女王改めメイド様です

「レイド様に相応しい女性になりなさい。それがクラーラにとっての幸せだ」
 小さい頃から親にずっと言われて私はその通りに生きてきた。

 それなのに、二十歳で離婚、屋敷を追い出された。

 結局良いように利用され、最後は捨てられる。実にくだらない人生。

「こんなことならもう少し好きに生きればよかった」

 そうして私の一生は終えた....はずだった。

「クラーラ!」

 私の目の前に病死したはずの父がいる。

「お父様?ここは天国?」

「なにを訳のわからない事を。レイド様との婚約で混乱しているのか?」

 鏡に映るは婚約を結んだばかりの私。状況を何となく理解した私はすぐ将来に備えて動き出した。

 今度は自分の好きに生きるために。
 






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