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動乱
真実(改稿済み)
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そこには、以前と変わりなく、穏やかに微笑むハイネ様が優雅に椅子に座っていた
「ひろ、久しぶりだね。ものすっごく久しぶりだね。大事な事だから2回言ったよ。それから、ルイ。君に会うのは初めてだね。僕はハイネと言う、君達の世界を担当してる神だよ。よろしくね」
「ハイネ様、ルイです。よろしくお願いします」
「話が長くなりそうだから、君達もそこに座って?」
「「はい、ありがとうございます」」
私達は、ハイネ様の前に並んで座った
「さて、どこから話そうかな」
「あの……ハイネ様。俺、いや、私がひろと初めて結ばれた日に見たあの夢は、事実ですか?」
「ああ、あれは全て本当の事だよ。僕が君の夢に介入して見せたものだ。君はフローレンス王国の、正統な後継者だ。父王がなくなった今、本来なら君が玉座に付くのが筋だけど、残念ながら現在玉座に座っているのは第2王子である君の弟だよ。これだけ言えば、誰が首謀者かわかるよね。君のその赤い蔦の紋様は、君が王国の正統な後継者である事を示しているから、彼奴らは君が邪魔だったんだろうね。その蔦の色は、王太子の時には緑、王太子が王になった時にそれは赤に変わる。君の腕にあるのは、正にその赤だ。だから、君は今でもフローレンス王国の王の資格を持っているんだよ」
あまりの事に、私達二人は息を飲んだ
「ルイが、王様……」
「王国の正統な後継者にある蔦の紋様は、僕ことハイネ神が王国に加護を与えている印なんだよ。だから、僕はちょくちょく王国の様子を見てきたんだ。なのに、あの時、ちょっとばかり気づくのが遅れてしまってね。本当にごめんね。気づいたら、君の父上は毒殺され、母上は幽閉され、君は呪いをかけられて、今まさに死の森に捨てられるところだったんだよ。彼奴らが君にかけた呪いは、禁呪なんだよ。種族替えなんて、やってはならないことなんだ。禁呪が故に解呪するのがややこしくてね。異世界の女性に愛される事なんてさ、どうしようかと思ったよ。協力してくれたひろには本当に感謝してるよ。」
ハイネ様は、私にパチンとウインクをした
それを見たルイの顔色がみるみる変わっていく
「ハイネ様、ひろはもう私の妻ですので、お戯れはほどほどになさって下さい」
「ははは……ひろ、愛されてるねえ。若者はいいなぁ。羨ましいよ」
私は真っ赤になって顔を上げることができなかった
思わずルイの脇を肘で小突く
「だって、ちゃんと言っとかなきゃ。神様だってダメなもんはダメなんだよ」
「ククク、ひろは大変だねえ。まぁ、頑張って」
「えっと、仕切り直そうか。さっきの話の続きね。神様ってね。約束を破るのを許せないんだよ。だから、ルイに呪いをかけた者達には、解呪した際それに関わった者達も含めて一連托生で同じ罰を受けてもらう事にしたから、多分今頃みんな大変だと思うよ。ふふふ……」
ハイネ様、神様なのに笑顔がめちゃくちゃブラックなんですけど………
「ハイネ様、私達はこれからどうすれば良いのでしょう。これが一番だと思われる事を教えて下さい」
ルイがハイネ様に頭を下げる
「う~ん、そうだね~、助言だけならいいよ。とりあえず、君達二人はあの岩山の裏手に行った先にある隣国のマジョール国の女王に身柄の保護を求めるのがいいだろうね。女王は君の母上の姉だから、君は彼女の甥にあたる。無下には扱わないと思うよ」
「はい、わかりました。ご助言ありがとうございました」
「まぁ、些細ないざこざはあるだろうけどね。うまくやりたまえ」
「いざこざ?」
「そう、いざこざ。でも、さっきの君を見たから、多分大丈夫」
「私の何が大丈夫なんでしょう」
「あははは、君、さっき僕に嫉妬して威嚇してきたじゃない。あれだけひろの事を愛してるなら大丈夫だと思ったんだよ」
「あ~~~、ハイネ様!もう、それ以上は勘弁してください!私、恥ずかしくて穴があったら入りたい!」
「わはは、楽しいなぁ。久しぶりに声を出して笑ったよ」
「じゃぁ、もう戻るかい?」
「あ!そうだ!ハイネ様!私の母はどこに軟禁されているのでしょうか?」
「あ、君の母上はね、城の北の塔の最上階に幽閉されてるよ。助けに行くのかい?」
「はい、できれば。マジョールの女王様に力を貸してもらう必要があるとは思いますが」
「うん、頑張ってね」
「ハイネ様、ありがとうございました」
「うん、またね。偶には遊びに来てよ。ひろは忘れてたみたいだけどね」
ハイネ様、根に持ってるよ~
私達が我が家に戻るために席を立ったとたん、ハイネ様が叫んだ
「あ!大変だ!君達が僕の所に来てる間に、向こうでまた10日くらい経ってしまってて、その間に向こうの森が大変な事になっちゃってるみたいだよ。今見せるね」
そう言うと、ハイネ様はモニターを出して、そこに向こうの森の現在の様子を映し出してくれた
そこには、今現在、私達の森でフローレンス王国の紋章のついたゴーレム軍団が木々をなぎ倒し、火炎放射器のような魔道具で、森を焼き払う様子が映っていた
「「これは!!」」
「これは、まずいね。もう既に森の3分の2以上がなくなってる。もうこれでは森の中に食べ物が不足して、生き物が生きていけない」
「ハイネ様、私の転移魔法は、私と体を接触していないと、私以外のものを転移させられないの?」
「あ、それはひろ、君が張った結界ごと転移させることができるよ。動物や魔物達を助けたいんだね?頑張って!ここで応援してるよ」
「はい、頑張ってみます。今度から、時々遊びに来ますね」
「次は、君達の子供が一緒かもしれないね。楽しみにしてるよ」
「ハイネ様、子供はお任せください。毎日頑張ってますから」
「もう!ルイ!恥ずかしいから」
「なんで?本当の事でしょ?悪い事じゃないんだから、隠す必要ないじゃない。堂々としてなよ」
「ルイだけ堂々としてたらいいよ。私は知らない顔しとくから」
「ククク、君達最高だね」
私達は騒がしく言い合いをしながら、我が家に戻りました
「ひろ、久しぶりだね。ものすっごく久しぶりだね。大事な事だから2回言ったよ。それから、ルイ。君に会うのは初めてだね。僕はハイネと言う、君達の世界を担当してる神だよ。よろしくね」
「ハイネ様、ルイです。よろしくお願いします」
「話が長くなりそうだから、君達もそこに座って?」
「「はい、ありがとうございます」」
私達は、ハイネ様の前に並んで座った
「さて、どこから話そうかな」
「あの……ハイネ様。俺、いや、私がひろと初めて結ばれた日に見たあの夢は、事実ですか?」
「ああ、あれは全て本当の事だよ。僕が君の夢に介入して見せたものだ。君はフローレンス王国の、正統な後継者だ。父王がなくなった今、本来なら君が玉座に付くのが筋だけど、残念ながら現在玉座に座っているのは第2王子である君の弟だよ。これだけ言えば、誰が首謀者かわかるよね。君のその赤い蔦の紋様は、君が王国の正統な後継者である事を示しているから、彼奴らは君が邪魔だったんだろうね。その蔦の色は、王太子の時には緑、王太子が王になった時にそれは赤に変わる。君の腕にあるのは、正にその赤だ。だから、君は今でもフローレンス王国の王の資格を持っているんだよ」
あまりの事に、私達二人は息を飲んだ
「ルイが、王様……」
「王国の正統な後継者にある蔦の紋様は、僕ことハイネ神が王国に加護を与えている印なんだよ。だから、僕はちょくちょく王国の様子を見てきたんだ。なのに、あの時、ちょっとばかり気づくのが遅れてしまってね。本当にごめんね。気づいたら、君の父上は毒殺され、母上は幽閉され、君は呪いをかけられて、今まさに死の森に捨てられるところだったんだよ。彼奴らが君にかけた呪いは、禁呪なんだよ。種族替えなんて、やってはならないことなんだ。禁呪が故に解呪するのがややこしくてね。異世界の女性に愛される事なんてさ、どうしようかと思ったよ。協力してくれたひろには本当に感謝してるよ。」
ハイネ様は、私にパチンとウインクをした
それを見たルイの顔色がみるみる変わっていく
「ハイネ様、ひろはもう私の妻ですので、お戯れはほどほどになさって下さい」
「ははは……ひろ、愛されてるねえ。若者はいいなぁ。羨ましいよ」
私は真っ赤になって顔を上げることができなかった
思わずルイの脇を肘で小突く
「だって、ちゃんと言っとかなきゃ。神様だってダメなもんはダメなんだよ」
「ククク、ひろは大変だねえ。まぁ、頑張って」
「えっと、仕切り直そうか。さっきの話の続きね。神様ってね。約束を破るのを許せないんだよ。だから、ルイに呪いをかけた者達には、解呪した際それに関わった者達も含めて一連托生で同じ罰を受けてもらう事にしたから、多分今頃みんな大変だと思うよ。ふふふ……」
ハイネ様、神様なのに笑顔がめちゃくちゃブラックなんですけど………
「ハイネ様、私達はこれからどうすれば良いのでしょう。これが一番だと思われる事を教えて下さい」
ルイがハイネ様に頭を下げる
「う~ん、そうだね~、助言だけならいいよ。とりあえず、君達二人はあの岩山の裏手に行った先にある隣国のマジョール国の女王に身柄の保護を求めるのがいいだろうね。女王は君の母上の姉だから、君は彼女の甥にあたる。無下には扱わないと思うよ」
「はい、わかりました。ご助言ありがとうございました」
「まぁ、些細ないざこざはあるだろうけどね。うまくやりたまえ」
「いざこざ?」
「そう、いざこざ。でも、さっきの君を見たから、多分大丈夫」
「私の何が大丈夫なんでしょう」
「あははは、君、さっき僕に嫉妬して威嚇してきたじゃない。あれだけひろの事を愛してるなら大丈夫だと思ったんだよ」
「あ~~~、ハイネ様!もう、それ以上は勘弁してください!私、恥ずかしくて穴があったら入りたい!」
「わはは、楽しいなぁ。久しぶりに声を出して笑ったよ」
「じゃぁ、もう戻るかい?」
「あ!そうだ!ハイネ様!私の母はどこに軟禁されているのでしょうか?」
「あ、君の母上はね、城の北の塔の最上階に幽閉されてるよ。助けに行くのかい?」
「はい、できれば。マジョールの女王様に力を貸してもらう必要があるとは思いますが」
「うん、頑張ってね」
「ハイネ様、ありがとうございました」
「うん、またね。偶には遊びに来てよ。ひろは忘れてたみたいだけどね」
ハイネ様、根に持ってるよ~
私達が我が家に戻るために席を立ったとたん、ハイネ様が叫んだ
「あ!大変だ!君達が僕の所に来てる間に、向こうでまた10日くらい経ってしまってて、その間に向こうの森が大変な事になっちゃってるみたいだよ。今見せるね」
そう言うと、ハイネ様はモニターを出して、そこに向こうの森の現在の様子を映し出してくれた
そこには、今現在、私達の森でフローレンス王国の紋章のついたゴーレム軍団が木々をなぎ倒し、火炎放射器のような魔道具で、森を焼き払う様子が映っていた
「「これは!!」」
「これは、まずいね。もう既に森の3分の2以上がなくなってる。もうこれでは森の中に食べ物が不足して、生き物が生きていけない」
「ハイネ様、私の転移魔法は、私と体を接触していないと、私以外のものを転移させられないの?」
「あ、それはひろ、君が張った結界ごと転移させることができるよ。動物や魔物達を助けたいんだね?頑張って!ここで応援してるよ」
「はい、頑張ってみます。今度から、時々遊びに来ますね」
「次は、君達の子供が一緒かもしれないね。楽しみにしてるよ」
「ハイネ様、子供はお任せください。毎日頑張ってますから」
「もう!ルイ!恥ずかしいから」
「なんで?本当の事でしょ?悪い事じゃないんだから、隠す必要ないじゃない。堂々としてなよ」
「ルイだけ堂々としてたらいいよ。私は知らない顔しとくから」
「ククク、君達最高だね」
私達は騒がしく言い合いをしながら、我が家に戻りました
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