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しおりを挟むやって参りました!念願のお風呂!!
隠れ家的な家に入って、地下に向かう階段。降りたら廊下を進んで、形ばかりの男女別ののれんがあり、それぞれに扉。木戸っていうんかな?
え、開かないって思ったら、「シンさん、桶の中とかにコレ入っていませんか?」って親指サイズの深い青色の涙型(ドロップ型かな)の石の付いたストラップみたいな物を出して来た。飛○石ですか!?入ってる!!
「これ、男用のお風呂のカギです。無くさないように気を付けてくださいね!それで、コレをここにかざすと」
おぉ!戸が開いた!
「こうやって中に入ります!」
お風呂特有のモワッとした空気!テンション上がってきた!!
脱衣所の中にはロッカーがあった。んで、そのロッカーも入り口と同じ様に青い石をかざして開けるんだと。
まぁその鍵は入浴中は手首に付けておくと。俺は、つい癖で足首に付けちゃうけど。
「だっぴ(脱皮)!!!!」
「え!急に何!?どうした、モック君!!」
「服を脱ぐときはこの掛け声をするのが決まりだと教えられました!」
誰にだよ!いや、言わねーよ?元の世界でも言った事もねーよ!!
「そ、そうなんだ⋯⋯まぁ風習は色々あるよね⋯⋯」
俺は言わないけどな!
気を取り直して!いざ!全裸!あ、着替えも先に出しとこ。
今のうちに、エコバッグ洗濯機で洗濯出来るなって思ったけど、よく考えたら音が鳴るからやめておいた。
桶の中には、石タイプの鍵と、液体の入ったビン(栄養ドリンクサイズ)、スポンジ、フェイスタオルくらいのサイズの布があった。
この布は風呂から上がった時用だって。何と液体は一滴で全身洗えるそうな。えぇ、めっちゃコスパいいじゃん。って女性も同じなのか聞いたら、流石に女性用は分からないんだって。まぁそうだよな、男の子だもんな。
風呂は温泉だった!ここに来て温泉!!思ったより広いな!10人くらいは入れそう!そして、温泉の横を流れる川⋯⋯いや、屋外ですか!?あー、これネットで見た事のある橋の下の温泉みたいだなぁ。橋から丸見えの。あれどこの県だったかな。
まぁいいや、温泉は温泉だ!しかもかけ流し!
洗浄の魔法はしたけど、やっぱり身体は洗いたいから、モック君に教えて貰いながら身体を洗って、いざ!
気持ちい~~~
──バシャバシャバシャ
あーやっぱり、風呂っていいよなぁ。風呂に入ってる時って考え事しちゃうよな。後、忘れていた事をいきなり思い出したりとか。俺だけかもしれないけど。
──バシャバシャバシャ
あれ?そういえば、テントに風呂無かったっけ?どうだったかな、後で確認しよ。
──バシャバシャバシャ
あー、俺全然魔導具使いこなせてないなぁ。あ、ぼた餅補充されるなら何かに移しときたいな。カバンに入れておけば保存出来るだろうし。パン屋さんのトレー?コンテナ?みたいなん欲しいなあ。
そうだ!今日こそあの魔導具布団で寝よ!
──バシャバシャバ
「こら!モック!風呂で泳ぐんじゃねぇ!!」
「ひゃ、ひゃい!ごめんなさーい」
あらあら、モック君怒られてるよ。酒場で会ったおっさんだ。誰だったかな。
それにしても、やっと年相応なところがあったね。泳ぎたくなるのは分かるよ。だけど、ひゃい、って!
あ、そうだ!
「なぁなぁ、モック君や」
「なんですかい、シンさんや」
ノリいいね、君。
これからどのくらいの期間かは分からないけど、まぁ短くはないよな、一緒に旅をするんだったら他人行儀なのもなって思って。
だから、敬語と、さん付けをやめて貰った。俺も、君付けをやめた。結果⋯⋯
「シン兄ちゃん!!」「モック!!」
かわいいー!!この世界で弟が出来ました!ごめんよ、暢君!
さて、サッパリしたところで風呂から上がって、おぉ、この布の吸水率凄いな!タオルじゃないのになぁ。あれ、タオルって布?違うな、パイル生地?とかいうんだっけ?全く覚えてないな!
夕飯は別々だから、一旦モックを宿に送っていって、ついでにコソッと風呂道具をカバンに閉まって。
あー、禁酒だったぁ!!無念!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
宿に戻った俺は、忘れずに!そう、忘れずに先に、布団を出した。
⋯⋯毛布はいらないな。今思ったけど、元の世界と季節違うよな。もしや時間の流れも違うとか?
考えても分からんな!
よし、今日は暢君レターに書くことがたくさんあるな。
ほんと驚きの白さ並に驚き満載だったなぁ。
あ、洗浄!!試してみるか!ひとまず着替えとかで試そう。
まずはイメージ⋯⋯洗濯機?食洗機?んー⋯⋯汚れと匂いを分解⋯⋯いけるか?心の中で《洗浄》⋯⋯何も起きねーな!
じゃあ同じ様に「《洗浄》」
ゾワッと来て、出来たーー!!!
ほらもう、あの長い呪文いらないじゃん!あ、待てよ、イメージ無しだったら?他にキレイにしたい物を並べて、
「《洗浄》」ゾワッ
⋯⋯おい、イメージ。どこに行った、イメージ!!
うっわぁ、すんごい謎残ったんですけど!え、魔法の名前言うだけでよかった感じ?
元来察しがいいんだ、俺は!勘のいいガキだったんだよ!たぶん!
そんな俺の推理。あの魔法陣で魔法を覚えたから、本当は魔法名を言うだけで発動可能。呪文のセリフは厨ニのゴタンダさんが遺した、ハイコレー、間違いないはず!!
あー、何かスッキリ(?)
ぼた餅入れておく物もないし、寝ようかな。
あ、忘れてた。ランダム非常食!別名森田ガチャ(俺命名)!
『サバ缶』⋯⋯非常食⋯⋯ちゃんとした非常食⋯⋯やれば出来るじゃないか、森田さん。
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