して、なるべく嫌われない様に気を付けねばならず、挙句にそれが面倒くさくなってしまい、引き籠りになっていった──けれど……
俺は異世界に来て、自分の好きなように生きようと決めた。
人に嫌われたくないだとか──
人の目が気になるだとか──
空気を読まなきゃだとか──
そんな雁字搦めな世界からは脱却したんだ。
「よし! とりあえずは、話しかけてみるか」
そうしなければ、なにも進まない。
俺は覚悟を決めて二人の方に視線を向けると、向こうもこちらを見て、何やら話し込んでいる。
ああ──これは、ひょっとして……
どっちかが俺に気があるとか、そんな感じかな?
きっとそうだ。
自分で言うのもなんだが、俺は前世も今世もイケメンに分類される顔をしている。
しかし顔が良いからと言って、人生で得をしていたかというとそうでもない。
どちらかというと、やたらと突っ掛かってくる奴なんかがいて損だった様に思う。
ひょっとしたら俺の気付かなかったところで、得していたこともあったかもしれないが、俺の体感としては顔が良いからってそんな得したとはない。
そんなわけで、前世は引き籠って太り出しても、見た目にはあまり頓着しなかったのだが──
でもまあ、今回はラッキーだったと言える。
顔が良いことで、女のほうから寄ってきて話がスムーズに進むのなら、得をしていると言える。
うん。
カッコいい顔に、生まれてよかった。
俺は魔力を使い、聴覚の強化もできるようになっている。
どれ、あの二人の会話を聞いてみるか──
「あいつ最近、ずっと私達のこと見てるし──」
「……気のせい、かもしれないよ」
「気のせいじゃないって! 特にトイレの時に……ジーッとこっちを観察してるのよ!! イヤらしい目をして! きっと覗こうとして、チャンスを窺ってるのよ」
「……そう、なのかな──?」
「いい加減に頭に来たわ。これからビシッと言ってやるから──」
「あ、危ないよ──奴隷頭の人に、相談した方がいいよ」
「平気よ、ああいう変態根暗男は、こっちからガツンと言ってやればビビッてまとわりつかなくなるものよ」
ふふん、と得意げに笑った彼女は、宣言通りにズイズイとやってくる。
もう一人の方も、その後ろをオドオドしながら付いて来ている。
メスガキが現れた。
逃げ出したい。
だがここで逃げれば、俺はますます怪しい奴になる。
メスガキは俺の近くまでやってきた。
そして、腕組みをしながらゴミを見る目でこう言った。
「あんたさ、私達に付きまとうの……止めてくれない? じっー、とこっちを見てて──キモいんですけど?」
……これは、どう対応すればいいのだろうか。
いきなり限界まで嫌われている。
あれ?
おかしいな?
いや、何もおかしくはない。
こんなものだ。
やっぱり顔が良くても、何の役にも立ちはしないんだ。
とりあえず、ここからでも友好関係を構築できないか話してみる。
「ちょっと誤解があるようだ。説明させて貰えないか?」
「はあ? なによ誤解って? 言い訳でもいうつもりなの? 男らしくないわね」
俺は日本語で話しかけてみる。
「聞いてくれ、俺は転生者なんだ。前世は日本人で──ひょっとして、君たちもそうなんじゃないか? 」
これならどうだ。
同じ境遇だと分れば、親近感と仲間意識が芽生える。
それにだ──俺がお前たちを見ていたのは、転生者かどうか見極めて話しかけるタイミングを計っていたからだと伝わるだろう。
「だから何? あんた私達の知り合いだったの? 前世での名前は?」
「いや、知り合いでは……ないと思う……」
「だったら赤の他人じゃない。そんなので誤魔化されるわけないでしょ!!」
「えっと、お互いの情報交換とか、さ……転生者同士──」
「ゴチャゴチャと五月蠅いのよ!! 二度と私達に付きまとわないで、もしこれからも付きまとってくるようなら、奴隷頭の人に言いつけるわよ」
奴隷頭というのは、この農場の奴隷のまとめ役だ。
農作業の大まかな計画を立てたりもしていて、農場主と奴隷を繋ぐ存在でもある。
俺は夜遅くまで起きて訓練したり、農場の外を出歩いたりしている。
好き勝手に、やりたい放題やれている。
だが監視を付けられると、大幅に行動が制限される。
問題のある奴隷がいると報告されるのは、正直かなりマズい。
「わ、わかった。もう見ないから、それでいいだろ?」
俺は引き下がって、下手に出た。
俺に文句を付けてきた女の子は、俺の様子を見て勝ち誇った笑みを浮かべ──
「ふんっ、分かればいいのよ。いきましょ」
「……う、うん」
連れの女の子を伴い俺の前から立ち去っていった。
俺はメスガキに敗れ去った。
俺は農場の人気のない道を、先ほどの失態を反芻しながら歩いていた。
この農場は広いので、木や雑草で荒れている管理の行き届いていないような所もある。俺は回復薬用の薬草を取りに来ていた。
「いや、まあ解かるよ。」
自分のことを守ってくれる法律や、警察機構のような実力組織があるのかもわからない世界だ。特に女の子は──男に対して警戒しすぎるくらい警戒してもやり過ぎということはないだろう。
自分の身を自分で守るのは当然のことだ。
トイレ付近にいる女を見つめていれば、向こうが警戒するのは当然だ。
悪いのは俺の方だと思う。
だが、こっちは転生者だという情報を開示したんだ。
第一印象が悪かったとしても、情報交換くらいはしてもいいだろう。
……いや、問題はそこじゃない。
俺が今抱いている怒りは、そんな所にはない。
一番問題なのは、俺が前世の自分と何も変わっていなかったことだ。
相手が何をどう思っていようが関係ない、俺は俺のやりたいことを押し通す。
それが自分で立てた目標のはずだった。
それがなんだ。
この体たらくは。
俺の全身が怒りの感情に包まれる。
俺は右手をギュッと握り締める。
握りしめた拳に、自分の身体を支配している怒りの感情が集まる。
さらに力を籠める。
そのまま腕を引き絞ると──
「クソがッ──!!」
俺は近くに生えていた木に向かって、握りしめた拳を叩き込む。
ドォゴオオオと音を立てて、俺の拳は深々と木を抉り、突き刺さっていた。
慌てて木に突き刺さっていた拳を抜き取り、状態を確認する。
「特に異常はないな……」
つい怒りに任せて思いっ切り殴りつけてしまったが、手は無事のようだ。
良かった。
「しかし、これは怪我の功名という奴かな」
木を拳で殴り、抉っている。
とんでもない破壊力だ。
俺は魔力で、身体能力を強化できる。
筋力を上昇させて力をあげることも可能だ。
だが、その力で木を殴ってもこうはならないだろう。
自分の拳の方が壊れる。
木にもダメージは入るが、抉れることは無い。
どんなに力の強い人間でも、岩を殴ればまず自分の拳の方が壊れる。
殴るのが木の場合でも、それはたいして変わらない。
力が増えれば増えるほど、その力に耐える強度が必要になる。
ということは──
「俺の拳の強度が上がった──のか?」
魔法?
いや、魔力でこんなことは出来ない。
だとすれば──
俺は急いで自分のステータスの該当項目を表示する。
*************************
名前 ユージ
HP 61/61 MP 61/65 FP 38/52
幸運力
058~-011
スキル
空間移動 危険感知
所持品
魔石値 0000103
回復薬 4個
借金 金貨49枚 銀貨4枚 銅貨60枚
才能
大魔導士の卵 戦神の欠片 強欲な器
職業
労働奴隷Lv09(従順01) 農夫Lv06 薬草採取者Lv04 薬師Lv04
戦士Lv06 剣士Lv03 武闘家Lv02
魔法使いLv04 魔物使いLv02
探索者Lv05 斥候Lv04 隠密Lv02 暗殺者Lv02
遊び人Lv05
*************************
思った通り、FPが大幅に減っていた。
怒りの感情で操れたのか?
ひょっとしてFとは『闘気』の略か?
まあ正式名称は、何でもいい。
感情で操作して、自身の強度を上げることが出来る力と捉えておけばいいだろう。
今の憂さ晴らしで怒りを発散できたのか、気持ちも落ち着いてきた。
そうだな。
どのみち自分が強くなければ、ハーレムなど作れはしないのだ。
今はまだ女の尻を追いかけ回すときではない。
自分自身の強化を最優先に行動しよう。
「仕事に戻るか」
借金返済を速めるためにも、力仕事に精を出すことにする。
俺は農作業を行うために、畑へと向かった。
俺と同じ年齢で、恐らくは二人組のはずだ。
すでに条件に合う二人組は、見つけてある。
二人とも女の子で、いつも一緒に行動している。
今は二人で連れ立って、女子用のトイレに行っている。
話は少し逸れるが、この世界のトイレ事情はそこそこ良いほうだ。
この農場の奴隷用のトイレも、ちゃんと男女別に別れている。
一応は仕切りもあるし、汚物を水洗で流せる仕様になっている。
下水で集めた汚水は、野生のスライムを捕獲して一緒に閉じ込めておけば勝手に処理してくれる。
「さて、どう話しかけたものか──」
かれこれ一か月ほど、俺は彼女たちに話しかけることを躊躇っている。
自分の身体能力強化を優先していたというのもあるが、どう接触するのがいいかと悩んで問題を先延ばしにしていた。
このへんの俺の性格は、前世とそう変わっていない。
日本で暮らしていた時みたいに、毎日学校や職場に通う生活だと、他人から嫌われるリスクを考慮し、自分がどう見られているかを意識して、なるべく嫌われない様に気を付けねばならず、挙句にそれが面倒くさくなってしまい、引き籠りになっていった──けれど……
俺は異世界に来て、自分の好きなように生きようと決めた。
人に嫌われたくないだとか──
人の目が気になるだとか──
空気を読まなきゃだとか──
そんな雁字搦めな世界からは脱却したんだ。
「よし! とりあえずは、話しかけてみるか」
そうしなければ、なにも進まない。
俺は覚悟を決めて二人の方に視線を向けると、向こうもこちらを見て、何やら話し込んでいる。
ああ──これは、ひょっとして……
どっちかが俺に気があるとか、そんな感じかな?
きっとそうだ。
自分で言うのもなんだが、俺は前世も今世もイケメンに分類される顔をしている。
しかし顔が良いからと言って、人生で得をしていたかというとそうでもない。
どちらかというと、やたらと突っ掛かってくる奴なんかがいて損だった様に思う。
ひょっとしたら俺の気付かなかったところで、得していたこともあったかもしれないが、俺の体感としては顔が良いからってそんな得したとはない。
そんなわけで、前世は引き籠って太り出しても、見た目にはあまり頓着しなかったのだが──
でもまあ、今回はラッキーだったと言える。
顔が良いことで、女のほうから寄ってきて話がスムーズに進むのなら、得をしていると言える。
うん。
カッコいい顔に、生まれてよかった。
俺は魔力を使い、聴覚の強化もできるようになっている。
どれ、あの二人の会話を聞いてみるか──
「あいつ最近、ずっと私達のこと見てるし──」
「……気のせい、かもしれないよ」
「気のせいじゃないって! 特にトイレの時に……ジーッとこっちを観察してるのよ!! イヤらしい目をして! きっと覗こうとして、チャンスを窺ってるのよ」
「……そう、なのかな──?」
「いい加減に頭に来たわ。これからビシッと言ってやるから──」
「あ、危ないよ──奴隷頭の人に、相談した方がいいよ」
「平気よ、ああいう変態根暗男は、こっちからガツンと言ってやればビビッてまとわりつかなくなるものよ」
ふふん、と得意げに笑った彼女は、宣言通りにズイズイとやってくる。
もう一人の方も、その後ろをオドオドしながら付いて来ている。
メスガキが現れた。
逃げ出したい。
だがここで逃げれば、俺はますます怪しい奴になる。
メスガキは俺の近くまでやってきた。
そして、腕組みをしながらゴミを見る目でこう言った。
「あんたさ、私達に付きまとうの……止めてくれない? じっー、とこっちを見てて──キモいんですけど?」
……これは、どう対応すればいいのだろうか。
いきなり限界まで嫌われている。
あれ?
おかしいな?
いや、何もおかしくはない。
こんなものだ。
やっぱり顔が良くても、何の役にも立ちはしないんだ。
とりあえず、ここからでも友好関係を構築できないか話してみる。
「ちょっと誤解があるようだ。説明させて貰えないか?」
「はあ? なによ誤解って? 言い訳でもいうつもりなの? 男らしくないわね」
俺は日本語で話しかけてみる。
「聞いてくれ、俺は転生者なんだ。前世は日本人で──ひょっとして、君たちもそうなんじゃないか? 」
これならどうだ。
同じ境遇だと分れば、親近感と仲間意識が芽生える。
それにだ──俺がお前たちを見ていたのは、転生者かどうか見極めて話しかけるタイミングを計っていたからだと伝わるだろう。
「だから何? あんた私達の知り合いだったの? 前世での名前は?」
「いや、知り合いでは……ないと思う……」
「だったら赤の他人じゃない。そんなので誤魔化されるわけないでしょ!!」
「えっと、お互いの情報交換とか、さ……転生者同士──」
「ゴチャゴチャと五月蠅いのよ!! 二度と私達に付きまとわないで、もしこれからも付きまとってくるようなら、奴隷頭の人に言いつけるわよ」
奴隷頭というのは、この農場の奴隷のまとめ役だ。
農作業の大まかな計画を立てたりもしていて、農場主と奴隷を繋ぐ存在でもある。
俺は夜遅くまで起きて訓練したり、農場の外を出歩いたりしている。
好き勝手に、やりたい放題やれている。
だが監視を付けられると、大幅に行動が制限される。
問題のある奴隷がいると報告されるのは、正直かなりマズい。
「わ、わかった。もう見ないから、それでいいだろ?」
俺は引き下がって、下手に出た。
俺に文句を付けてきた女の子は、俺の様子を見て勝ち誇った笑みを浮かべ──
「ふんっ、分かればいいのよ。いきましょ」
「……う、うん」
連れの女の子を伴い俺の前から立ち去っていった。
俺はメスガキに敗れ去った。
俺は農場の人気のない道を、先ほどの失態を反芻しながら歩いていた。
この農場は広いので、木や雑草で荒れている管理の行き届いていないような所もある。俺は回復薬用の薬草を取りに来ていた。
「いや、まあ解かるよ。」
自分のことを守ってくれる法律や、警察機構のような実力組織があるのかもわからない世界だ。特に女の子は──男に対して警戒しすぎるくらい警戒してもやり過ぎということはないだろう。
自分の身を自分で守るのは当然のことだ。
トイレ付近にいる女を見つめていれば、向こうが警戒するのは当然だ。
悪いのは俺の方だと思う。
だが、こっちは転生者だという情報を開示したんだ。
第一印象が悪かったとしても、情報交換くらいはしてもいいだろう。
……いや、問題はそこじゃない。
俺が今抱いている怒りは、そんな所にはない。
一番問題なのは、俺が前世の自分と何も変わっていなかったことだ。
相手が何をどう思っていようが関係ない、俺は俺のやりたいことを押し通す。
それが自分で立てた目標のはずだった。
それがなんだ。
この体たらくは。
俺の全身が怒りの感情に包まれる。
俺は右手をギュッと握り締める。
握りしめた拳に、自分の身体を支配している怒りの感情が集まる。
さらに力を籠める。
そのまま腕を引き絞ると──
「クソがッ──!!」
俺は近くに生えていた木に向かって、握りしめた拳を叩き込む。
ドォゴオオオと音を立てて、俺の拳は深々と木を抉り、突き刺さっていた。
慌てて木に突き刺さっていた拳を抜き取り、状態を確認する。
「特に異常はないな……」
つい怒りに任せて思いっ切り殴りつけてしまったが、手は無事のようだ。
良かった。
「しかし、これは怪我の功名という奴かな」
木を拳で殴り、抉っている。
とんでもない破壊力だ。
俺は魔力で、身体能力を強化できる。
筋力を上昇させて力をあげることも可能だ。
だが、その力で木を殴ってもこうはならないだろう。
自分の拳の方が壊れる。
木にもダメージは入るが、抉れることは無い。
どんなに力の強い人間でも、岩を殴ればまず自分の拳の方が壊れる。
殴るのが木の場合でも、それはたいして変わらない。
力が増えれば増えるほど、その力に耐える強度が必要になる。
ということは──
「俺の拳の強度が上がった──のか?」
魔法?
いや、魔力でこんなことは出来ない。
だとすれば──
俺は急いで自分のステータスの該当項目を表示する。
*************************
名前 ユージ
HP 61/61 MP 61/65 FP 38/52
幸運力
058~-011
スキル
空間移動 危険感知
所持品
魔石値 0000103
回復薬 4個
借金 金貨49枚 銀貨4枚 銅貨60枚
才能
大魔導士の卵 戦神の欠片 強欲な器
職業
労働奴隷Lv09(従順01) 農夫Lv06 薬草採取者Lv04 薬師Lv04
戦士Lv06 剣士Lv03 武闘家Lv02
魔法使いLv04 魔物使いLv02
探索者Lv05 斥候Lv04 隠密Lv02 暗殺者Lv02
遊び人Lv05
*************************
思った通り、FPが大幅に減っていた。
怒りの感情で操れたのか?
ひょっとしてFとは『闘気』の略か?
まあ正式名称は、何でもいい。
感情で操作して、自身の強度を上げることが出来る力と捉えておけばいいだろう。
今の憂さ晴らしで怒りを発散できたのか、気持ちも落ち着いてきた。
そうだな。
どのみち自分が強くなければ、ハーレムなど作れはしないのだ。
今はまだ女の尻を追いかけ回すときではない。
自分自身の強化を最優先に行動しよう。
「仕事に戻るか」
借金返済を速めるためにも、力仕事に精を出すことにする。
俺は農作業を行うために、畑へと向かった。
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