(完)サモナー世界のイレギュラー この国のルールを変えます

オル茶

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犯人

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付けたふりをしておいて正解だった。じゃないと俺もあの戦場で首と胴体が離れ離れになるとこだった。

「それにしても、この状況。後ろの2人は無事なのか?」

2人を心配しつつ魔物が湧いて出てくる原因を探る為森に入った。

(主人様よ、まだ生きてるかー?)

死んでたら、コンも一緒に消えるでしょ

(まだ大丈夫そうやな。調べ物をしてる中で今回の大量召喚をやった犯人わかったで)

本当か!?誰なんだよ

(それがな主人様の父親やったんや。魔力が主人様とほぼ同じやったから気づかんかったわ)

父様がこれを?こんな状況で笑えない冗談はやめてよ

(冗談とちゃう。それにもう一つ微量やけど魔力が混ざっとる。あの使用人の小娘の魔力や)

ニアも!?なんで?

(そんなん私がわかるわけないやろ。なんもないと思うけど一応頭に入れといて。今から合流に向かうからそこ動かんでや)

言われた通り動かず身を潜め、コンと合流した。

「そうだ、コンの魔力探知でマヤが無事かわかるか?」

「あの生意気な小娘か?無事やけどかなり魔力を消耗しとるな」

「そんなに押されてるのか?相手より数は少なくとも、一人一人の強さはこっちの方が上だろ?」

「こんだけ長引けば消耗だってするやろ、魔力は無限にあるわけないんやから」

「で、でも.....」

「そんなに心配なら早よ元凶止めに行くで。場所ならもうわかっとる」

コンの後ろをついて行くとある場所に辿り着いた。

「ここって....」

「なんやここ知っとるんか?」

「小さかった頃、兄達が父様と訓練してた場所だ」

「主人様の父親以外に2人おるな。この魔力からして兄とちゃうか?」

辺りを見回すと父と兄が口論をしていた。

「父さんこんな事はもう辞めてくれ!何をそんなに必死になってるんだよ!」

「親父!そのままじゃ死ぬぞ!」

「お前たちこそなぜ分からぬ!このままでは、手遅れになるぞ!」

父様の言ってる事はめちゃくちゃだった。

「父様それどう言う意味です?」

「カイラ!?なぜここに?」

兄2人は驚いていたが父は俺がここにいる事を気にしていなかった。それどころか、怒り始めた。

「お前のせいなのだ、お前がイレギュラーなぞになるから!」

言ってることの意味がまるでわからない。その上俺たちに大量の使い魔をぶつけて来た。

「兄様たち父様を止められる?」

「流石に俺たち2人だけじゃこの量を相手するので精一杯だ。カイラ親父を頼めるか?」

「わかった、やってみる」

兄達は大量の魔物を2人で相手し始めた。

「また私の邪魔をするのかカイラ!この親不孝者めが!」

「少し落ち着いてください!僕が何をしたって言うんです!」

「うるさい!だまれ!」

まるで会話にならない。

「主人様よ、今回は私が出る。いいな?」

「何か考えがあるのか?」

「黙って見ておれ」

「またその狐、前回のように勝てると思うなよ」

父はゴーレムを召喚するのかと思いきや、兄達と同じように物量で攻めて来た。

「ふん、有象無象が....」

コンは一瞬で大量に召喚された魔物を蹴散らし、父を殴って気絶させた。

「これで、魔物の問題は終わったな」

父が気絶したと同時に召喚されていた魔物は一斉に消え始めた。

「カイラお前の使い魔すごいな、見たこともないし.....」

「ちょっと事情がありまして」

「主人様よ、これが今回の原因じゃ」

「透明な糸?」

コンは釣り糸のような細く透明な糸を父から引きちぎった。

「何故こんなものが父様に?」

それを見た兄達は驚いた様子で聞いて来た。

「おいなんだその糸、なんでその糸からニアの魔力がする?」

「流石、この国の王に近い2人やねこの魔力に気づくとは」

え?今ニアの魔力って言った?

「コンまさかと思うが今回、父様がおかしくなった原因って.....」

「おそらく使用人の小娘が仕組んだことやろな」

「なんで?何もないって言ったじゃん」

「それは可能性の話や。確信したのはさっきやけどな」

予想外のことが起こりすぎて頭が混乱する。

「混乱するんはええけど、早よ止めなこの国滅ぶで?」

「滅ぶ?魔物の大量発生は終わったのに?」

尋ねるとコンは、兄達に問いかけた。

「あんたら、自分の魔力のこと気づいてるんちゃう?立ってるのも精一杯やろ?」

「何故使い魔がそれを!?」

「やっぱりな」

俺は、ますます分からない。

「なんの話だよ?」

「魔力が勝手に減っていってんねん」

「別に勝手に減るだけだったら大丈夫じゃない?」

「あんな主人様、私もさっき知ったことやけど、魔力がなくなると体が勝手に生命エネルギーを魔力に変換し始めるんよ」

「それって、命削ってるってことだよね?じゃあ魔力のある人たちみんな気づくんじゃないの?」

「何もなければ気づくやろな、でも魔族と戦争してたら?」

だから魔族側に押されていたのか。

「魔力を常に使うから気にならないっか....うちに出入りが多いニアをなんらかの方法で使い、父さんをおかしくさせて戦争を起こした。なら国王が黒幕って事になるぞ」

「その通り、あんたらはもう無理に喋らんほうがええよ。本気で死ぬで?」

コンは兄2人を眠らさせた。

「じゃあなんでコンは大丈夫なの?」

「私?私は魔力じゃなくて妖力がメインやからな、そもそもこの魔力主人様のやし」

「今動けるのって僕とコンだけってことじゃない?」

「何で?魔力無しがいるやろ?」

コンに首輪のことを話した。

「なるほど、死んでも爆破、逃げても爆破ってわけか、趣味悪いんやな。とりあえず私たちだけでも王城に行くで」

そうして俺とコンは急いで王城に向かった。

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